【インタビュー】w-inds.、「期待を裏切りつつ、その上を行く」

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■ニューアルバムはまた新しいw-inds.をお見せできる作品にしたい

──では改めてお聞きしたいのですが、一緒にw-inds.を作り上げてるファンは自分たちにとってどういう存在ですか?

橘慶太:母です。家族に近いんですよ。厳しくするところは厳しくしてくれて……厳しいことって家族しかいってくれないじゃないですか。でも、僕たちが楽しそうにしてたらそれだけで喜んでくれたりするし。なかなかそういう存在は家族以外にいないと思うので、僕は家族に近いと言い続けてますね。

千葉涼平:メンバーです。もはやw-indsの一部。長く応援してくれている方が多いので、考え方が僕たち以上にメンバーなんじゃないかと思うことがあって。そこがウチのファンの面白いところ。ただ応援してます、という感じではないんですよ。

橘慶太:w-inds.はどうやったらもっとよくなるのか、広まるのかという目線を持ってくれてるよね。

千葉涼平:うんうん。そういう目線を感じる。

──母でありメンバー、というファンがいて、あのライブの空気感が生まれる訳ですね。 

橘慶太:そうです。僕たちも僕たちで変に媚は売らないですから。そういうスタイルだから、ファンとアーティストという感じではなくて家族みたいな関係になっていったんだと思うんですよね。

──家族だという安心感があるからこそ、トークでファンのことをいじったりしてもみなさんへっちゃらで。逆に涼平さんが止めに入るという。

橘慶太:そうなんですよ(笑)。この性格は昔っからですからね。昔、握手会をやったりしてたときも、「頭ポンポンして下さい」と頼まれても断ってましたもん。涼平君もそういうとこあったよね?

千葉涼平:あったあった。

橘慶太:申し訳ないなと思ってました。その当時の自分としてのプライドが邪魔をしてできなかったんです。涼平君もたぶんそうだと思うけど。

千葉涼平:そうなんだよ。

橘慶太:僕たち、本当に媚を売るのが下手だったから「じゃあ音楽で頑張るしかない」って。媚を売れない分、パフォーマンスでみんなを納得させるしかない。そういう気持ちはかなり早い段階から芽生えてましたね。ファンの人にサービスしてあげられなくて申し訳ないなという気持ちは強くあったからこそ、どうにかしていいライブを、いい曲をというのは昔から思ってました。

──ここからは新曲の話を聞いていきたいと思います。「Bang! Bang!feat.CrazyBoy」は、最初からCrazyBoyさんありきで作った楽曲だったのですか?

橘慶太:違います。ラップパートまで全部作り終えたときに、このラップはw-inds.じゃないなと思って。むしろELLYの歌声ばかり聴こえてきて。僕は元々ELLYのラップが声質とかを含めて好きだったんですよ。

──交流もあったのですか?

橘慶太:そうですね。昔、ELLYがダンサー時代に振り付けをしてもらったことがあります。

千葉涼平:シングルのカップリング曲だったね。

橘慶太:彼がCrazyBoyとしてラッパーを始めたときに、僕は個人的にもそのスタイルが好きだったから、いつか一緒にやれたらなという話もちょいちょいしてはいたんですよ。そんななかでこの曲は絶対にELLYだと思ったので「やってもらってもいいですか?」という話をもちかけたら、快諾してくれたという。

──さっきまで“爽やか=w-inds.”といっていた割には、今作は音がバキバキに割れたちょい悪でゴリゴリなヒップホップトラックが強烈なインパクトを放っていました。

橘慶太:そうですね(笑)。最初、そもそもこれはw-inds.用ではなく、遊び用に作ってた曲だったんです。今回ニューアルバムを作るとなったとき、方向性をどうしようかなと考えて。「strip」路線のフューチャーベースなおしゃれな音にしても面白みがないし、同じような方向は嫌だなと思ったとき、「あ、そういえばあれがあったな」と思ってこの曲を引っ張りだしてきてw-inds.用にメロディーをいじって作っていった感じですね。だから、トラックはw-inds.っぽくないんですよ。そこがミソです。とはいえメロディーはキャッチーにして、w-inds.らしさは残しつつ。Bメロの涼平君の歌い方とかは艶っぽく綺麗に歌ってもらったんですが、ELLYのラップは力強く歌ってもらって……という風に作っていきました。



──涼平さんは本作についてどう感じられましたか?

千葉涼平:久々にこういう攻めた楽曲をやれるなという嬉しさがありました。ここ2~3年は時代的にも自分たちの気持ち的にもあまり攻めていくモードではなかったので、メッセージを伝えていく方向にシフトしていたと思うんです。でも、そういうモードがちょっとずつ変わってきている感じが個人的にはあったので、聴いてくれるファンをまた新しいところに連れていけるような攻めたサウンドができた……そういう喜びを感じましたね。

──あのツアー後なので、大人路線を突き詰めていくのかなと思いきや、全然違いましたね。

橘慶太:そうなんです。期待を裏切ることが僕の生きがいなので。

──そういう異端児なところ、ありますよね。

橘慶太:ありますね。だから、w-inds.の根底に“期待を裏切りつつ、その上を行く”というのをプラスしておいて下さい。勝手に僕は、それがw-inds.のスタイルだと思っているので。

──分かりました。振り付けはどんな感じになりますか?

橘慶太:キャッチーなメロディーを活かす振りもあるんですけど、間奏にダンスブリッジがありまして。そこはゴリゴリっとしたサウンドなので、そこではガッツリ踊りますね。

──その間奏のダンスパートは、音があちこちに飛びまくっていますよね。

橘慶太:お! それはいい目の付け所ですね。あそこは細かい作業でエフェクトをかけまくってるからああいう風に聴こえるんです。僕はおしゃれな音が得意なんですけど、一緒にトラックメイクしてもらっている人がゴリゴリサウンドが得意。ゴリッと踊りたくて、そういう音に仕上げてもらいました。最近ダンスブリッジがある曲がなかったしね。

千葉涼平:サビはキャッチーに、ダンスブリッジはゴリゴリに踊りまくりたいですね。ギャップがあるからこそ、両方が引き立つ。全部がキャッチー、全部がゴリゴリだと締りがなくなるので、両方があることで相乗効果が生まれると思っています。

──ところで、w-inds.のコレオは迫力で人々を圧倒するというものよりも、とにかく繊細で細やかな振り付けで曲をショーアップさせていく。そういうものが多い気がするのですが。

千葉涼平:たしかに、細かいですね。

──なぜそういう方向になっていったのですか?

橘慶太:僕たちが大雑把にカウントだけをとるのではなく、ハイハットの音とかそういう細かいところまで音をとって振り付けをしていく振り付け師や、そういうものが得意なコレオグラファーにお願いしてたりするからだと思います。

──ライブだとこの細かい振り付けをフル尺で見ながら、そこにダンサーのCREWも加わるので、その都度フォーメーションやからみもチェックして。さらにw-inds.は生バンドが入るので、バンドアレンジバージョンのサウンドもチェックしなくちゃとか。とにかく見どころがたくさんあって大忙しなんですよ。

橘慶太:それは嬉しいなぁ。僕、ブルーノ・マーズを観に行ったとき、まさにその状態だったんですよ。なので、いまの言葉は最上級の褒め言葉としてなによりも嬉しい言葉です。

──話が少しそれてしまったのでシングルの話に戻して。次は歌詞についてなのですが、この曲のなかで“時代の異端児”という歌詞があります。さっきも異端児のお話はしましたが、歌詞にも出てくるということは自覚があるということなのかと。

橘慶太:ありますね。……あ、僕たちっていうのは間違いですね、涼平君はまともなので。

千葉涼平:「w-inds.のまともなほうです」。

橘慶太:じゃあ僕は「w-inds.のおかしいほうです」。

──(笑)。異端児はその時代の寵児になったりすることもある訳ですけど、w-inds.の異端児っぷりは時代を越えすぎてて、早すぎて「惜しいな」と思うことがあったんですよ。

橘慶太:ハハッ、自分たちでも思います。いろんな人に「いつも早すぎるんだよ」って言われます。

──古い話ですけど、BIGBANGのG-DRAGONさんとのコラボ(「Rain is Fallin’」)も、あと2~3年遅かったらもっとすごいことになっていましたからね、きっと。

橘慶太:僕もいろんな人にタイミングが早すぎたって怒られました。でもそうするとあれだけパフォーマンスがよくて、どう見たってカッコいいんだから、売れるのは最初から分かりきっていたことだろうと。そういう言葉を返したくなってしまうので、やはり僕は異端児なんだと思います(笑)。

──そして、このシングルに続いて、アルバム『Beyond』のリリースが控えているw-inds.。発売日は3月14日。ホワイトデー、どんなプレゼントを届けてくれるのでしょうか?

橘慶太:僕たちもまだ分からないです。まだ完成していないんです。

──ええーっ!

橘慶太:ただ今回はライブを見据えた作品になると思います。バンドとダンスで今までの集大成を2人の新しい門出として魅せたライブを行ったので、次はバンドサウンドではなくて、ヒップホップやダンスの要素を入れたダンサブルなライブにしたい。そこは1つテーマにはなるかもしれないですね。また新しいw-inds.をお見せできる作品にしたいです。

──分かりました。では最後に、読者のみなさんに一言お願いします。

千葉涼平:2023年もみなさんに喜んでもらえる作品を届けられたらなと思います。お正月終わっちゃったよという気持ちを鼓舞してくれるこの新曲を聴いて、まいっちゃったメンタル、弱くなってしまう自分を吹き飛ばす。そんなエネルギーをもった楽曲なので、聴いて自分のテンションを上げて、またこの1年を頑張ってくれると嬉しいです。

橘慶太:今年で22年目。年齢もいい年齢になって、1年1年を昔以上に大切にしていかないとなという気持ちなので、無駄な時間を過ごさず、みんなにいいものを届けるというところにフォーカスしてやっていきたいです。パフォーマンスのことを考えると、あと10年続けるのも難しい話かもしれない。だけど、いまはすごくいいパフォーマンスができていて、20年経ってこれができてること自体が自分にとっては感慨深いこと。現在のいいパフォーマンスをなるべく長く続けられるように、そして、いいものをみんなに届けられるようにこの1年を大切にしていきたいと思います。

取材・文◎東條祥恵

w-inds.15thアルバム

2023年3月14日(火)
配信リンク:https://w-inds.lnk.to/15thalbum
特設サイトURL:https://ps.ponycanyon.co.jp/w-inds/15thAL/

■Special Book盤 [CD+Blu-ray+PHOTOBOOK]
SCCA-00142 / 税込8,800円

■Special Book盤 [CD+DVD+PHOTOBOOK]
SCCA-00143 / 税込7,700円

■初回限定盤 [CD+Blu-ray]
PCCA-06186 / 税込4,400円

■初回限定盤 [CD+DVD]
PCCA-06187 / 税込4,000円

■通常盤 [CD only]
PCCA-06188 / 税込2,750円

Special Book盤予約受付期間:2022年12月18日(日)19:00〜2023年1月21日(土)23:59
※ご予約いただいた方のみの完全受注限定商品となります。
※予約締切日以降の販売予定はございませんのでご注意下さい。
※Special Book盤はポニーキャニオンショッピングクラブ、PONYCANYON SHOP、魔法集市限定販売となります。全国CDショップ等での販売はございません。
※予約購入先着特典は、Special Book盤は付与対象外となります。予めご了承下さい。

■収録内容
[CD]
後日発表
全10曲収録予定
[Blu-ray/DVD] ※Special Book盤、初回限定盤のみ付属
後日発表
※収録内容は変更になる場合がございます。

ご予約はこちらから:
https://w-inds.lnk.to/15thalbum
Special Book盤のご予約はこちらから:
https://ps.ponycanyon.co.jp/w-inds/15thAL/
Special Book盤予約受付期間:2022年12月18日(日)19:00〜2023年1月21日(土)23:59
※価格、収録内容共に予告なく変更する事が御座います。

■法人別特典
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※一部店舗に取扱いのない店舗がございますので、ご予約・ご購入時にご確認ください。
※ECサイトでご予約の場合、特典付き商品をご希望の場合は必ず特典付きカートからご注文下さい。
※予約購入先着特典は初回限定盤、通常盤のみ付与されます。Special Book盤は付与対象外となります。予めご
了承下さい。
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