【ライブレポート】WANDS × BREAKERZ、2マン公演<ROCK BONDZ>に蜜月「1つのバンドみたいだったね」

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WANDSとBREAKERZの2マンライブ<ROCK BONDZ -WANDS × BREAKERZ->が12月6日に東京・Zepp Haneda、12月13日に大阪・Zepp Osaka Baysideで開催された。“ROCKの絆”で繋がれた奇跡の2マンは、東京公演のホスト役をBREAKERZ、大阪公演のホスト役をWANDSが務める形となった。同東阪ライブよりZepp Haneda公演の模様をお届けしたい。

◆WANDS × BREAKERZ 画像 / 動画

両バンドはビーイングのレーベルメイト。DAIGOが2018年にリリースしたビーイングカバーアルバム『Deing』にWANDSの楽曲「もっと強く抱きしめたなら」をカバー収録したことをキッカケに、WANDS再結成を望む声が大きくなり、第5期WANDSの始動に繋がったという経緯もある。それゆえプロデューサーの長戸大幸氏は以前からこの2バンドの共演を待ち望んでいたそうだ。ライブ中のMCではBREAKERZが今もリハーサルの音出しでWANDSの曲を演奏するエピソードが明かされたほか、アンコールのセッションではお互いの楽曲を演奏し、大盛り上がり。温かい拍手と笑顔が溢れ、タイトル通り、WANDSとBREAKERZの絆が生まれたライブとなった。


東阪2マン初日となる東京公演のトップバッターはWANDS。ハンドクラップが響く中、「時の扉[WANDS 第5期ver. ]」で幕を開け、「Secret Night 〜It’s My Treat〜 [WANDS 第5期ver.]」とWANDS1990年代のヒット曲を立て続けに演奏。上原の伸びやかなボーカルと柴崎の卓越したギターワークが呼応するようなアクトに盛大な拍手が沸き起こる。

「こんばんは。本日はBREAKERZとWANDSの対バンでございます。前々から一緒にやる話はあったんですよね。ついにこの日がやってきたという感じで、大変嬉しく思っております。BREAKERZが好きな方々、WANDSが好きな方々、いろいろいらっしゃると思いますが、今日はどっちもファンやと思って、一緒に楽しみましょう!」──上原大史(Vo)

続いて披露されたのは、柴崎のギターソロで始まったWANDSのヒット曲「恋せよ乙女」だ。シンプルでひとつひとつの音が粒立つ強くて艶のあるサウンドが小気味いい。続く、第5期WANDSの1stアルバム『BURN THE SECRET』収録曲「賞味期限切れI LOVE YOU」はジャジーかつファンクなアプローチ、上原の色気のある声が際立ち、柴崎が饒舌なギターソロで情景を彩る。


見るたびに歌とギターの2人のやりとりが刺激的になっているWANDS。「愛を語るより口づけをかわそう[WANDS 第5期ver.]」では上原と柴崎がステージ上手と下手に分かれ、後半はライブならではフェイクも。疾走感たっぷりのロックチューン「Burning Free」では上原が柴崎の肩に手をかけてシャウト。エンディングではセンターの台からジャンプをキメた。「楽しんでますか?」と上原が問いかけ、大きな拍手で応える客席。ここからはWANDSとBREAKERZの関係を2人がトークしていく。

「我々、先日、DAIGOさんのラジオ番組(『OHAYO-WISH!!』)に出演させていただきました」──上原大史

「ラジオに不慣れなので、ちょっとドキドキしましたけど、楽しかったです。目の前でDAI語をスパッとキメていただきました」──柴崎浩

「すごかったですね。WANDSの曲のタイトルにちなんで」──上原大史

そう言いながらアルファベットで何と表現してくれたのか、思い出せなくなる2人に客席から笑いが漏れる。上原はDAIGOについて「頭が良くないと、あんな即座にDAI語を思いつかない」と感心。さらに柴崎は、毎年開催されてる<Being Guitar Summit>で共演しているAKIHIDEについてのエピソードも明かした。

「もう10年近く共演させてもらっていて、僕のほうが年上なんですけど、AKIHIDEくんはめちゃくちゃいい男ですね。見た目もそうですけど、中身がめちゃくちゃ紳士というか、気がきいてて、ホントにお世話になってます」──柴崎浩


このリラックスしたトークから、WANDSのライブ定番曲として君臨してきた「Jumpin’ Jack Boy[WANDS 第5期ver.]」で盛り上がり、第5期1stシングル「真っ赤なLip」では超絶スキルが求められるスリリングなリズム展開を難なく歌いこなす上原のボーカルに魅了された。全12曲のライブ後半は、「YURA YURA」などTVアニメ『名探偵コナン』のテーマ曲が盛り込まれたセットリストだ。最新デジタルシングル「愛を叫びたい」(EMシステムズ初の企業TVCM主題歌)を両手でマイクを掴み、熱唱する姿も印象的だった。

ラストはイントロで「今日はみなさん、ありがとうございます。最後はこの曲でお別れしたいと思います」と告げた「世界が終るまでは…[WANDS 第5期ver.]」。上原のスケール感のあるボーカルと柴崎の雄大でブルージーなギターが場内を包みこみ、客席から力強い拍手が送られた。


転換を挟み、BREAKERZの登場だ。サングラスにファージャケット、マイクスタンドを操って歌うDAIGOが「拳をあげろ!」と叫び、AKIHIDEが熱いソロを響かせた「激情」で幕を開けたステージは、のっけから攻めの体勢だ。ライブをイメージして書かれた曲「Judgment」ではDAIGOがフラッグを振ってのパフォーマンス。WANDSとの対バンに臨むテンションの高さが伝わってくる。

「<ROCK BONDZ >にようこそ! 俺たちがBREAKERZです! ついにこの日がやってきました。俺が中2のころから聴いていたWANDSさんと、30年の時を超えての対バンです。やっぱり音楽を続けているといいことあるんだなって」──DAIGO(Vo)


客席に「BREAKERZを初めて見る人?」と問いかけて、その数を把握すると、「初心者にもBREAKERZのライブのノリをどんどん提示していく」と優しく告げ、続いてさっそくDAI語も飛び出した。

「タイトルが<WANDS vs BREAKERZ>みたいになってますけど、俺たち勝つ気ゼロですから(笑)。俺たちのテーマは、もっとWANDSと仲良くなりたいです。わかりやすく今日、俺が思うことは“RBT”。“ROCK BONDZ 楽しもうぜ!」──DAIGO

温かい拍手の中、1stシングル「SUMMER PARTY」ではDAIGO、AKIHIDE、SHINPEIの3人がステージの際まで出て、DAIGOがAKIHIDEの肩に手を回し、SHINPEIにマイクを向ける華やかなステージング。TVアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマに起用された「Miss Mystery」に続いて、赤いドレスに身を包んだ2人の女性ダンサーが登場した「BAMBINO 〜バンビーノ〜」では、サビで両手を交互に動かす振り付けを客席にレクチャー。セクシーでキャッチーなナンバーにBREAKERZを初めて見る人たちも振りを覚えて、これに応えていた。


メンバー紹介ではBREAKERZのWANDS愛が炸裂。最初に紹介されたSHINPEIの言葉にWANDSファンからも拍手が沸き起こった。

「実は僕もなかなかのWANDSファンでして、思えば初めて買ったCDが「Jumpin’ Jack Boy」。カップリングもいい曲ですね。そしてあえて1枚、好きなアルバムをあげるなら『PIECE OF MY SOUL』(1995年)です。ギターを始める前からWANDSの曲は聴いていて、憧れていたので、まさか共演することになるなんて夢のようです」──SHINPEI(G)

「個人的には<Being Guitar Summit>で柴崎さんと毎年共演させてもらってます。間近で素晴らしいプレイを聴かせていただいているんですが、WANDSさんのステージは今日、初めて見たんですよ。やっぱり柴崎さんのプレイはカッコいいなって。さっきDAIGOくんが「WANDSさんと戦うつもりはない」って言ってましたけど、僕は柴崎さんに負けないように頑張りたいと思います」──AKIHIDE(G)

AKIHIDEのこの発言にDAIGOが「ちょっとバンドの意思統一ができてないみたいです(笑)」と笑わせると、「もちろん大好きな先輩なので、「戦う」と言いながら慕ってます」とAKIHIDE。ちなみに上原の「本当に頭がいい」発言に対してDAIGOは、「アルファベットの変換が早いだけなんだよね」と笑い、改めて「僕たち3人でBREAKERZです。よろしくお願いします!」と挨拶した。


この日のために『名探偵コナン』エンディングテーマに起用された「オーバーライト」のスペシャルヴァージョンが演奏される場面に続いて、サプライズが。「リハーサルのウォーミングアップでWANDSの曲を演奏する」というエピソードを明かした3人は、「さすがに本人たちがいる前ではやらない」と話すが、AKIHIDEが「時の扉」のイントロを弾き始め、これをDAIGOが制止するもののSHINPEIも弾き始め、演奏が始まってしまい「オイオイ!」と慌てながら条件反射で、しかし生き生きと歌い出すDAIGO。客席も思わぬ展開に大喜び。

また、TVアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマがWANDSの「YURA YURA」で、エンディングテーマがBREAKERZの「SWEET MOONLIGHT」だったことに触れ、同曲を披露した後は、再びダンサーが登場して敬礼ポーズをレクチャー。DAIGO曰く、「ドMなBREAKERZならではのシャッフルナンバー」だという「REAL LOVE」を演奏した。続いて「タオル回してください。持ってない人は思いきり手を振り回してください!」とAKIHIDEとSHINPEIがステージを走って煽ったアグレッシヴなナンバー「灼熱」へ。エンターテイメントな魅力が溢れる全11曲のBREAKERZライブのラストを飾ったのはデビュー15周年記念公演の会場で発売された「LIKE A CRYSTAL」だ。ミラーボールの光が注ぐ中、これまでの日々への感謝と輝く未来への想いが込められた同曲でBREAKERZのライブは幕を閉じた。


アンコールの拍手が鳴り響き、DAIGOがWANDSの2人を呼び込むと、いよいよスーパーセッションタイムだ。DAIGOが「今日は記念すべき日になりましたね」と振ると上原が「さっき、ステージ袖(バルコニー)にいる僕らのほうを見ながら歌ってくれてましたよね」と、BREAKERZが「時の扉」を演奏した時のことに触れ、「手を振りましたよ」とDAIGO。柴崎は「めっちゃ楽しい雰囲気を作ってくれて、BREAKERZさん最高でした」と賛辞の言葉を送った。

そして最初に披露されたセッションはDAIGOが自身のソロアルバムでカバーした曲「もっと強く抱きしめたなら」のWANDS第5期バージョン。上原とDAIGOが向かい合って歌う光景、柴崎とAKIHIDEが至近距離でギターを奏で合う光景は新鮮そのもの。全員が楽しみまくっているのがストレートに伝わってくる。

演奏後に柴崎が「いつも上原が歌っている声しか聴いてないけど、違う声が入るとまたテンション上がるね」と感想を語り、DAIGOがこれに「柴崎さん! いつでも呼んでください」と返し、夢が叶ったSHINPEIは感無量の様子。AKIHIDEも「すごく緊張するかなと思ったんですけど、セッションが楽しくて、ほんわかして最高だったなって」と高揚気味に語り、DAIGOから「ちょっと乙女チックになってない?」とツッコミを入れられると、上原は大ウケ。

そんな和やかなムードの中、今度はBREAKERZのアッパーチューン「WE GO」のセッション演奏へ。上原とDAIGOが拳をあげて歌い、上原がギターを弾くSHINPEIの肩に手をかけるなど、エキサイティングなシーンの連続だ。その演奏後、「まだ大阪公演がありますけど、またやりたいですね」とDAIGOが言えば、上原も同意。「みんなが声を出せるようになったら」と加えると、上原も「“WE GO”って叫んでほしい」と嬉しそうだった。


終演後はDAIGOの提案で記念撮影(全員のうぃっしゅポーズを含む)、台の上に5人が乗って手を繋いで挨拶。2バンドで5人のため、DAIGOが「1つのバンドみたいだったね」と表現したのも、全員お揃いの黒い公演Tシャツだったこともあって納得の光景だった。

東京公演に続いては、12月13日にWANDSがホスト役となるZepp Osaka Baysideでの大阪公演を大盛況のうちに終えた2バンド。来年以降も再び両バンドの対バンが観たいと思わせるスペシャルで熱い二夜だった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎達川範一

■<ROCK BONDZ -WANDS × BREAKERZ->12月6日(火)@東京・Zepp Haneda セットリスト

【WANDS】
01. 時の扉 [WANDS第5期ver.]
02. Secret Night ~It's My Treat~ [WANDS第5期ver.]
03. 恋せよ乙女
04. 賞味期限切れI love you
05. 愛を語るより口づけをかわそう [WANDS第5期ver.]
06. Burning Free
07. Jumpin' Jack Boy [WANDS第5期ver.]
08. 真っ赤なLip
09. カナリア鳴いた頃に
10. 愛を叫びたい
11. YURA YURA
12. 世界が終るまでは… [WANDS第5期ver.]
【BREAKERZ】
01. 激情
02. Judgment
03. SUMMER PARTY
04. Miss Mystery
05. BAMBINO ~バンビーノ~
06. オーバーライト
07. 時の扉
08. SWEET MOONLIGHT
09. REAL LOVE
10. 灼熱
11. LIKE A CRYSTAL
encore【WANDS × BREAKERZ SESSION】
en1. もっと強く抱きしめたなら [WANDS第5期ver.]
en2. WE GO

■番組『WANDS×BREAKERZ ライブスペシャル ”ROCK BONDZ” 』

放送日時:2023年2月16日(木)22:00~24:00
放送局:スペースシャワーTV
※<ROCK BONDZ -WANDS × BREAKERZ->より東京公演の模様を放送
https://www.spaceshowertv.com/program/special/2302_rockbonds.html

■WANDS「愛を叫びたい」/「世界が終るまでは… [WANDS第5期ver.]」

▼配信
「世界が終るまでは… [WANDS第5期ver.]」作詞:上杉昇 作曲:織田哲郎 編曲:柴崎浩
「愛を叫びたい」作詞:上原大史 作曲・編曲:柴崎浩
配信URL:https://wands.lnk.to/top


「愛を叫びたい」:EMシステムズ CM動画「エンドロール」編(60秒)
※“デジタルで日本の医療・介護の現場を支える会社”──株式会社EMシステムズ初の企業TVCMにWANDS「愛を叫びたい」が主題歌として起用され、地上波、インターネットテレビでオンエア中。出演は林遣都。



■<BREAKERZ X’mas Show 2022>

12月22日(木) 東京・COTTON CLUB
・1st:open17:00 / start18:00
・2nd:open19:45 / start20:30
▼Support Member
砂山淳一(B)
KAZU(Dr, Per)
滝本成吾(Key)
▼チケット
全席指定 ¥15,000(税込)
※X’masスペシャルプレゼント付き(写真付きオリジナルフォトフレーム)
※未就学児童(小学生未満)の入場不可。
※小学生以上18歳未満のお客様は保護者同伴の上ご入場可。
※料金にご飲食代は含まれておりません。
※席種によっては別途シートチャージがかかります。
一般販売:2022年10月23日(日)12:00~

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