【混沌少女 / 黒ゐ少女 メンバーインタビュー】不朽不滅、「推しが私の気持ちを変えてくれた」

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アイドルグループ「混沌少女」、「黒ゐ少女」のメンバーである魑魅魍魎、不朽不滅、天下統一のパーソナルインタビューをお届けしよう。

混沌少女はV-ROCK＆PUNK要素の強い楽曲が特徴のグループ。魑魅魍魎・天下統一・不朽不滅の3人編成で「いつしか忘れていた学園祭の気持ちを取り戻させる」ことをテーマに活動している。


また、黒ゐ少女は“黒いアイドルが売れないって誰が決めた？”をテーマに、2022年9月にデビューしたV-ROCKアイドル。ハードな楽曲と現代社会に訴えかける歌詞が武器だ。3月18日には目黒鹿鳴館にて＜「黒ゐ少女」結成半年記念無料単独公演＞を開催。

不朽不滅へのインタビューでは、繊細な表情に隠された想いに触れることができた。自分自身の気持ちを変えてくれたという、アイドル活動。彼女の魅力は、マイナスからのメタモルフォーゼを遂げ、生きるために自分を変えたいと望んだ“強さ”にある。

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──不滅さんは、最近どんな事にハマっていますか？　マイブームを教えて欲しいです。

不朽不滅：絵を描くのにハマっています。昔から絵を描くことは大好き。

──おお！　今だとデジタルツールで、とか？

不朽不滅：いや、紙に描いています。

──どういう絵を描くんですか？

不朽不滅：なんて言えば良いんだろう……変わった世界観の絵が好きなんです。たくさん目玉があったり、色がたくさん使われていたり、きゃりーぱみゅぱみゅさんの世界みたいな感じ。

──ちなみに、絵以外に好きな事はありますか？

不朽不滅：音楽はずっと聴いています。ボカロが好きですね。移動時間はずっと聴いています。

──では、ここからは不滅さんのことを色々教えていただきたいのですが、アイドルになりたいと思ったきっかけは何だったんでしょうか？

不朽不滅：うーん……私はこれが初めてのアイドル活動なんですけど、もともと自分がアイドルを推している側だったからっていうのもあるし、自分的に、その日の朝起きて、働いて、家に帰って来てご飯を食べて寝るだけの生活が嫌だったからかなぁ。ちょっと変わった事をしたいと思ったからっていうのもあるし、友だちと一緒に「アイドルやらない？」っていう話もしていたからっていうのもあります。

──きっかけはたくさんあったんですね。実際、アイドル活動をしていて刺激的な日常は送れていますか？

不朽不滅：はい、送れています。

──不滅さんが推していたアイドルというのは？

不朽不滅：おこさまぷれ〜と。っていうアイドルです。YouTuber×アイドルっていう感じのグループで、今自分がやっているのとは正反対のキラキラした感じなんですよね。あと、TikTokでモノクローンっていうアイドルを見て良いなと思ったりしていました。でも、自分がアイドルになるなら、かっこいい系のアイドルになりたかったんです。

──アイドルになる前となった後で変わったところはありますか？

不朽不滅：はい。アイドルになる前よりも、人と話せるようになりました。あとは、なんだろう……精神的に安定しています。

──人と話すのは苦手？

不朽不滅：苦手というか、あんまり話していなかったです。もう、自分が覚えている記憶の中でも、幼稚園の頃からそうでした。入園した時から階段の隅にいて、周りから話しかけられても喋らないみたいな。それがずーっと続いていた感じです。

──きっと今は、アイドル活動が精神的な支えになっていると思うんですけれど、その前は何が心を支えてくれていたんでしょう？

不朽不滅：アイドル始める前は……むしろ、支えがなくて死にたかった。

──そっかぁ。でも、そんな不滅さんが平凡な日常が嫌で“アイドルになりたい”って志すなんて、大革命じゃない。

不朽不滅：うん。今までは推しのライブですら怖くて観に行ったことがなかったんだけど、思い切って観に行ったことがあるんです。それで“自分も頑張りたい”と思えたっていうのもあるかな。とにかく大勢のところに行くのが怖かったし、ライブ自体にも怖いイメージがあったけど、勇気を出して観に行ったら推しが私の気持ちを変えてくれたっていうのはあります。

──ちなみに、アイドルに興味が出てくる前に人前でパフォーマンスをする機会はあったんでしょうか？

不朽不滅：習い事でピアノとバレエをやっていたから、発表会で結構な大人数の前で発表したことはあります。今のアイドルのステージとは、全然違うけど。今のアイドルの方が楽しいです。

──ピアノはどういう曲を弾いていたんですか？

不朽不滅：特に課題曲みたいなものはなくて、自分の好きな曲を弾けるところで習っていたから、その時から好きだったボカロの曲を弾いていました。「マトリョシカ」』とかかな。

──バレエと聞いて、不滅さんのダンスパフォーマンスが良い意味で柔らかい理由が分かった気がします。

不朽不滅：バレエって、手の指先まで意識して踊るんです。ダンスってそれよりももっと体中で自分を表現する感じだから、その違いは難しいんですけどね。

──では、実際アイドル活動で“楽しい”と思える瞬間はどんな時？

不朽不滅：ライブ中は絶対的に楽しいですね。あとは、お客さんが1人増えただけでも嬉しいです。ライブをしているとアイドルを出来ているっていう実感があるから、それが楽しい。

──初めてライブのステージに立った時のこと、覚えていますか？

不朽不滅：初めて立ったのは混沌少女のライブだったんですけど、振りが少なかった代わりに自分から動かなきゃいけなかったんだけど、それも考えられないくらい緊張していました。今も緊張はするけど、前よりは自分が思ったライブが出来ていると思います。

──ライブ然り、やっぱり初めての現場は緊張しますよね。

不朽不滅：はい。撮影の時も緊張しすぎて顔に力が入っちゃって、写りがあんまり良くなかったし……。レコーディングも混沌少女で初めて経験したけど、私、自分の声があんまり好きじゃなくて……レコーディングの時って、自分の声を聞かないといけないんです。それは嫌だったけど（苦笑）、楽しかったですね。でも、自分が関わったものが形になるのは嬉しかった。


──アイドルをやっていると大変なこともあると思うんですけれど、不滅さんはどういう時にそれを感じますか？

不朽不滅：えっと……ダンスレッスンの時かな。もう、頭に何も入ってこなくなっちゃって、泣きそうになりながらやっていました。レッスン中は頭に入らなくて怒られたりもしたけど、その場はそのまま耐えて、家に帰ってから映像を見ながら1人で何日もかけてずっと練習していました。

──不滅さんって、すごく心が繊細なんだろうなと思っていたんです。あまり表に感情を出すタイプではないけれど、胸の内にはたくさん思っていることとか考えていることがあるんだろうなって。

不朽不滅：うん、そう。人に相談することも、あんまり出来ないです。なんでかわからないけど、自分で全部解決しようとしちゃう。

──頑張り屋さんなんですよ、きっと。さっき、ダンスが出来るまで1人で練習しているって聞いた時も、そう思った。

不朽不滅：そうかなぁ（笑）？　でも、今はTikTokのバズる方法とかも調べたり考えたりしているんです。ハッシュタグを変えたら良いのかな、とか。

──では、今後の目標とか野望を教えていただけますか？

不朽不滅：名前を聞いたら、みんなが「あ、知ってる」ってなるくらいになりたいです。そうなるくらい広まりたいなと思っています。あとは、ライブに来てくれる人が100人くらいになるように頑張りたい。

──不滅さん自身は、“こんな風になりたい”っていう自分の理想像みたいなものはありますか？

不朽不滅：んー……ライブ中とそれ以外の性格がギャップ萌えするみたいな感じになりたいかな。混沌少女だと、私、“変わってる”ってよく言われるから……。

──そうなの？

不朽不滅：うん。でも、その変わってる性格を出せたら良いなって思っています。今までは可愛い部分を出していきたいと思っていたんだけど、今はかっこよくいきたいなとも思っていて。見た目もそうだけど、女の子のファンが見た時に好きになってもらえる感じを目指したいです。

──きっと、不滅さんみたいに“自分を変えたい”と思う人のお手本にもなれるんじゃないかな？

不朽不滅：だと良いな。私、中学2年生ぐらいの時に周りでメンヘラとか病みカワ系が流行っていて、そういうのが可愛いと思って憧れていたら、本当に死にたいと思うようになった時があって。だから黒ゐ少女の「クリミナルドリーマー」は、共感っていうか好きだなって思うんだけど、そんな私でも、変わりたいと思った。

──“死にたい”って思っていた人が今、“不朽不滅”と名乗っているんだからかっこいいですよね、朽ちないし滅びない。

不朽不滅：名前決める時に何個か候補があって、みんなが「“不滅ちゃん”が似合ってるね」って言ってくれたんです。今は周りにアドバイスをくれる人もいるし、恵まれた環境にいることが出来て良かったなって思っています。

文◎平井綾子
写真◎FAKE DAWN.