【今さら聞けない楽器のア・ソ・コ】お題「あご当て」

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“楽器”と一口に言っても、多種多様さまざまな部品から構成されているのはご存知の通り。え、そうなの?的なものから、世界の民族楽器まで、今さら人には聞けない“楽器のア・ソ・コ”、ご紹介します。第80回のお題は「あご当て」です。

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(C)Raghavendra Mithare / Unsplash

バイオリンのボディに装着するパーツ。肩とあごで楽器をホールドするときに、ここにあごを乗せることで、楽器の安定感を向上させる。チンレストとも呼ばれる。

そもそもバイオリンはあごに当てずに演奏されてきたが、1820年頃にドイツのバイオリニストで作曲家のルイ・シュポーアがあご当てを発明し、現在の奏法が確立していったと言われている。ちなみにシュポーアは、指揮棒を最初に使用した音楽家でもある。

あご当てはさまざまな形状のものがあるが、大別すると3種類。ガルネリ型は、皿部分がボディの左側に位置し、テールピースをまたぐように取り付けられる。ドレスデン型は同じく皿部分がボディの左側に位置するが、テールピースはまたがない。フレッシュ型はテールピースをまたいだ中央部に皿が位置する。

なお、ガルネリ型の中で、あごを乗せる部分が丸みを持たせた形状のものをストラド型と区別する。

あご当ては木でできており、エボニー、ローズウッド、つげなどが用いられる。

金具を用いてバイオリンのボディに装着するが、その形状や材質によって、音にも大きな影響を与えると言われている。

文:竹内伸一



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