【ライブレポート】中島美嘉、ブルーノート東京2DAYSライブで熱唱「どこであっても、心を込めて」

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中島美嘉が11/5(土)、11/6(日)、ブルーノート東京で<MIKA NAKASHIMA LIVE at BLUE NOTE TOKYO>を開催した。

◆ライブ写真

今年5月に全楽曲の作詞・作曲を手がけたセルフプロデュース・アルバム『I』を発表。7月から9月にかけてアルバムを携えた全国ツアーを行い、11/2に最新シングル「Wish」(TVアニメ『ベルセルク黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』エンディングテーマ)をリリースするなど、精力的な活動を続けている中島美嘉。間もなくデビュー22年目を迎えた彼女は、昨年に続き2回目のブルーノート東京でのステージでも、さらに深みのある歌をたっぷりと聴かせてくれた。ここでは11/5(土)の2ndセットをレポートする。


バンドメンバーの河野伸(バンドマスター、キーボード)、馬谷勇(ギター)、川崎哲平(ベース)、小笠原拓海(ドラムス)が奏でるシックなインストが広がるなか、きらびやかな黒のスーツに身を包んだ中島美嘉が登場。会場を埋め尽くした観客が大きな拍手を送るなか、中島が左手を掲げると、ウッドベースによる3拍子のフレーズが響く。オープニングは「Love Addict」(シングル/2003年)。オーセンティックなジャズを基調にしたサウンドがブルーノート東京の雰囲気と溶け合い、豊潤な音楽空間が生まれた。

「こんばんは、中島美嘉です。いつも通り、1曲1曲心を込めて、みなさんに届くように最後まで歌います。どうぞ楽しんでいってください」という挨拶の後は、ブルースロックを滲ませる「Puzzle」(アルバム『I』)、憂いを帯びた旋律と芥川龍之介の名作をモチーフにした歌詞が絡み合う「蜘蛛の糸」(アルバム『MUSIC』/2005年)など、さまざまな時期の楽曲が演奏される。4リズムのシンプルな編成により、楽曲そのものがダイレクトに伝わってくるのもブルーノート公演の醍醐味だ。


この夜の最初のクライマックスは、ピアノと歌ではじまった「僕が死のうと思ったのは」(シングル/2013年)。生きることの意味を問うような歌詞に生々しい感情を与えるパフォーマンスを目の当たりにして、涙を浮かべる観客も。特に<僕が死のうと思ったのは/まだあなたに出会ってなかったから>というフレーズを手渡すように歌うシーンには心を揺さぶられてしまった。
 
「1年前、初めてここでやらせてもらって。またやれるなんて思ってなかったし、ずっと緊張しっぱなしですけど、本当にうれしいです。ジャズをちゃんとやったことはないし、こういう場所にそぐわないんじゃないかなと思ったりもしたんだけど、どこであっても、心を込めて……私がやれることは、みんなの代弁なので」というMCのあとも彼女は、深いメッセージと豊かな音楽性を備えた楽曲を披露。まずは「どんなときも一緒に居てくれるファンのみなさん、スタッフやバンドメンバーを思って書いた曲です」という言葉に満ち場かれたバラードナンバー「僕には」(アルバム『I』)、そして、<例えばキミが笑うだけで/明日が見える気がした>という切ないラインが広がった「ALWAYS」(シングル/2010年)。さらに新曲「Wish」を披露。愛する人を失いながら、“それでも会いたい”という願いを込めたこの曲はまちがいなく、彼女の新たな代表曲として認知されることになるだろう。

「声」(アルバム『VOICE』/2018年)も印象的だった。シンガーソングライター柴田淳が手がけたこの曲は、歌うことの意味と決意を刻んだ楽曲。凛とした強さ、震えるような繊細さとともに<歌い続ける 燃え尽きるまで あなたへと紡いでゆく>というラインは、シンガー・中島美嘉の本質そのものだ。



「LAST WALTZ」(アルバム『LOVE』/2003年)を軽やかに歌い上げ、本編は終了。観客の大きな手拍子に導かれるように始まったアンコールでは、まず「楽しい曲からはじめようかな」という言葉とともに「Gift」(中島美嘉×加藤ミリヤ/2014年)を披露、フロアから心地いいハンドクラップが鳴り響いた。最後は「雪の華」。キャリアを代表する名曲に新たな命を吹き込むボーカルからは、彼女の歌の表現がさらに向上し続けていることが伝わってきた。

初期の名曲から最新曲までを網羅したセットリスト、凄腕ミュージシャンたちによる“歌を引き立てる”奥深い演奏、そして、オーディエンスの悲しみや葛藤に寄り添い、生きるパワーを与えてくれるボーカル。中島美嘉の魅力がしっかりと感じ取れる、素晴らしいステージだったと思う。

取材・文◎森朋之
撮影◎佐藤 拓央

■セットリスト<MIKA NAKASHIMA LIVE at BLUE NOTE TOKYO 2022>

2022年11月5日(土)・6日(日)BLUE NOTE TOKYO
1st OPEN16:00 / START17:00
2nd OPEN19:00 / START 20:00
※ライブレポートは11月5日(土)2nd公演

M1 Love Addict
M2 Puzzle
M3 蜘蛛の⽷
M4 僕が死のうと思ったのは
M5 僕には
M6 Always
M7 Wish
M8 声
M9 LAST WALTZ
EN1 Gift
EN2 雪の華

ニューシングル「Wish」

2022年11月2日(水)発売期間限定アニメ盤 CD+BD(アニメ描き下し絵柄EPサイズ仕様)¥1,800(税込)
通常盤 CD ONLY ¥1,300(税込)

期間限定アニメ盤収録内容
Disc1:[CD]
01:Wish
02:Mirage with Shiro SAGISU 作詞:中島美嘉 作曲・編曲:鷺巣詩郎
03:Wish -TV size-
04:Wish -Instrumental-
05:Mirage with Shiro SAGISU -Instrumental-

Disc2:[BD]
ベルセルク黄金時代篇 MEMORIAL EDITION ノンクレジットED映像

通常盤収録内容
01:Wish
02:Mirage with Shiro SAGISU 作詞:中島美嘉 作曲・編曲:鷺巣詩郎
03:Wish -Instrumental-
04:Mirage with Shiro SAGISU -Instrumental-

『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』

2022年10月よりTOKYO MXほかにて放送中
・TOKYO MX 毎週土曜日 24:30-
・とちぎテレビ 毎週土曜日 24:30-
・群馬テレビ 毎週土曜日24:30-
・BS11 毎週土曜日24:30-
・アニマックス 毎週日曜日23:00~ 

■配信情報:
ABEMA、dアニメストア、U-NEXT、NETFLIX、WOWOWオンデマンド、GYAO!、ひかりTV、FOD、バンダイチャンネル、Hulu、auスマートパスプレミアム、TELASA ほかにて配信予定

STAFF:
原作:三浦建太郎
メモリアル・エディション監督:佐野雄太
劇場版監督:窪岡俊之
脚本/メモリアル・エディション脚本総監修:大河内一楼
キャラクターデザイン/総作画監督:恩田尚之
アニメーションディレクター:岩瀧智
美術監督:中村豪希 竹田悠介 新林希文
動画検査:梶谷睦子 加来由加里
色彩設計:成毛久美子
CGI監督:草木孝幸 廣田裕介 斉藤亜規子 今中千亜季
編集:重村建吾
音響デザイン:笠松広司
音楽:鷺巣詩郎
オープニングテーマ:平沢進「Aria」(テスラカイト)
エンディングテーマ:中島美嘉「Wish」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
アニメーション制作:STUDIO4℃

CAST:
ガッツ:岩永洋昭
グリフィス:櫻井孝宏
キャスカ:行成とあ
ジュドー:梶裕貴
リッケルト:寿美菜子
ピピン:藤原貴弘
コルカス:松本ヨシロウ
ガストン:矢尾一樹
バズーソ:ケンドーコバヤシ

アニメ公式HP:https://berserk-me.com
アニメ公式Twitter:https://twitter.com/berserk_mePR
アニメ特報PV:https://youtu.be/iuzVzntoKjE
『ベルセルク』原作公式HP:https://www.younganimal.com/berserk/
『ベルセルク』原作公式Twitter:https://twitter.com/berserk_project

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