【インタビュー】THE LAST ROCKSTARS、「火花を起こしたいんだよ」

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THE LAST ROCKSTARSの誕生が明らかになったのは、2022年11月11日だった。メンバーはYOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVI。彼らのこれまでの活動を少しでも知る者であれば、とんでもないバンドが誕生したと震えたことだろう。

なぜ結成に至ったのか。もちろんきっかけもあるだろうし、古くからの構想だったという事実もある。時が来たといえば、それだけのことかもしれない。でもなぜなのか。

アートとはエゴイズムを具象化する行為だが、自らを知り自らを問い、自らに刺激を与えそこに自分を映し込むことで、エゴイズムを輝かせ鼓舞を重ねる。究極のアートとは究極のエゴイズムを形にする行為だが、「究極のエゴイズム」=「他人のために生きること」と私は思っているから、優れたアートには「愛」が内包されている。アーティストの苦悩は自分を理解することの難しさに起因することもあるだろうが、自らを精錬させアートを成熟させる「刺激」は、歳を追うごとに出会えなくなる。もちろん、経年によって瑞々しい感性を失ったからではない。多くの経験値を得てしまったことで、未体験の衝撃や想像を超える出来事/刺激が身の回りから枯渇する…それが主たる要因だ。

そんな彼らが、子供のように歓喜し、初めてのバンド体験のように目を輝かせやんちゃに笑う。それは桁違いの可能性をはらんだメンバーが集結したという、類を見ない現実が、彼らにとめどもない興奮を与えているからにすぎない。

「やろうぜ」「いいね」…ただそれだけだ。

どんなバンドなのか。どんなサウンドが生まれるのか。何を訴えるのか。どんなステージが繰り広げられるのか。彼ら本人ですら、その全貌は見えていない。だからこそワクワクし、興奮を隠さない。バンドが繰り出すケミストリーとその爆発力の奇跡を、誰よりも理解している連中なのだ。世界中のロックファンが色めきだったTHE LAST ROCKSTARSの誕生だが、最も興奮しているのは、紛れもなくメンバー4人のほうだった。


──「ロックやるなら今です」とHYDEからYOSHIKIへの一報が直接的な一歩となったとのことですが、クラシカル=ピアノの世界線にいることが多かった最近のYOSHIKIに対し、ロック・フィールドに引き寄せた一番の思いは何ですか?

HYDE:もともとこのバンドの話はあったんですけど、時間だけが過ぎていっていて。その間YOSHIKIさんの活動を見ていると、ロックでドラムを叩いているシーンがあまり見られないまま、クラシックな活動ばかりが目立っていて、それを凄く「もったいない」と思ったので。

──もったいない?

HYDE:ピアノは後からでも…それこそ70歳になってでも弾けると思うんです。でもロックと若さというのは、なんだかんだで切り離すことはできないんですよね。もちろんいつまででもやれることはありますけど、若さって結構重要なポイントだと思うんです。特に激しい音楽を演る方なんで、ホントもったいないと思って「僕に時間をください、その時間でロックやりませんか?爆発しましょう」って言ったんです。

──ナイス。


HYDE:もちろんYOSHIKIさんの生き様はロックそのものなんですけど、表現方法としてわかりやすいロックの演奏ではないなと思って。もともとめちゃくちゃっかっこいい人なのに、それを見れずにこのまま時間だけがどんどん経っていくのがもったいないと思っていました。惜しいですよね。

──それに向けて「PSYCHO LOVE」という曲を書いたわけですか?

HYDE:そうです。進めるために「例えばこういう曲はどうですか?」って、まずは投げてみました。

──曲作りの時点で、YOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVIというメンバーを想定して制作を?

HYDE:もちろんそうです。「ここでMIYAVIならどうするかな」とか「ここではこうやってほしいな」「SUGIZOならこうかな」とか、いろいろと思いながら作りました。実際は自由に演ってもらって、それをエディットしていったんですけど。

──いいですね。

MIYAVI:まあ、自由に演りまくったら、ほぼほぼボツになりましたけど(笑)。

──嘘でしょ(笑)。

HYDE:ものすごく個性的なんで、意外とはめるのが難しい(笑)。もちろんたくさん使ってますよ。

──これこそ、まさにバンドの醍醐味じゃないですか。


MIYAVI:そうですよね。それぞれ確固たるスタイルと音があるので、お互いがガンガンぶつかってそこで生まれるケミストリーみたいなものがバンドの醍醐味なんだろうし、このバンドでそれを演ったらどうなるのかというところに、僕は凄く興味がある。もしかしたら粉々に砕け散るかもしれないけれど、それぞれ命かけて演っているので、ぶつかるべくして集まったと思っていますよ。

──妙にすんなり進むと、逆に手応えがないかもしれないですね。

HYDE:あとね、遠慮してはいけないと思います。作品ありきなので、そこは遠慮せずにカッコいいと思うものを追求していかないと。

──SUGIZOは?

SUGIZO:MIYAVIと近いね。好き放題演ったらだいたいボツ(笑)。

──ぶはは(笑)。

SUGIZO:LUNA SEAがそうなんですけど、僕はね、個性の強いメンバーとモノを作るときに、完成形の形って意外に正直どうでもいいんですよ。いい意味でね。こういう形じゃないと嫌だっていうのはないんです。自分の中で完成形のイメージ…理想の形が強すぎると、そうじゃない形が来たら全部NGをになっちゃったりするんですね。MIYAVIが言うように、他のメンバーの個性がケミストリーを起こしているときに、最終的にどのような形状になるかわからないというフレキシビリティがバンドの魅力だと僕は思っているから。最終的な着地地点は結果であって、重要なのは形を作りたいわけではない。火花を起こしたいんだよ。

──なるほど。


SUGIZO:だってさ、物事がバチンっとぶつかって起きる火花って、最初から形は作られないじゃないですか。その奇跡の瞬間を捉えたい。もちろん作る時に自分でイメージはしますけど、その通りにならないことこそ楽しいし、面白い化学反応が起こるんじゃないかなと思います。今回披露した2曲も、まだ完成していないですからね。

MIYAVI:完成形が見えていないからこそ、面白いよね。

──楽曲の発表が楽しみです。

SUGIZO:曲はバンバンできているんですよ。

YOSHIKI:ビギディンビギディンバンバンバン(笑)。

MIYAVI:記者発表をやってまたさらに見えたというか。沢山の人に発表したことで、より一層ビジョンが固まってケツに火がついた。


──ロゴ決定時はMIYAVIがボツをバシバシ切っていったというエピソードもありましたが、バンド内での立ち位置や役割も生まれてきているみたいで、まさにバンド然としていますね。

MIYAVI:ちょっとずつ、できてきていますね。YOSHIKIさんはリーダーだからワーッとガソリンを撒いて、大きな絵を描く。SUGIZOさんはそれをよく見ているし、知ってるから上手く調整していく。HYDEさんはちゃんとそれを冷静に見ながら、大切なポイントで一番理に適っている人。

YOSHIKI:合理的。

──フロントマンがそういう人で良かった(笑)。でMIYAVIは?

MIYAVI:僕はYOSHIKIさんにツッコむ(笑)。責任持って、ツッコミます。

──いいですね。THE LAST ROCKSTARSは、普段どう呼べばいいですか?L'Arc~en~Cielを「ラルク」と呼ぶように一言で呼びたいんですけど。

THE LAST ROCKSTARS:あー、そうか。

MIYAVI:ラスロクじゃ、ないしな(笑)。

SUGIZO:ロックスター? ラスト?

YOSHIKI:募集しましょうか(笑)。でもなんとなく出てくるものだと思うんだよね。今の時代って「これはこうでこうなんだ」というのではなく、まずはそれを投げてフィードバックも含めて決まっていくんだろうね。仮に100万人がこうだと言っても、違うと思ったら僕らは別なことを言うけど(笑)。僕らの意志の強さと同じように許容範囲はオープンマインドだよ。共存していいと思うよ。

MIYAVI:遊びの部分だね。

SUGIZO:そういう部分もファンの皆さんと一緒に作っていくんだろうね。

──将来的にはTHE LAST ROCKSTARSに、いろんなゲストやコラボレーションが起こってもいいのでしょうし。


YOSHIKI:はい、もちろん4人でバンドとして確立してからだけどね。お互い刺激しあうコラボってプラスでしかないから。

MIYAVI:僕はこれまで日本でも世界でもずっとひとりでやってきたから、こういう頼もしいお兄ちゃんたちと世界中で暴れられるのがすごく楽しみです。

──最高のメンツですもの。

MIYAVI:やっぱり心強いですし。日本を見渡して「同じ熱量でやっている人ってどれだけいる?」って話じゃないですか。そういう意味では僕自身も遠慮せず、ガンガンぶつかっていきたいと思いますし、そこでぶつかって生まれた火花を世界中で巻き起こせればいいかなと思っています。

──年下だからって遠慮したらダメよね。

SUGIZO:MIYAVIが遠慮するようなやつには見えないしね(笑)。僕にとってバンドというスタンスにドキドキできる、ある意味原点回帰というか子供のときにドキドキして夢を持ったあの感覚を体験できる最後のタイミング…The Last Challengeだと思っていますね。これから更に大きく飛翔できる、自分に挑戦できる、自分たちを音楽に懸けられる最後のチャンスかな。もう残り時間も少ないと思うので、そういう意味でも魂をかけてやっていきたいと思います。

──キャリアを重ねると、初めての体験や知らなかった刺激と出会うこと自体、なくなってきますからね。

YOSHIKI:そう?僕はそう思わないな。

──普通はそうなんですよ(笑)。

SUGIZO:ここにいる連中はね、みんな少年のままなんですよ(笑)。ずっと燃えていることがあってね。

YOSHIKI:いつも刺激的でしょうがない。

HYDE:最後にひと暴れするのにいいメンツが揃ったなと思ってます。それだけです。


YOSHIKI:ぼくはもともと破滅的な人間なのに「何でも僕は生きているんだろう」って本当に思うんです。友達が亡くなったときも「なんで俺じゃなかったんだろう」って。だからファンのみんなに生かされてきたんだなと思うし、HYDEに声をかけてもらったことにも凄く感謝している。僕は、「生かされているからには、全力でやるしかない」っていう、みんなの思いを100倍にして爆発させるただの「媒体」でしかないのかもしれない。

SUGIZO:アンプリファイアだね。

YOSHIKI:そうだね。こういう素晴らしい仲間たちと新たなスタートを切れたというのは、未だに刺激だよね。昔HIDEに「感情の皮が薄い」って良く言われたけど(笑)、生きている限り、やる限りはね。今回大勢の前でロケットのボタンを押したようなものなんで、落ちるわけにはいかない。それぞれのファンの皆さんにはぜひ分かってほしいし、そういうお願いからのスタートですけど、応援してよかったと思えるように頑張ります。


写真◎三上信
取材・文◎烏丸哲也(JMN統括編集長)

<THE LAST ROCKSTARS Live Debut 2023 Tokyo - New York - Los Angeles>

■日本公演
会場:東京・有明アリーナ
2023年1月26日(木)開場 18:00 開演 19:00
2023年1月27日(金)開場 18:00 開演 19:00
チケット:VIPパッケージ¥98,000、SS席¥25,000、S席¥17,000、A席¥12,000
特典:
VIPパッケージ:VIP限定グッズ、サウンドチェックパーティー、VIP優先会場物販
SS席:SS限定グッズ

会場:東京ガーデンシアター
2023年1月29日(日)開場 17:00 開演 18:00
2023年1月30日(月)開場 18:00 開演 19:00
チケット詳細:VIPパッケージ¥100,000、SS席¥32,000、S席¥22,000、A席¥15,000
特典:
VIPパッケージ:VIP限定グッズ、サウンドチェックパーティー、VIP優先会場物販
SS席:SS限定グッズ

チケット予約スケジュール:(すべて抽選)
2022年11月11日(金)12:30〜11月24日(木)23:59 各メンバーファンクラブ先行
2022年11月25日(金)13:00〜12月1日(木)23:59 海外居住者限定先行(日本以外にお住まいの方)
2022年11月25日(金)13:00〜12月1日(木)23:59 ウドー・プレミアムメンバーズ先行
2022年12月2日(金)18:00〜12月8日(木)23:59 楽天最速+ウドー・メンバーズ先行
2022年12月9日(金)18:00〜12月15日(木)23:59 楽天先行

各メンバーファンクラブ先行
YOSHIKI先行
YOSHIKI Official Site:https://jp.yoshiki.net/info/2623/
楽天カードYOSHIKIデザイン:https://www.rakuten-card.co.jp/e-navi/
YOSHIKI VISAカード(VIP):https://r-t.jp/yoshiki_vip
YOSHIKI VISAカード(VISA):https://r-t.jp/yoshiki_visa
yoshikitty Mastercard:https://r-t.jp/yoshiki_yoshikitty
YOSHIKI mobile:http://www.yoshiki-mobile.com
YOSHIKI CHANNEL:http://ch.nicovideo.jp/yoshikiofficial

HYDE先行
HYDEIST:https://www.hyde.com/hydeist

SUGIZO先行
SOUL'S MATE:https://sugizo.com

MIYAVI先行
MYV CREW:http://r.ldh-m.jp/miyavi_1111/

日本公演の問い合わせ先:[問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999
https://udo.jp/concert/thelastrockstars

■アメリカ公演
2023年2月4日(土) NY Hammerstein Ballroom
開場 19:00 開演 20:00

2023年2月10日(金) LA Hollywood Palladium
開場 19:00 開演 20:00

チケット販売スケジュール
2022年11月11日(金)10:00〜(米国東部標準時)

NY公演: https://www.ticketmaster.com/event/00005D6AE7145A6E
LA公演: https://www.ticketmaster.com/event/09005D69F3C38267

◆THE LAST ROCKSTARSオフィシャルサイト
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