【ライブレポート】7ORDER、<脱色と着色>ツアー最終公演で「僕らの“次”を作ってくれるのはいつもみんなです」

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この夏、<北九州ロックフェスティバル 2022 with SDGs spirits>に出演し、バンドが瞬時にダンス&ボーカルグループに変貌するというとんでもないパフォーマンスで、来場者の度肝を抜き、このフェスで大旋風を巻き起こしたグループがいた。それが、7ORDERだ。7人組の彼らは、その追い風を受けながら9月から全国ツアー<7ORDER LIVE FACTORY 〜脱色と着色〜>を敢行。BARKSではその旋風を確かめるべく11月3日、このツアーの最終公演として東京・東京ガーデンシアターにて昼/夜、2公演行われた<7ORDER LIVE FACTORY 「脱色と着色」~FINAL〜>の夜公演に潜入。そのレポートをお届けする。

まだまだ続くボーイズグループ戦国時代。なんとか形になってるなというレベルを遥かに超えた、バンドとダンスのクオリティー。それを、早着替えならぬ、早切り替えで観客に披露するステージパフォーマンスは超画期的。楽器を弾きながら、メインボーカルは7人全員が次々と入れ替わり、そこに本格的なラップまで加わる。7人全員が4Fまである会場全域に散らばり、通路を移動しながら歌うというとんでもなくエンタメに振り切った演出も、なんなくやってのけるスピリット。もうなにもかもが衝撃的。そんな素晴らしい刺激的な体験をした夜だった。



シルバーの太いダクトが何本もむき出しになり、そこからスモークが吹き出すステージセットはどこか無機質。いきなり客電が落ち、ステージに明かりがともると、白煙に包まれた舞台の後方の階段に真田佑馬(Gt)、萩谷慧悟(Dr)、森田美勇人(Ba)、長妻怜央(Key)がスタンバイ。その下に阿部顕嵐(Vo)、諸星翔希(Vo&Sax)、安井謙太郎(Vo)という布陣で、ライブは疾走感溢れるロックな「agitate」で幕開け。バチバチのバンドサウンドで曲が始まると、場内にはクラップが鳴り響き、“ウォーオーオ”のところは、歌えない代わりに観客たちが推しカラー色に光るバングルライトを何本も重ねた腕を振り上げ、冒頭からカラフルな色に染まった客席を作り上げる。本ツアーのタイトルは<脱色と着色>。さっきまでスモークで真っ白=色のない脱色したステージで、真田が“モノクロの明日を 塗り替えた君は”と歌い出し「タイムトラベラー」が始まる。諸星のSAX、阿部のラップで曲を華やかに覚醒させていったあとは、湘南乃風・若旦那(新羅慎二)による「青空と爆弾」とORANGE RANGEのNAOTO/HIROKIによる「SUMMER様様」(この日は“東・京・京”と歌詞をアレンジしてお届け!)いう7ORDERでは盛り上がり必須のパーティーチューン2連発で、場内を常夏状態に。このあと、7人は自己紹介(Ba担当の森田は「美勇人です。特技はまさかのダンス!」といって客席を笑わせた)を手短に済ませて、「手とタオルをぶん回していい景色を作って見せてくれますか?」と安井がいって、曲は「BOW!!」へ。長妻のピアノと諸星のSAXが奏でるイントロが終わると、客席はメンバーの要望に応えるように4階の最後尾まで一丸となってタオルをぶん回して、7色が入り混じったカラフルな絶景を作って見せた。

客電が落ちた場内、客席が作った色が今度は7色のレーザービームとなって発光しだすと、ステージに楽器レスの森田と諸星がクラップを求めながら登場してダンスコーナーへ。そこに萩谷と安井も加わったところで、4人は流れるようなしなやかな動きで小気味よくジャズのビートを乗りこなす。これが、とにかく美しくてセクシーなのだ。ビートがこの後どんどん激しさを増していくなか、残りのメンバーも加わり、ステージにはいよいよ7人が集結。まずは手馴しでペアダンスを次々と踊っていく彼ら。さっきまでバンドをやっていた人たちとは思えないスキルの高い華麗な動きで、観客の視線を釘付けにしたあと、最後の最後に7人が合体! 集合ダンスを浴びせかけるシーンに客席は大興奮。場内には7色のレーザーが飛び交い、メンバーはセンターでフォーメーションを組みながら激しいダンスアクトで観客を圧倒。そこに、さらに容赦なくHip-Hop色の強いファイトソング「Power」を畳み掛ける。生歌を歌いながら、ラップを歌う阿部がセンターにポジションをとり、全員でバッキバキにフリを揃えて踊ったところで、曲はフィニッシュ。バンドもいいけど、踊る7ORDERもめちゃくちゃカッコいい!



バンドも踊りも最強って、もう怖いものなしじゃないかと思っていたら、次のMCでは諸星が長妻を巻き込み、「気持ちいい」と叫びながら “いい”のEを体文字で表して、ドヤ顔を浮かべる。このどこまでも飾らないトークも絶品じゃないか! ああー、楽しすぎる。

バンド、ダンス、トークに続いて、今度はアコースティックアレンジを施した演奏力で、会場を魅了していく彼ら。安井に「波職人」と紹介された長妻は、キーボードをレインスティックに持ち替え、レインスティックを左右に傾けながら波の音を演出。萩谷はドラムをスィールパンに替えて鳴らすなど、新楽器をフィーチャーした演奏で、「Ups & Downs」をゆったりとしたトロピックな新アレンジでプレイしてみせた。ゆったりとした空気が場内に広がったところに、いきなり真田のハードなギターリフが響き渡り、阿部がラップを勢いよく畳み掛け、次は「ONE」で熱量の高い、エネルギッシュなバンドサウンドへといっきに振り切る。そこから、疾走感ある「Get Gold」へ。この曲はメンバーの自作曲だけあって、7人の持ち前の演奏力とボーカル、ラップ、その魅力的な個性があちこちのパートでバーストする濃度高めのナンバーだ。全部が掛け合うように熱量を高めていくものだから、見ているだけで体にパワーがどんどんみなぎっていく。ここではギターを弾きながら歌う安井が“自由を求めて〜”と歌い上げ、全員の血が沸点まで沸き立ったところで、照明がダウン。バンドサウンドが同期演奏に切り替わり、再び照明がパッと明るくなった瞬間。7人が舞台中央で激しく踊り出した瞬間は鳥肌! さっきまであんなにバンドマンしていた人たちが、こんなにクールにカッコよく踊るなんて。バンドとダンス、1曲のなかに自分たちが発揮できる最大限の魅力を最大限ぶち込んで観せてやるというセンスと、それをやってのける力量に場内の興奮は当然マックスに高まっていった。ものすごいインパクトだ。



その興奮の余韻が残る中、ステージ後方にはこの日のゲストである8人編成のお茶かるストリングスが登場。メンバーは真っ白い衣装に着替え、ステージに用意された白いグラドピアノを長妻が弾くなか、6人はユニゾンでストリングスアレンジが施された「夢想人(ドリーマー)」を歌唱。シャボン玉が降り注ぐ中、お茶かるストリングスやメンバー同士、客席、生配信を見ている視聴者にもカメラを通してアイコンタクトをかわしながら、とびきりの笑顔で「Sabãoflower」を届けたあとは、ストリングスが加わったことでパワーが増し増しになった「27」をアクト。こうして本編を締めくくった。















“(7)タンタン、(ORDER)タンタン”というアンコールの手拍子が鳴り響く中、スクリーンを通して2023年に彼らは3rdアルバムを発売すること、さらに、春はホール&アリーナツアーを開催することが告げられると、観客は再び狂乱。客電が付き、アンコールは「Feel So Good」で幕開け。歌っている声は聞こえてくるのに、彼らの姿が見えない!? と思っていたら、客席のあちこちがどんどんざわつき始める。なんと、メンバー7人がそれぞれアリーナから4階までに散らばり、後方扉から客席の通路に現れ、最前席まで移動しながら歌っているではないか! 客席に彼らがやってくるのは3年ぶりらしい。どこかで混乱があってもおかしくないと思える演出。だが、スタッフに制御されるまでもなく、観客は自分の目の前にメンバーがやってきたとしても、けして彼らに触れたりはしないのだ。7ORDERとファン、その信頼関係の上にこのとびきり至近距離で歌うという演出が成り立っているのだなと思うと、それだけで胸が熱くなった。そして、安井の振り付けレッスンを経て「Lonely night」を一緒に踊って楽しんだあとは、爽快感たっぷりのアップチューンの新曲「Growing up」(アニメ『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』OP曲)をCD発売前にアクト。その後は、お茶かるストリングスを再び呼び込み、立ったままパワフルな演奏を届けるストリングス部隊と心を通わせ、いつも以上にエモーショナルなプレイで「雨が始まりの合図」をアクトしてアンコールを終えた。最後の挨拶で真田は「ツアーを完走できました」と伝えると、萩谷はこれらの公演で「みんなを楽しませることができていたら嬉しい」と続けた。諸星は「最終日、上の方、端の方まで満杯」といって、嬉しい気持ちを体文字を使って表現。阿部は来年の予定を発表したことについて「次があるのってなんて幸せなんだろう」といい、森田はそのためにまたここから次に向けて「一生懸命頑張るだけ」と決意を述べた。スタッフ、みんなに「感謝しかない」といまの気持ちを述べた長妻に続いて、最後に安井が「僕らの“次”を作ってくれるのはいつもみんなです。こんなバラバラの7人が一つになって走れるのは、あなたが会いに来てくれるからです。あなたが僕たちの存在理由です。また来てください」とファンにはたまらない感動的な言葉で挨拶を締め、7人はステージを後にした。



終了のアナウンスが流れても、客席のアンコールを求める手拍子は途切れることなく続いたため、それを受けて、メンバーが再びステージに登壇。ここでは、今回のツアーは真田が中心になって考えたものであること。さらに、「次のアルバムはかなり攻めてるぞ! 次はダンスとバンドだから、原点回帰」と安井がいうと、諸星が北九州のロックフェスに出たときのことを振り返り「バンドがいきなり踊り出した瞬間、みんなザワザワした」というエピソードを明かした。そんな7ORDERの“強み”をつめこんだ新作を現在制作中の彼ら。最後にダブルアンコールを「LIFE」で締めくくり、7人はステージを後にした。

4thシングル「Growing up / 爛漫」を11月16日に発売。2023年春には3rdアルバムをリリースし、4月9日の宮城・仙台サンプラザホールを皮切りに全国ホールアリーナツアーも決定している彼ら。2023年は7ORDERの時代が間違いなくやってくる。その予感しかない。

取材・文:東條祥恵
撮影:Kenji Yamada、GAKUMAEDA、Masanori Naruse

  ◆  ◆  ◆

3rdアルバム

2023年3月発売
※詳細は後日発表

<ホール&アリーナツアー>

ホールツアー
2023年4月9日(日)宮城・仙台サンプラザホール
2023年4月14日(金)広島・上野学園ホール
2023年4月15日(土)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
2023年4月17日(月)、18日(火)福岡・福岡市民会館

アリーナツアー
2023年4月22日(土)、23日(日)愛知・日本ガイシホール
2023年5月6日(土)、7日(日)千葉・幕張メッセ 国際展示場 4〜6ホール
2023年5月11日(木)、12日(金)大阪・大阪城ホール

4th SINGLE「Growing up / 爛漫」

2022年11月16日(水)発売
■初回限定盤A CD+DVD COZA-1960~1 ¥2,530(税込)
■初回限定盤B CD+DVD COZA-1962~3 ¥2,530(税込)
■初回限定盤C CD+DVD+PHOTOBOOK COZA-1964~5 ¥3,300(税込)
■通常盤 CD Only COCA-18054 ¥1,430(税込)

【CD収録内容】
1. Growing up
作詞:吉田 司 作曲:吉田 司 / Tsubasa 編曲:Tsubasa
※TVアニメ『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』オープニングテーマ

2. 爛漫
作詞:7ORDER 作曲:藤本夏樹(Tempalay) 編曲:7ORDER、藤本夏樹(Tempalay)
※安井謙太郎出演映画『死神遣いの事件帖-月花奇譚- 』主題歌

3. Growing up -Gakuya

【DVD収録内容】
初回限定盤A:Growing up Music Video / Growing up MV Making Video
初回限定盤B:爛漫 Music Video / 爛漫 MV Making Video
初回限定盤C:Growing up & 爛漫 メンバー撮影 Special Making Video

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