J Jazz Masterclass Seriesより、今田勝トリオ『Planets』リリース

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Photos courtesy of Shigeru Uchiyama / Whisper
J Jazz Masterclass Seriesは、BBE Musicが日本のジャズ史の黄金時代と評されている60年代後半から80年代の前半までにリリースされたレアなモダン・ジャズの諸作品の再発を行う2018年からスタートしたプロジェクトだ。

◆J Jazz Masterclass Series 関連音源&画像

日本ジャズの最高峰クラスの作品を再発しようとする試みであるJ Jazz Masterclass Seriesから、この度、今田勝トリオのアルバム『Planets』がリリースされることとなった。

1977年に元々同名インディ・レーベルから発表された本作は、日本のジャズ界をリードするピアニストのひとりである今田勝の磨きがかかった演奏と洗練された楽曲が収録された作品。50年以上に渡るキャリアの中、今田は日本の主要な音楽誌が挙げる賞を何回も受賞した作品も含む40枚のアルバムを発表し、デヴィッド・サンボーン、ブレッカー・ブラザーズ、スティーヴ・ガッドやグローバー・ワシントン・ジュニアなどのUSのジャズ界をリードするアーティストと共演を果たしていることはご存知の通り。

本作では、今田が弾くベーゼンドルファーに加え、小原哲次郎(ds)、稲葉国光(b)、今村祐司(per)がバックを務めている。本作のオープニングを飾る同名楽曲「Planets」(『J Jazz vol.3』収録)は、モーダル・ジャズのワルツ的な楽曲であり、優しいベルと貝殻の音から始まる。今田がピアノで弾く軽いメロディが、小原による器用なドラムさばきと稲葉のしなやかな低音で、離散的かつ安定的に引き立てられていると言える。また本作でもうひとつの傑出した組曲「Sea’s Pasture」は、ダークな万里の長波、ケミストリーが濃厚な叙事詩であり、今田の弾く、記憶に長く残るソロ・ピアノで終わる。

今回の再発は、オリジナル・アートワークの完全な再現、帯、カメラマン内山繁が同時代に撮影した、今田の貴重な写真が追加掲載され、オリジナル作品で付録された解説の英訳と、今田本人の取材も含まれる、本シリーズの監修者トニー・ヒギンズが執筆した3千字に及ぶ新しい解説が掲載されている。なお、J Jazz Masterclass Seriesは、BBE Musicのために“和ジャズ”マニアであるトニー・ヒギンズとマイク・ぺデンが監修している。


『Planets』

2022年10月26日(水)
BBE Music BBE644ACD ¥2,300+税
フォーマット: 1 x LP vinyl / CD / 配信

■Tracklist
1. Planets
2. Blue Road
3. A Marionette
4. Sea’s Pasture
5. Epilogue

◆BBE Music オフィシャルサイト
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