【インタビュー】michi. (ALICE IN MENSWEAR)、ソロ始動「KOJIのことを前向きに引きずっていきたい」

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■ソロシンガーmichi.として
■ロックスタイルもやっていくつもり

──では、今はライブに向けての準備を整えているところだと思いますが、楽曲作りも?

michi.:新曲に関してはまだALICE IN MENSWEARの活動と並行している状況なので、もう少し先になると思います。

──なるほど。

michi.:1月14日のライブ<Caramel Vox REBOOT>は、MASCHERA、S.Q.F、ALICE IN MENSWEARのセルフカバーが中心になるんですが、そう思えたのもKOJIのことがあったからなんです。ALICE IN MENSWEARでKOJIが書いてくれた曲を風化させずに歌い継いでいきたいという気持ちになった時、現在にたどり着くまで、僕のために曲を書いてくれた作曲家の方々がたくさんいることに改めて気づいて。MASCHERA時代から考えたら、もう30年の歴史がある。これまでS.Q.FではMASCHERA時代の曲はやらなかったし、ALICE IN MENSWEARもアコースティックライブ以外では過去の時代の曲をやることはなかったんです。だけど、これまで発信してきた曲たちも風化させちゃいけないと思えた。「KOJIさんの曲を歌い続けてくれてありがとうございます」という実際のファンの皆さんの声にも目が覚める想いでした。なので、今後はmichi.として、これまでの楽曲たちをステージでちゃんと歌っていこうと思っています。そういう活動をしていく中で、創作意欲や曲のアイデアも新たに生まれるんじゃないかって。

──ライブを通じて得たインスピレーションが、次のオリジナル曲に繋がっていくということですね?

michi.:そうですね。今後はアコースティック形態だけではなく、ロックスタイルのライブもやっていくつもりで。そこではいろいろな時代の曲を混ぜたミクスチャーなステージになると思います。ソロシンガーmichi.としてはそういうスタンスでやっていくつもりでいます。

──これまでご自身のことをシンガーと表現なさったことはありました?

michi.:シンガーではありますが、それぞれのバンドスタイルにこだわっていたんですよ。よく考えたらS.Q.Fは僕のソロプロジェクトなのでMASCHERA時代の曲をやっても良かったのに、頑なだったところがあったんですね。今後はmichi.という名前を背負っていくので、本当の意味でのソロシンガーという位置づけになると思います。

──純然たるソロは初めてですよね?

michi.:michi.名義でのソロは初ですね。

──個人名を掲げての活動というのは心境的に違います?

michi.:もう何周したんだろう?というぐらい経験を積んだので、ソロに対する特別な感情や緊張、背負うような感覚はないです。むしろ、“俺、長く活動してるけど、michi.名義って初めてやな”ぐらいな(笑)。ようやくって感じですね。今となってはMASCHERAが解散してS.Q.Fを立ち上げた時も、“なんでmichi.にせえへんかったんやろ?”って、その理由を思い出せないぐらいで。当時、トレント・レズナーがナイン・インチ・ネイルズ、西川さんがT.M.Revolution名義で活動していたように、そういうスタイルに憧れていたのかもしれないですね。


──確かに当時は、JUDY AND MARYのTAKUYAさんによるROBOTSや、Spiral Lifeの車谷浩司さんによるAIRだったり、フリッパーズ・ギターの小山田圭吾さんによるCorneliusだったり、個人名ではなくソロプロジェクト名義というのも一般的でしたから。そして、michi.第一弾ライブは<Caramel Vox REBOOT>と銘打たれています。シリーズとして開催されてきたライブですが、タイトルの由来について教えてください。

michi.:<Caramel Vox>は僕がS.Q.F時代からライフワークとして定期的に開催してきた大切なアコースティックライブなんです。“Box”ではなく声を意味する“Vox”にして、“キャラメル箱”ともかけた造語。キャラメルのように甘い世界観とほろ苦い世界観を自分の声を武器に表現するライブにしたいというところから始まったんです。ALICE IN MENSWEAR結成もKOJIにサポートギタリストとして<Caramel Vox>に何度か参加してもらったことがキッカケなんです。もともとMASCHERAやLa'cryma Christiのデビュー前からの旧友だったんですが、お互いデビュー後は多忙もあり、たまに対バンで顔を合わせる程度だったんです。それがそれぞれのバンドの解散後、イベントを通じて急接近して、「一緒にやってみる?」って始まったのがALICE IN MENSWEARだったんですね。そういう背景もあって、ソロは<Caramel Vox>から始めたかった。

──開催中の『IN MEMORY OF KOJI project 4ヶ月連続マンスリー企画』の第一弾は<Caramel Vox REBIRTHDAY Re>のアーカイブでしたし、第二弾は<GRAPPLE THE WORLD & Caramel Vox>のアーカイブでした。ALICE IN MENSWEARファンの皆さんの想いも詰まったタイトルですし。

michi.:はい。それに“REBOOT”は再起動という意味で。徐々にエンジンをかけていけるような、そんな活動ができるんじゃないかと本能的に感じていたのかもしれないです。

──羽田という場所も新たな出発にふさわしいですね。

michi.:<Caramel Vox>でいつもサポートをしてくれるキーボーディストのRookie Fiddlerが「michi.さんがソロライブやるなら、すごく素敵なライブハウスがありますよ」って教えてくれたんです。これまでのライブ映像資料なども見せていただいて、TIAT SKY HALLで再起動して歌をファンの皆さんに届けたいと即決しました。天井がすごく高くて、アコースティックに合う気持ちのいいリバーブが響きそうな会場なので、期待しているところです。

──michi.さんにとってアコースティックライブの魅力とは?

michi.:自分の言葉だったり、微妙なニュアンスだったりを表現しやすいし、オーディエンスにも伝わりやすいのかなと思いますね、爆音ではないので。ロックのライブには荒々しさ、一体感、ストレス発散の醍醐味があると思うんですが、ピンと張り詰めた緊張感だったり、“どうぞ酔いしれてください”という心の準備をして向かえるのもアコースティックの魅力ですね。

──内容的にはアコースティックアレンジに似合う曲をセレクトしたものになるんでしょうか?

michi.:Rookieとは長い付き合いで、お互いのフィーリングがわかっているので、どんな曲をアコースティックアレンジにしても何の心配もないんですね。“この曲は合うだろうな”というのはもちろん、イケイケな曲もアコースティックアレンジしたら面白いだろうなと思えるんです。なので、期待値が高いであろう楽曲以外に、意外性がある楽曲も演奏するので、ギャップも楽しんでいただけると思います。

──原曲とはかなり違ったアプローチの曲も?

michi.:そうですね。アップテンポの曲をスローにした曲もあれば、ピアノとボーカルだけなのに“こんなにノリがいいアコースティックアレンジになるのか?”って思う曲もあります。<Caramel Vox>シリーズでRookieとは過去にやったことがない曲も披露すると思います。

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