【対談】うみくん × you&kiyo [Nicori Light Tours]、ボカロ曲と動画配信を語る「Janne Da Arcからの影響は今の音楽制作に全部役立ってます」

ツイート
no_ad_aritcle

YouTuberで歌い手のうみくんが10月19日、自身初のボカロカバーベストアルバム『【ボカロ曲を原キーで】高音厨で有名な総再生数1億超えのうみくんがベストアルバムを出した件について【歌ってみた】』をリリースした。その通常盤ジャケットには数々の著名人とともに、うみくんが敬愛して止まない元Janne Da Arcのメンバーであり、現Nicori Light Toursのyouとkiyoのコメントが掲載されている。

◆うみくん × you&kiyo [Nicori Light Tours] 画像 / 動画

うみくんは、2014年より動画サイトにて活動を開始。5オクターブの声域を活かして女性アーティストやボーカロイド曲などを原曲キーで歌いこなす圧倒的な歌唱力は、東京音楽大学声楽科卒にして教員免許を持つ折り紙付だ。その実力とポップなキャラクターで、自身のオフィシャルYouTubeチャンネル“Umi Kun”の登録者数は46万人、総再生数は1億を超えている。

youとkiyoとの初対面は2021年、“Umi Kun”チャンネルにて。うみくん自身は当日初めて二人の参加を知るというサプライズなドッキリ企画だった。その詳細は現在も動画で楽しむことが可能だ。そして前述したように、初のボカロカバーアルバム『【ボカロ曲を原キーで】高音厨で有名な総再生数1億超えのうみくんがベストアルバムを出した件について【歌ってみた】』リリースにあたって、youとkiyoがコメントを寄せるなどの親交のある両者だが、じっくりと膝をつき合わせての対談は今回が初となる。

緊張を隠せないうみくんが語るふたりへの愛とリスペクト。youとkiyoが明かすJanne Da Arc当時のエピソード、ボカロ曲やYouTube発信に対する印象など、ここでしか聞けない話題が多数飛び出した貴重なトークセッションをお届けしたい。なお、対談記事の最後にはアルバム『【ボカロ曲を原キーで】高音厨で有名な総再生数1億超えのうみくんがベストアルバムを出した件について【歌ってみた】』のレビューも掲載する。

   ◆   ◆   ◆

■おふたりが現れたときは本当にパニックで
■とにかくご迷惑をおかけしないようにって

──対談というかたちでお話するは初めてですか?

うみくん:はい、初めてです。よろしくお願いします!

you&kiyo:よろしくお願いします。


▲うみくん

──うみくんがyouさんとkiyoさんを知ったタイミングというと?

うみくん:中高生の時に、ずっとJanne Da Arcを聴かせていただいていて。音楽大学を受験するための声楽レッスンに、車で片道2時間かけて通っていたんですけど、その車中ずっと聴いていた思い出があります。本当に僕の青春ですね。すべてがカッコよくて憧れで……だから、当時youさんモデルのギターがすごく欲しかったんですよ。そのために、中古で買ったボロいギターにセイモアダンカンとかのピックアップを載せる改造を施して、グレードアップさせたそのギターを購入時よりも少し高く売って稼ぐっていうことを延々と繰り返して。

──わらしべ長者カスタム版みたいな錬金術ですね(笑)。

うみくん:ははは。2年ぐらいかけてやっとyouさんモデルを買うことができたんです。

you:すごい努力。

うみくん:足りない分はちょっとオカンに出してもらいましたけど(笑)。フェルナンデスのJDA-85Yの深い青のカラーリングで、「will(〜地図にない場所〜)」のミュージックビデオでも弾かれていましたよね。あのミュージックビデオが好きでずっと見てましたし、ギターソロとかめちゃくちゃ練習しました。あと、Janne Da Arcのバンドスコアやyouさんのギター教則DVDも買って、「シルビア」のタッピングを練習したり。


▲you (Nicori Light Tours)

──最初は歌よりも演奏や楽器に興味があったんですね。

うみくん:そうなんです。中学生のとき、コピーバンドをやりたかったんですけど、友達がいなくて組めなくて。ひとりで全部パートをカセットMTRにピンポン録音していって、音源を再現するというところから始めました。Janne Da Arcの曲もコピーしてたんですけど、「こんなソロ、難しくて弾けね~!」と(笑)。キーボードは音色が10個くらいしか入ってない子供用シンセしかなかったので、全部は再現できなかったですし。kiyoさんはヤマハのモチーフを使ってましたよね。

kiyo:そうですね。それにしても、うみくんが全パートを弾いたり叩いたり歌ったりしたってことですよね?

うみくん:はい。生ドラムの安いセットも買って自分で叩いてたので、「近所迷惑!」って怒られたりしました。

you:全パートをコピーしてたっていうのはすごい。僕の場合は幸運にも、中学2〜3年生の時にバンドを組むことができたんですよ。ただ、それまでは音楽に全然興味なかったほうで。

うみくん:へえー、意外です。

you:音楽に興味がなかったわけだから、もちろん楽器にも全く関心がなくて。「ユニコーンのコピーしたいから、お前ギターやれよ」って誘われて、バンドって面白そうだなと思ったから「わかった」みたいなノリで始めたんですよ。それがJanne Da Arcの元になるバンド。それからずっとギターしかやってこなかったので、中学生のときからドラムとかベースも全部ひとりでやったというのは本当にすごいと思います。でも、さっきのうみくんの話で、ひとつ共通点があったのが、カセットMTR。僕らも使ってたよな(笑)。

kiyo:そうそう、懐かしいなー。

うみくん:ドキドキ感がありましたよね。録ったものをあんまり直せないし。ピンポン録音すると後戻りができないから。

you:それに、ピンポン録音で足していくと、音がどんどん劣化していって(笑)。今の機材では、そんなことありえへんよね。

──ちなみに、ユニコーンからスタートしたyouさんのギタリスト人生が、よりテクニカルな方向へ目覚めたのは?

you:高校1年生のときに、友だちの家で聴いたMR.BIGの1stアルバム『MR. BIG』ですね。それまで洋楽とか知らなかったから衝撃で。そこから、スティーヴ・ヴァイとかテクニカルギタリストを好んで聴くようになったんです。


▲kiyo (Nicori Light Tours)

──kiyoさんは高校時代に別のバンドから引き抜かれる形で、Janne Da Arcの元になるバンドに合流したそうですね。ジャズやゲーム音楽にも興味を持っていたそうで、音楽的素養の深さが感じられます。そんなおふたりが、うみくんの活動を知ったときにはどんな印象を持たれましたか?

kiyo:とにかく、とてつもないハイトーンだなと。

うみくん:ははははは!

you:2021年にコラボのお話をいただいて、うみくんの音源を聴かせてもらったんですけど、“えっ、マジで!?”って最初に聴いた時は衝撃を受けたことを覚えてますね。で、いろいろ聴いていったら、ハイトーン以外にも魅力があって素晴らしいなと。

うみくん:ありがとうございます! 僕としては、もう認識していただけただけで幸せです。それだけでいつまでも生きていけます(笑)。

──そのコラボはドッキリ企画としてスタートしましたが、振り返っていかがでしたか?

うみくん:まずあの日は、そもそもお会いできるなんて思ってなかったわけですから。おふたりがスタジオに現れたときは本当にパニックで。正直あまりはっきりと覚えてないというか(笑)。僕が映像も撮っていたので、とにかくご迷惑をおかけしないように、なるべく少ないテイクで素晴らしい映像を撮らなあかん!と。そればっかり考えてました。

you:本気でドッキリに引っかかってた感じがありましたね。だから僕らは終始楽しかったです(笑)。




──「春を告げる」と「猫」のカバーをされましたが、アレンジしてみての感想は?

kiyo:楽しかったね、アレンジ。

you:普段の僕らではカバーする機会があんまりないタイプの曲だったので、すごく新鮮でした。

うみくん:本当にめちゃくちゃカッコよかったです!

◆インタビュー【2】へ
この記事をツイート

この記事の関連情報