【ライヴレポート】michi.、ソロ始動ワンマン<Caramel Vox REBOOT>に「今の俺を作り上げてくれた足跡」

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ソロ名義での活動を始動したALICE IN MENSWEARのmichi.(Vo)が1月14日、東京・羽田TIAT SKY HALLにて有観客&配信アコースティックライヴ<Caramel Vox REBOOT>を開催した。

◆michi.(ALICE IN MENSWEAR) 画像

S.Q.F時代よりライフワークのひとつとして主宰してきたアコースティックイベントが<Caramel Vox>だ。再起動を意味する“REBOOT”が加えられたのは、初のmichi.名義でのライヴだから。MCや先ごろ公開したソロ始動インタビューでも触れていたが、ALICE IN MENSWEARを組むことになったキッカケが同イベントにサポートギタリストとしてKOJI(G)が参加したこと。<Caramel Vox>シリーズにレギュラーとしてサポートを務めてきたRookie Fiddler(Key)を迎え、羽田空港国際ターミナルの4階にあるホールが選ばれたのも新たな出発にふさわしい。

シルクハットにサングラスのグラマラスなファッションのRookieがキーボードに向かい、ストライプのシックなスーツに鮮やかな赤い布をあしらったmichi.が静かに登場。本公演は彼の軌跡を辿るようなMASCHERA、S.Q.F、ALICE IN MENSWEAR時代のセルフカバーで構成されるとあらかじめ予告されていたが、思いがけないサプライズも含め、全17曲が演奏された。



幕開けは躍動感と透明感を合わせ持つS.Q.F時代の楽曲をアコースティックアレンジした「pixie」だ。愛した人への想いをかみしめるように丁寧に歌うmichi.。その切なくどこか幻想的な世界に冒頭からひきこまれる。michi.の原点であるバンド、MASCHERAのナンバーをバラードにした「ゆらり」から、場内からハンドクラップが沸き起こったMASCHERA時代の「to fly high」へ。michi.のファルセットが美しく“楽園に咲く花を見に行こう この翼が折れてしまうまで”という歌詞が空港というシチュエーションにピッタリだ。温かく力強い拍手が会場を包む。

「みなさん、<Caramel Vox REBOOT> in 羽田TIAT SKY HALLにようこそ! michi.です。今日、この素敵な空間でご来場の皆さまも、配信をご覧の皆さまも、この場所から全世界に愛を届けたいと思います。最後まで、どうぞお楽しみください」──michi.


MASCHERAのセルフカバー「powder」は雪が降る演出の映像をバックに歌われ、S.Q.F時代、MASCHERA時代の楽曲が披露されていく中盤までのセットリスト。Rookieのピアノのタッチは曲によって表情を変え、michi.の息遣いまで伝わるボーカルに聴きいってしまう。インタビューで<Caramel Vox>では“どうぞ酔いしれてください”という心の準備をしてステージに向かうと語っていたが、まさにmichi.の世界観に浸れるアクトだ。

グリーンの照明がステージを包んだ「Lasting…」はテンポアップした緩急のあるアプローチで届けられ、ピンクの照明へと色を変えた「LOVE ME」は軽快なアレンジ。愛があれば、どんな時代も乗り越えていけるとメッセージする開放感のあるナンバーを届けるmichi.から微笑みがこぼれ、ひときわ大きな拍手が響いた。



「初めての羽田TIAT SKY HALL、記念すべきmichi.ソロ。スタートを切ることができて本当に嬉しいです。どうもありがとう。コロナ禍もあったし、空港に来る機会から遠ざかっていた期間も長かったですが。しかもここは国際線ターミナルだからね」──michi.

ライヴ運びでほぐれた空気の中、「雨止んでた?」と客席に話しかけたmichi.は、下見でこの会場を訪れた時に展望デッキに行き、最近ハマっているカメラで飛行機の写真をたくさん撮影したと笑顔。そしてSKY HALLを紹介してくれたRookieに感謝して、次のセクションへと繋げた。


「今の俺を作り上げてくれた足跡となるような楽曲を聴いていただきました。ここからはALICE IN MENSWEARコーナーに行きたいと思います」──michi.

ハンドクラップの中、歌い方をガラリと変え、椅子に座りながら身振り手振りを混じえて歌ったのはセクシーなナンバー「Pre-TEA PARTY」が客席を陶酔させる。「女神」ではバックに月が映し出され、Rokkieのピアノがフィーチャリングされたアレンジの中、澄んだ歌声を響かせた。レンジの広い音域のみならず、michi.の表現力の豊さに惹きつけられる。「ALFHEIM」では繊細なヴォーカルとピアノが寄り添うように届けられた。



「今日もいつになく気持ちよく歌わせていただいております。楽しい時間はアッという間で、ここからは駆け抜けるブロックに入っていきたいと思います。アンプラグド的なバンドスタイルでは盛り上がったパフォーマンスがあると思いますが、2人でもアゲアゲなアレンジで、最後は駆け抜けて盛り上がっていきたいと思います」──michi.

ライヴは後半戦に突入。“春を追いかけていこう”と歌う疾走感のあるキャッチーな「Winter Express」では笑顔を浮かべて投げキッス。照明がイエローに変わり、「東京デリシャス」ではシャッフルのリズムの中、モダンレトロな世界で盛り上げ、michi.も椅子から腰を浮かせてパフォーマンス。S.Q.Fのセルフカバーを2曲続けて届けた後は青空を背景にALICE IN MENSWEARの「アビエイターズ -飛行少年A to Z- 」で空へと舞い上がるような歌と演奏が、羽田空港という場所柄、イマジネーションを加速させる。


「ありがとうございます。最後の曲となります」──michi.

そう告げて歌ったのは希望を浮かび上がらせると同時に、今聴くとKOJI不在の儚さも感じさせるmichi.作曲のALICE IN MENSWEARのバラード「遥カナ航跡」だった。そして本編が終了。大きな拍手の中、立ち上がってmichi.は頭を下げ、そのまま言葉を紡いだ。

「実はさっきの曲で、いつもなら一旦バックステージに戻って、喉を潤したり、気持ちを立て直したりして、それからアンコールに臨むんですね。そのプロセスも大事なんですけど、今日は一旦戻る時間を惜しんでも、初のmichi.としての記念すべきステージで1曲でも多くみんなに届けたいということで。今日はこのままアンコールに突入したいと思います」──michi.


“ステージをはけて、一呼吸置くプロセスも大事だけれど、今日は特別”というニュアンスを伝え、アコースティックライヴの素晴らしさ、<Caramel Vox>で共演したからこそKOJIとALICE IN MENSWEARを結成できたことを話し、michi.は自分のルーツであるロックスタイルのことにも言及。8月5日に赤羽ReNY alphaで、ソロmichi.としてのバンドスタイルでのワンマンライヴ(配信あり)を開催することを発表した。

「一歩一歩形にしながら、自分のペースで無理なく、みんなに心配かけることなく、地に足をつけて歩いていくので、どうぞ安心してついてきてください。どうしても1曲届けたい、歌いたい曲があったので、アンコールで引っ込む時間を惜しんでも、1曲増やさせていただきました」──michi.

そんな言葉に続いて披露されたのは1999年にリリースされたLa'cryma Christiのシングル「Without you」のカバーだった。大切な人との別れ、喪失感を綴ったKOJI作曲のナンバーを万感の想いを込めて歌うmichi.に、会場からはすすり泣く声も聞こえてきた。



「最後にS.Q.Fで最も大切に歌わせていただいた曲のひとつで締め括りたいと思います」という言葉とともに贈られたmichi.の決意が秘められたような「太陽」がラストナンバーだった。すべての演奏曲を終え、センター、上手、下手で丁寧にお辞儀をし、ファンに拍手を送ったmichi.。客席が明るくなり、終演のアナウンスが流れるまでアンコールを求める拍手は鳴り止まず、ソロとしての新たなスタートをいつまでも祝福していた。

取材・文◎山本弘子

■<michi. ソロアコースティックライブ「Caramel Vox REBOOT」>2023.1.14@羽田TIAT SKY HALL

01. pixie / S.Q.F
02. ゆらり / MASCHERA
03. to fly high / MASCHERA
04. powder / MASCHERA
05. FLOWERS / S.Q.F
06. TRUTH IN THE STORMY GARDEN / MASCHERA
07. Lasting… / MASCHERA
08. LOVE ME / S.Q.F
09. Pre-TEA PARTY / ALICE IN MENSWEAR
10. 女神 / ALICE IN MENSWEAR
11. ALFHEIM / ALICE IN MENSWEAR
12. Winter Express / S.Q.F
13. 東京デリシャス / S.Q.F
14. アビエイターズ -飛行少年A to Z- / ALICE IN MENSWEAR
15. 遥カナ航跡 / ALICE IN MENSWEAR
encore
16. Without you / La'cryma Christi
17. 太陽 / S.Q.F

■<michi. ソロアコースティックライブ「Caramel Vox REBOOT」>配信情報

2023年1月14日(土) 東京・羽田TIAT SKY HALL
会場:open16:15 / start17:00
配信:start16:50
出演:michi.
サポート:Rookie Fiddler (Keyboard)


▼配信チケット
購入期間:2023年2月12日(日)22:00まで(B-1除く)
B-1:ライブ配信チケット+3日間 (1/17(火)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥5,000(税込)+ZAIKO手数料
B-2:ライブ配信チケット+30日間 (2/12(日)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥6,500(税込)+ZAIKO手数料
B-3:ライブ配信チケット+DVD盤 ¥9,000(税込)+ZAIKO手数料
B-4:ライブ配信チケット+DVD盤+CD ¥12,000(税込)+ZAIKO手数料
B-5:ライブ配信チケット+Blu-ray盤 ¥10,500(税込)+ZAIKO手数料
B-6:ライブ配信チケット+Blu-ray盤+CD ¥13,500(税込)+ZAIKO手数料
B-7:ライブ配信チケット+アーカイブデータ+DVD盤+CD ¥16,000(税込)+ZAIKO手数料
B-8:ライブ配信チケット+アーカイブデータ+Blu-ray盤+CD ¥17,500(税込)+ZAIKO手数料
https://unitedproducts.zaiko.io/item/352737

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