【ライブレポート】マイケル・シェンカー・グループ、MSGからUFOまで名曲のオンパレード

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まもなく来日公演が行われるマイケル・シェンカー・グループが50周年USツアー遂行中。その中で、W.A.S.P. 40周年ツアーのスペシャルゲストとして組まれたテキサス州ヒューストンにて彼らのステージを観る事ができた。


近年は"MSF"と称されるマイケル・シェンカー・フェストとしてアルバムやライブでも複数人のシンガーを起用したスタイルであったが、今回のツアーは"MSG"名義。専任シンガーには、アメリカツアーはロニー・ロメロが抜擢、イギリスツアーはロビン・マッコーリーとなっている。



すでに各所で行われたライブの様子もあちこちで目にされているかと思うが、今回メンバーとしては参加していないグラハム・ボネットがマイケルに招待されたロサンゼルス公演を訪れた際に客席で観覧してる姿をキャッチされたり、そのバックステージではロニー・ロメロがすっかりグラハムのファンモードになっていた等、微笑ましいエピソードもあったようだ。

W.A.S.P.のショウではあるが、ヒューストンではゲストのMSG目当てのファンも目立っており大興奮の雰囲気の中、特別な演出もなくふらりとマイケルがステージに登場したのはやや拍子抜けした(笑)。「Into the Arena」から、お馴染みの名曲たちが並ぶ。フルセットではない為、半分はUFOの楽曲になるがフロアはむしろ大歓迎な様子だ。



最近はすっかり安定したプレイを見せてくれるマイケルは今夜も絶好調。数年前に初めてマイケルがMCをした時は本当に驚いたものだが、今となってはすっかり定番に。ロニーもマイケルを引き立てつつ、自分の仕事を全うしている。


2016年のレインボー再結成時、最初のステージであったドイツ公演で観て以降、あっという間に売れっ子のシンガーとなったロニー。ヘアスタイルも長髪になり、ロックスター然としてきた印象。あの彼が「Doctor, Doctor」でフロント4人のフォーメーションの中に居る事が何とも感慨深くもある。



これまでも時代ごとに観ているバンドだが、今回のベーシストであるバレンド・クルボワ(ex.ブラインド・ガーディアン、ヴェンジェンス)の評判がとても良かったので楽しみのひとつであった。彼が良い新風をもたらしている事はとても嬉しい。もちろん前任のクリス・グレンが悪いわけではないが、ステージ下手側を共有するスティーヴ・マン(G, Key)とも息が合っており、全体的に音がよりタイトになった印象である。動きも非常にアグレッシブ、あのキックアクションはいつか転ばないだろうかとファンからも心配の声が出るほど(笑)。



UFOの楽曲でもポール・レイモンド(G, Key)と引けを取らないのがサイドギターと鍵盤でヘヴィと哀愁の両面を奏でてくれるスティーヴのプレイ。彼はMSG以外にもパーマネントなバンドとして元アイアン・メイデンのデニス・ストラットン(G)率いるライオンハートでの活動や、今年はソロアルバムもリリースし新たな魅力を周知させた。そんなスティーヴとボド・ショプフ(Dr)の盟友2人にバレンドとロニーが加わる事で安定感の上にバンド全体の躍動感が出たステージになっていた。




やや目新しい「Sail The Darkness」を挟みつつ、終盤まで誰もが好きなマイケルのヒットプレイが続く。どんなに短いステージでも必ずセットインする「Rock Bottom」のギターソロはいつもいつでも必聴必見、今夜も未だに憧れと尊敬されるギターヒーローとしての最大の見せ場となった。土地柄かヒスパニック系のオーディエンスが多い中でも人気の高さを実感した。

いよいよ来日直前!50周年ツアーの日本公演はロニーでの単独公演、フルステージセットに期待が高まる。



文・写真◎Sweeet Rock / Aki

<Michael Schenker Group 50th Anniversary Tour 2022 >

2022.11.2 WHITE OAK MUSIC HALL, Houston, Texas, USA
1.Into the Arena
2.Doctor, Doctor
3.Looking For Love
4.Lights Out
5.Red Sky
6.Shoot Shoot
7.Sail The Darkness
8.Let It Roll
9.Armed and Ready
10.Rock Bottom
11.Only You Can Rock Me

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