【インタビュー】Grasis、葛藤や困難を乗り越えて自分自身を見つけた二人の決意

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cahoとjessicaから成るGrasisが、12月14日に2ndミニアルバム『Floret Flowers』をリリースした。コロナ禍の真っ只中にユニットを結成し、音楽を発信する決意をした彼女たちは、入場制限、感染対策など厳しい規制がある状況下からライブ活動を開始。歓声が禁じられる中、どうしたら楽しんでもらえるのか、試行錯誤を繰り返してきた。主に日本の女性ボーカリストに影響を受けたというcaho、洋楽のダンスミュージックから昭和の懐メロまで聴きラップも担当しているjessica。澄んだ歌声を響かせる2人にこれまでの道のり、そしてデジタルシングル「PINK MOON」「STAY」を含む最新作『Floret Flowers』について話を聞いた。

■『Floret Flowers』は小さな花たちが集まることによって
■ひとつひとつは小さくても大きな花にしたいという意味です


――BARKS初登場となるので、まずはGrasis結成の経緯から教えていただけますか?

caho:今、私達が所属するレーベルの主宰で、Grasisの曲を書いてくださっているヒデヲさん(プロデューサー)と私が知り合い伝いにお会いしてフューチャリングで曲を歌わせていただいたり、私がよく耳にしてたりしてたアーティストさんにも曲を提供していたりしていた方だったので、そういうのがきっかけですね。

jessica:私とcahoは19才の時に知り合った友達なんですが、その頃は別々に音楽活動をしていたんです。でも、「やっぱり一緒にやりたいね」っていうことになって。

――気心が知れた同士だったんですね。Grasisはコロナ禍の大変な中、結成されたんですよね。

jessica:ライブがいつできるのかわからない状況ではあったんですが、それでも新しい音楽をやっていきたいという気持ちが強かったので思いきって。

caho:ヒデヲさんと出会ったのもコロナ禍で、私自身、今後、どうしていこうか悩んでいた時期だったんです。なので、逆に新しい活動をするのはチャンスだなって思ったし、違った形で始められることにちょっとワクワクしていました。ただ、ライブをやれるようになってからは「この曲、みんなが声を出せたらもっと盛り上がるんだろうな」って感じたり、どうやって楽しんでもらえるか悩んだりはしましたね。

――ライブハウスの人数制限など規制がとても厳しかった時期ですよね。

jessica:そうですね。床に2メートル間隔で立ち位置のテープが貼られていた頃です。私たちも移動やステージに出る直前までマスクをしていたりしていました。

――緊迫感やリスクがある中、jessicaさんもそれでも歌いたいと思ったわけですよね?

jessica:私もずっと今後どうするのか深く考えていて。作詞や作曲など、音楽的な部分をもっと尖らせていきたいという想いがあったけど自分ひとりでどう動いて良いかわからず試行錯誤していたんです。自分に自信がなくなって「音楽やめようかな」と思っていた時期にcahoがヒデヲさんを紹介してくれて、私もリセットという意味でゼロから始めてみようって。cahoと同じで自分にとってもコロナ禍は、ある意味、良いタイミングだったと思います。


▲jessica

――お二人ともGrasis以前にも音楽活動をしていたんですね。

jessica:そうです。今とは違うスタイルでやっていました。

caho:私も音楽活動をしながら、歌をSNSに上げたりしていました。

――二人とも声に透明感があって合わさった時のハーモニーも心地良いですね。jessicaさんはラップも担当されていますが、それぞれ影響を受けた音楽は?

caho:私はJ-POPが好きで、特に女性ボーカリストが好きです。

jessica:私は両親の影響もあって、自分が生まれる前の音楽が好きなんです。車の中で流れていた曲を今でもサブスクで聴いています。いちばん好きなのは玉置浩二さんでお風呂場で流しています。その頃の曲ってカラオケで歌いやすいし、歌詞がまっすぐ飛び込んでくるんですよね。

――意外です。ヒップホップとかダンスミュージックじゃないんですか?

jessica:(笑)色々なジャンルも、もちろん聴きますが。

――いろいろな音楽を聴いていることがGrasisの楽曲に反映されているんでしょうか?

jessica:「この曲、知ってる!」っていう共通点はあるんですけど、意外と違う音楽を聴いているんですよね。

caho:そうですね。最近は洋楽も聴くようになったけど、ずっと邦楽を聴いていたので。

――ちなみに性格も違うんですか?

caho:私はもうホントに内気というか。

jessica:(笑)。

caho:全然、自分を曝け出せない性格で逆にjessicaがいてくれて助かることが多いんです。

jessica:cahoは思慮深いというか、物事をしっかり考えているので意見を言っても「私はこう思うよ」って返してくれるのが良いなって。例えば私はライブの提案をする時にはやった方が良い理由とやらない方が良い理由の両方を言ったりするんですね。


▲caho

――メリットとデメリットの両方を伝えるということですね。

jessica:そうすると「そのデメリットはこうすればメリットになるんじゃない?」って言ってくれたりして「そういう捉え方もあるんだな」って。似ている部分もありつつ、視点が違うので助かっています。

caho:jessicaはしっかりしています。私は思ったことを伝えるのがあまり得意ではないんですが、自分の言いたいことを理解して伝えてくれるので。

jessica:長い付き合いなので、わかるんですよね。

――これまで対バンライブや企画ライブを開催されてきたと思いますが、徐々に規制がなくなる中、嬉しかった反応はありますか?

caho:手拍子もそうですけど、規制が緩和されてきたので、前より音楽を楽しんでくれているのが目でもわかって嬉しいですね。

jessica:初めてGrasisを見てくださった方が「SNSで見たけど、生の方がいいね」とか「印象が違うね」って言ってもらった時も嬉しくて。ライブは生の表情を感じてもらえるのが良いですね。


――2ndミニアルバム『Floret Flowers』の“Floret”もそもそもはGrasisの企画ライブのタイトルなんですよね。

caho:はい。2ヶ月に1回のペースで開催して、いろいろ吸収できたことや勉強になったことがあったんです。4回、企画ライブを経験した上でのミニアルバムなのでタイトルにつけました。

jessica:“Floret”には”小さな花“という意味があるんですが、小さな花たちが集まることによってひとつひとつは小さくても大きな花にしたいなって。そういう意味も込めてミニアルバムのタイトルにつけさせてもらいました。

◆インタビュー(2)へ
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