【ライブレポート】coldrain、結成15周年記念ワンマンに新たな一歩「キャリアにおいて最高の自慢です」

ツイート

coldrainが10月16日(日)に横浜アリーナで<coldrain 15th ANNIVERSARY “15×(5+U)” LIVE AT YOKOHAMA ARENA>を行なった。もともと2年前の2020年10月に同会場でワンマンライブを開催する予定だったが、コロナ禍によって開催を断念。そのリベンジと、バンド結成15周年を祝したのが今回のライブだ。

◆coldrain 画像

18時ジャスト。ステージの巨大スクリーンに突然映ったのは、5分前を知らせるカウント。そして1分前になると、何かが起動するような音と光が。さらに10秒前から緊急警報のようなカウントダウンアナウンスも響き、会場の緊張感を高める。


時は来た。スクリーンには、“20221016”という数字と共に、海上からの街の夜景、メンバーの姿などが映し出される。Masato(Vo)、Y.K.C(G)、RxYxO(B)、Katsuma(Dr)、Sugi(G)。彼ら5人が乗るのは巨大客船だ。そして下船し、彼らが向かったその先にあったのは横浜アリーナ。正面から入っていく姿が映った直後、coldrainの5人は現実のステージに姿を現わした。

大歓声に包まれた5人は、万感の思いを込め、音を轟かせ始めた。それを浴びて気持ちを高揚させ、腕を振り上げるオーディエンス。誰もが感情を抑えることは不可能で、コロナ禍であることを忘れさせる興奮と熱さが渦巻く。「HELP ME HELP YOU」のエンディングではスクリーンに“15×(5+U)”と映される。このライブタイトルは、バンド結成15周年を迎えた5人とYOUという意味を持つ。全員の気持ちがまさにひとつになったところで、Masatoは「始めようか!」と呼びかけた。



特効の炸裂音と共に曲は「CALLING」へ。この15年間の思いや道程を歌にした曲だ。このときメンバーの姿がスクリーンに映し出されていったが、新たな決意に満ちた表情も見せる5人。実に頼もしい。「2020」では、ライブハウスヒーローのレベルではなく、アリーナも似合うロックバンドらしいスケール感で圧倒していった。

「この言葉を何度、頭の中で叫んだことか。…横アリへようこそ! オマエらも2年待ったろ。共に歩み出そう! オマエらをくたくたにして、明日は最悪の1日にしてやるから!!」──Masato



その言葉どおり、「THE REVELATION」など、これまでの精力的なライブでキラーチューンへと成長させた数々のナンバーも織り交ぜながら展開。ライブ中、Masatoは「フェスだろうがアリーナだろうが、coldrainはライブハウスにできる」といった言葉を口にしていたが、どれだけ大きな会場であっても距離を感じさせないぐらい、音も歌も曲も込める熱も体感させてやる、といった意味合いだろう。実際、coldrainの曲は、全曲が歌モノと呼べるほど強力なメロディが貫かれ、さらにパワーもアグレッションもエネルギーもめいっぱいに詰め込まれている。また心を突き動かされる曲展開もあれば、楽器陣の4人が繰り出す鳥肌もののテクニカルなプレイもそこかしこに。絶妙なバランス感覚を持ちながら、全方位を網羅するカッコ良さ。ブチ上がり続けるオーディエンスによって横浜アリーナに絶景が生まれた。

ライブ中盤には、コロナ禍にあっても様々なプラスをみんなからもらったこと、それが大きな力になり、新たな一歩に向けた思いで最新作『Nonnegative』を作ったことも語るMasato。どんな状況に陥ろうともポジティヴな精神を忘れるな。そうしたメッセージも込めながら最新作からのナンバーを力強く響かせ続けていった。



「せっかくのこの舞台、みっちりやりたかったんですよ。分かるんですよ。オマエらのやる音楽はうるせーんだし、もっと振り幅のあることやったら?とか。日本語で歌ったらアニメのタイアップが付きます、とか。売れるためにはやらなきゃいけないことがあるのも分かるけど、この15年間、だいたいのことは無視してきました。でもね、まあまあなおじさんなんですよ、coldrain。お客さんも徐々に年を取ってくると。そろそろそういう気持ちにも応えていこうかなと思って。coldrainの振り幅を見せたいなと思って、激しい曲だけじゃないってことを証明しに来ました」──Masato

まるでバラードでも歌う前のようなMCだ。ところが、直後に始まったのは激烈ぶりを極めた「NO ESCAPE」というフェイント技。「オマエらがいれば、全然、売れなくてもいい。死ぬまでやりたいようにやらせてもらいます!」と、ライブハウスで鍛え上げてきたパワーとキレの良さで攻め立てる。

「俺達はこうやって夢をみんなに支えてもらっている。みんなは自分の人生のどこかで音楽っていうのが一部になって、そこが俺達との共通点だと思う。そんな人達にバンドが何をできるかって、15年作ってきた曲を多くやるってことだと思う」──Masato



そうしたMCを挟みながらcoldrainが新たな試みとして形にしたのは、バンドが2011年に発表した2ndアルバム『The Enemy Inside』のメドレー。アルバムの曲順どおり「To Be Alive」から各曲のクライマックスをフィーチャーしながら展開していくと、フロアの加熱ぶりはハンパじゃない。そしてメドレーの5曲目が次につながろうとしたときだった。回転する赤色灯の光とサイレンが放たれ、スクリーンに映るのは白いネクタイのCG。それを合図にステージに現れたのはSiMのMAH。アルバム同様にステージでもコラボが実現し、オーディエンスを狂喜乱舞させていった。

「オマエたちと一歩進めたことが、俺達のこのキャリアにおいて最高の自慢です」──Masato

ライブがエンディングに向かう中でそう叫びながらラウドに曲を決めていくcoldrain。そして「coldrainは絶対に音楽を止めない」と約束して決めたラストナンバーは「FROM TODAY」だった。コロナ禍になり、2020年の横浜アリーナのワンマンが中止になり、ネガティヴな考えで苦しんだ日々でもあった。そうした2年あまりの全てに今ここで決着をつけ、新たな気持ちで前に突き進んでいくcoldrainの5+U。



アンコールでは、15周年を改めて祝いながら曲を叩きつけ、最後の「FINAL DESTINATION」ではMasatoの「We are coldrain!」というシャウトと共に全員でコブシを突き上げる。互いの思いをさらに強く結びつけ、感動的なエンディングを迎えた。coldrainは2023年2月4日および5日、ポートメッセなごやにて<BLARE FEST. 2023>を開催することも決定している。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎ヤマダ マサヒロ/Takeshi Yao

■<coldrain NONNEGATIVE 15×(5+U)LIVE AT YOKOHAMA ARENA>2022年10月16日(日) 横浜アリーナセットリスト

01. Help Me Help You
02. CALLING
03. 2020
04. The Revelation
05. ENVY
06. Cut Me
07. VENA
08. FIRE IN THE SKY
09. GIVEN UP ON YOU
10. Rabbit Hole
11. Counterfeits & lies
12. Boys And Girls
13. HEART OF THE YOUNG
14. THE SIDE EFFECTS
15. No Escape
16. Evolve
17. F.T.T.T
18. Miss you
19. Don't Speak
20. Bloody Power Fame
21. Here With You
22. The Enemy Insideメドレー
・To Be Alive
・New Fate
・Rescue Me
・Adrenaline
23. The Maze feat. MAH from SiM
24. REVOLUTION
25. PARADISE (Kill The Silence)
26. From Today
encore
27. SEE YOU
28. Before I Go
29. Final destination

■<BLARE FEST.2023>

2月4日(土) ポートメッセなごや
2月5日(日) ポートメッセなごや
open9:00 / start11:00(予定)
▼チケット
・1DAY ¥10,000(taxin)
・2DAY ¥19,000(taxin)
(問)サンデーフォークプロモーション

この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス