【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.118「来日直前アンディ・マッコイ インタビュー:昔デヴィッド・ボウイにもし空いた時間ができたらカヴァー・アルバムを作れといわれ作った」

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8月にカヴァーアルバム『Jukebox Junkie』をリリース、今年10月11日に60歳の誕生日を迎えたアンディ・マッコイが誕生日の前日ヘルシンキのお気に入りのレストランでインタビューに答えてくれました。ニューアルバム、迫った来日、Hanoi Rocksの「Oriental Beat」リマスター盤リリース、先月あったマイケル・モンローの60歳記念コンサートにHanoi Rocksで出演したことなどいろいろ聞いてみました。


Pic:Mira Tiinanen

──まず最初に60歳のお誕生日おめでとうございます。今の気分は?

アンディ:日にちが変わる直前に生まれたんだ。30歳の時ととくに何も変わらない気分だよ。賢くはなったかもしれないが以前と同じ気分だ。

──まだやり遂げてないようなことで、これはやりたい事とかありますか?

アンディ:やりたいことはすべてやってきたので、この後もやりたいことを続けていくだけだ。これまでずっとやりたいことがやれてきて俺はとても恵まれている。そういうギフトが与えられる人は数少ないと思う。オフィスの仕事は俺には耐えられないよ。

──8月にカヴァーアルバム『Jukebox Junkie』がリリースになりましたが、なぜ今回はカヴァーアルバムを作ることにしたのですか?

アンディ:15年か20年ぐらい前にデヴィッド・ボウイに会った時「アンディ、もし空いた時間ができたらカヴァー・アルバムを作れよ。」って言われたことがあって、前のアルバム『21st Century Rocks』がリリースされた後日本やUSAにツアーに出る予定だったのが、出発の4日前に国境が閉まってしまい、その後はコロナのおかげで絵を描くことぐらいしかすることがなくなってしまった。空いた時間ができたから、じゃカヴァーアルバムを作ろうかってことになったんだ。それで大ヒットはしてないが俺がファンタスティックだと思うあまり知られてないような50年代のロックからレゲエまで、知らなかった人に知ってもらえるよう色彩豊かな選曲でレコーディングしたんだ。9カ月ほどレコーディングして、いい曲がたくさんできたがすべてを1枚のアルバムに入れるわけにはいかなかったから、このアルバムに入らなかった曲もたくさんある。

──デヴィッド・ボウイの「China Girl」以外はほぼ知らない曲だったけど、このアルバムを聴いて他の曲を知ることができました。このアルバムに入れる曲はどうやって選んだんですか?

アンディ:70曲ほど曲のリストがあったんだが、マネージャーからそれをすべてレコーディングすると少なくても2年はかかるし10枚のアルバムを出すことになると言われ、曲を選ばなきゃいけなかったんだけど選ぶのはかなり難しかったよ。今回のアルバムに収録されなかったけどレコーディング済みの曲もあるので、後でリリースすることも可能だ。

──曲によって演奏する人やヴォーカルもいろいろで、多彩なアルバムに聴こえます。まず曲を決めてから誰が演奏、歌うかを決めたのですか?

アンディ:まず最初に曲の再アレンジをして、多い知り合いの中から、曲ごとに誰がぴったりくるか考えてスタジオに呼んだんだ。

──コロナ渦で延期になっていた日本公演がやっと実現で、今回はトリオで来日ですが、なぜ今回はトリオで行くことにしたのですか?

アンディ:アコースティックライブで親密でインティメイトなものにしたかったからだ。今回は長女のソフィアが一緒で彼女はヴォーカルやバッキングヴォーカル、バンドのピアニスト、ジョニー・クラッシュが一緒だ。The Suicide Twinsの頃からアコースティックライブを観たいというリクエストがずっとあったんだが、これまではいつもバンドと行ってたので、今回はちょっと変えてアコースティックライブにした。

──今回のアコースティックライブで、日本のファンはどんなライブを期待できますか?

アンディ:Hanoi Rocksよりインティメイトなライブでフラメンコもやるつもりだ。フラメンコは普通のギターとはまた違って弾ける人はそういない。

──フィンランドでソフィアと一緒にアート展を開いてますが、日本でも開く予定はありますか?

アンディ:来日した時にアート関係者とも会う予定で可能性について話をする予定だ。

──日本で時間があったらどこか行きたい場所はありますか?

アンディ:ソフィアとマネージャーは日本行くの初めてで、現地に知り合いがたくさんいるし、公演がある東京と大阪を案内したいと思ってる。時間さえあれば京都もいいな。京都は美しい街だ。

──Hanoi Rocksの「Oriental Beat」がリマスターされ再リリースになる話を聞きましたが。

アンディ:やっとだよ。あのアルバムがどういう風に聴こえるべきだったか、やっとみんな聴くことができる。最初にこのアルバムができた時、マイケルと聴いたら、ロックンロールがかき消されていて、いったいこのアルバムに何をしたんだと驚いたよ。当時は俺もマイケルも若かったから巧みにごまかされてしまった。今ならそうはいかないよ。古いヴァージョンは間違った印象を与えてしまったが、Hanoi Rocksのこうあるべきであった最高のアルバムをファンはやっと聴くことができる。遅くはなったが、そのままになってしまうよりずっといい。Guns N' Rosesはニューアルバムリリースに14年ほどかかったけど、俺たちは40年もかかって、最長記録を作ったよ(笑)。来月リリースになる。

──マイケル・モンローと一緒にスタジオに入ったんですよね。リマスターの工程はうまく進みましたか?

アンディ:とてもうまく行ったよ。マイケルは俺にとって兄弟みたいなもんだ。とはいってもお互いに自分の人生があるし、昔はずっと一緒で誰だって毎日一緒にい過ぎたらうんざりするってことはあるだろ。

──先月マイケル・モンロー60歳記念コンサートにオリジナルとリボーン時代のHanoi Rocksが出演して、合計12曲を演奏しましたが、40年ぶりにオリジナルメンバーが集まってのライブはどうでしたか?

アンディ:俺たちのバランスはファンタスティックだった。セットリスト見て、すべてなじみで覚えていたので、俺は特に事前に練習をする必要もなく2回リハーサルして、1回目は小さいミスがあったけど2回目ではうまく行った。若いときに何度も演奏してたからよく覚えてたよ。その出演は俺にとっては他のライブと同じで一つのライブに過ぎなかった。ジップ・カジノもいたし、もちろんナスティにサミ、そしてマイケルとまた一緒にプレイできてとても楽しかったよ。それは俺からマイケルへの誕生日プレゼントだったんだ。

──では最後にメッセージをもらえますか?


「ハロー!乾杯!BARKS!俺のサポートありがとう!日本で皆に会えることを楽しみにしてる。ロックンロールをプレイするぜ!長女が一緒に来る。ファンタスティックな信頼できるピアニスト ジョニー・クラッシュも一緒だ。サンキューBARKS!」

カヴァーアルバム『Jukebox Junkies』から「Take Me I'm Yours」のオフィシャルMVが公開になってます。


取材をし終えたあと、写真満載のHANOI ROCKSの本にサインしてもらおうと出したところ、最初っから最後までパラパラとめくりながら目に留まった掲載されてる写真の思い出話を1時間以上もかけていろいろ語ってくれました。


Pic:Hiromi Usenius

マイケル・モンローの60歳記念コンサートにHanoi Rocksが出演したレポは前回の「Hiroのもいもいフィンランドvol.118」をぜひ読んでみてください。マイケルによるとHanoi Rocks出演はその日一夜限りで今後の予定はないとのことですが、あの出演はマイケルへの誕生日プレゼントだったというアンディの気持ちなんだか嬉しいですね。

コロナ渦で延期になっていたアンディ・マッコイの振替来日公演のスケジュールはこちら。
・2022年10月17日(月)東京・新宿LOFT
・2022年10月18日(火)東京・新宿LOFT
・2022年10月20日(木)大阪・大阪MUSE

詳しくは招聘元Vinyl Japan/Eikoku Ongakuのフェイスブックを!



行こうかどうかまだ悩んでる方、これまでと違うインティメイトなアコースティックライブが観れるこの機会をお見逃しなく!

アンディ・マッコイは画家としても知られますが、彼の描いた絵画が最近注目を集めているデジタルアート、NFTアートとしてオンラインショップ『OpenSea』で購入可能になりました。これまで未発表だったポートレートもNFT作品で販売されている他、フィジカルアートも販売されているので興味ある方はチェックしてみてください。



文:Hiromi Usenius

◆【連載】Hiroのもいもいフィンランドまとめページ
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