【コラム】<YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X>、「天国のYOSHIと共に未来へ 〜We’ll fly away〜」

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▲(C)NTV

「僕らはYOSHIの夢を背負っている」──YOSHIKIのこの発言には、新たな決意と未来への希望が詰まっている。

◆<YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X>画像 / 動画

世界に羽ばたく綺羅星のワールドスターを発掘するべく、音楽界のカリスマであるX JAPANのYOSHIKIプロデュースにより、音楽史に名を刻む前代未聞の無敵バンド&ボーイズグループオーディション<YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X>が始動した。

バンド部門にKAIRI(G)、FURUTATSU(B)、kyohey(Dr)、そしてフロントマンにはYOSHI(Vo)といったメンバー4人が選ばれた。振り返れば、YOSHIKIとYOSHIの出会いは“運命”であり、“必然”だったのかもしれない。ボーカルオーディションでYOSHIの歌声に初めて触れた時、「自分がスターだって気付いているでしょ?」「世界中のスターに会ってきたけど、彼らと違いがないよ」とYOSHIKIは激賞するほどだった。


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その後、バンド内リーダーにkyoheyが就任し、新曲作りに移行する。完成した楽曲をYOSHIKI本人の前で披露するため、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるYOSHIKIのプライベートスタジオ訪問へ。現地で合宿に励みながらストリートライヴも行ったりと武者修行は続く。

そんな日々を経て、新曲を披露する場面では、YOSHIKIはもちろんセレーナ・ゴメスらを手がけるボイストレーナーのロジャー・ラブ、マイケル・ジャクソンの最後の振付師であるトラヴィス・ペイン、ジャネット・ジャクソンのバックダンサーを務めるほかK-POPの振り付けも手がける仲宗根梨乃、といった著名人たちに見守られる中でパフォーマンスを披露した。一度目は緊張していたものの、二度目は審査員の助言もあり、バンドは吹っ切れたステージングで魅了。厳しいプロの視線にさらされ、彼らは少しずつ成長を遂げていった。


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そんな発展途上の渦中にいるバンドに悲劇が訪れる。2022年11月初旬、事故によりYOSHIは帰らぬ人となってしまった。享年19歳。未来を約束されたロックスターの原石が突如、天国へ旅立った。他とは一線を画したオーラを放つフロントマンがいなくなり、このバンドに未来はあるのだろうか。喪失感は想像を絶するものがある。

その困難な道のりについて、音楽ジャーナリストで音楽雑誌『MUSICA』創刊時の編集長である鹿野淳氏の言葉を引用したい。「彼が亡くなったことをバンドとしてどう解釈するのか。言い方を変えれば、それは今後の最大のストーリーになっていきます。それを担った上で、新しいボーカリストはこのバンドで生きていきます。それだけのタフさを持っていたり、それを受け止めた上で、さらに想像通りの活躍をボーカリストもバンドもできるのか? 相当難しいことだと自分は正直思っています」と厳しい考察を寄せた。それもこれも、YOSHI不在の穴がどれだけ大きいものなのかを物語っている。しかし、プロデューサーのYOSHIKI、このプロジェクト、バンドは新たにボーカルオーディションを開始し、困難な道のりをあえて歩む覚悟を固めた。YOSHIの魂と共に。


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バンド部門と並行する形で、ダンスボーカルグループはチームA、チームBに分かれた審査から、メンバー8人が通過。そして12月28日に放送された日本テレビの年末特番『発表!今年イチバン聴いた歌~年間ミュージックアワ ード2022』で、急逝した YOSHI の歌声と共に、YOSHIKI率いるスペシャルユニットとしてパフォーマンスを披露。スペシャルユニットのラインナップは、オーディション審査員も務めるダンサーのTAKAHIRO、kazuki (s**t kingz)に加えて、<YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X>オーディションメンバーであり、彼らによる一夜限りのステージであった。

YOSHIKIが作詞・作曲を手掛け、YOSHIのボーカルを入れたものの未完成であった「XY」を、この日のために特別アレンジ。そのアレンジも直前まで拘り、調整を重ね、特番当日の朝方までYOSHIKIは死ぬ気で向き合った。クラシック、ロック、ダンスミュージックなど、めくるめく曲展開やスペクタクルな広がりを持つ曲調は、まさにジャンルレスかつボーダーレスな仕上がり。しかも各メンバーのキャラを際立たせた楽曲で、耳目を奪う圧巻のパフォーマンスを叩きつけた。また、YOSHIKIはピアノ、ギター、ドラム、そしてストリングスの指揮など担当楽器を替える八面六臂の大活躍ぶり。ステージ背後の巨大スクリーンにはYOSHIのオーディション時の映像が使用され、天国の彼とコラボする感涙のセッションが繰り広げられたのだ。


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演奏後、YOSHIKIのもとメンバーが出演した『YOSHIKI CHANNEL』生配信では、当日の模様を振り返り、kyoheyが「絶対YOSHI、ステージにいたと思うんですよね。YOSHIがみんなを繋いでくれて、最高のパフォーマンスができました。YOSHIだったらこうするんじゃないかとか別に考えないでも、YOSHIはずっと僕たちと一緒にいると思うんですよ」と言うと、「今の言葉いいね。“彼がどう思うとかじゃなく、いるから”って。それが今日のステージにも表れていたかもね。しんみりしてもしょうがないから、振り切っちゃおうぜ!って。そういうところを逆にkyoheyに教えられたかな」とYOSHIKIは謙虚に答えていた。

ここで、YOSHIに対して、またYOSHIが繋いでくれた唯一無二のグループの未来に対する、オーディションメンバー2人の最新コメントを掲載したい。

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「YOSHIには自分らしく表現して生きることの楽しさ、みんな平等に才能やチャンスがあり、それを発信するための大きな1歩を踏み出す勇気、仲間を愛することの力強さを教えてもらいました。この前、天国のYOSHIにレクイエムを贈ったけど、やっぱ楽しくなっちゃって、俺らの隣に戻ってきちゃったんじゃないかな、“俺は上から見てられねーよ!”って。YOSHIがどこにいようと俺らの魂は繋がってるし、これからも一緒に最高の景色見続けようぜ!」──カルマ


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「YOSHIと過ごした時間はとても短いものだったけど、とても充実した時間で、お互いに刺激し合い高め合える最高のメンバーでした。自然と周りを明るくしていた彼の笑顔を、思い出さない日はありませんでした。12月28日は彼への追悼の気持ちを込めてパフォーマンスしました。目には見えないけど、確かに彼はあのステージに居たと思います。でもだからこそ、同じ世界であのステージに共に立ちたかったという気持ちで涙が止まりませんでした。YOSHIと共に見た夢、目指した世界に向かって進み続けます」──kyohey

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YOSHIKIプロデュースにより、強さと逞しさを身に付け、日に日に成長を遂げているオーディションメンバー。また、「YOSHIのレガシー(遺産)を伝えるために、頑張らなければいけない」とYOSHIKIは口にしていたが、「無名だけど無敵だった」「奇跡は起こすもの」と番組内でもYOSHIKIの箴言が随所で飛び出し、オーディションメンバーを奮い立たせていた。YOSHIが見たかった景色を、彼らならばきっと掴み取ってくれるに違いない。今後の動向に目が離せないことはもとより、2023年はさらなる飛躍の年になることは間違いない。

取材・文◎荒金良介

■<YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X>

オンライン動画配信サービス「Hulu」にて独占配信
※日本テレビ系「スッキリ」「行列のできる相談所」でも随時ニュースを放送


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