【インタビュー前編】クマリデパート「聴き込んだら聴き込んだ分だけ発見があるような楽しいアルバムです」

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サクライケンタがプロデュースを務める6人組の王道アイドルグループ・クマリデパートが、ニューアルバム『コスモデパート』を1月31日にリリースした。前作『セカデパ!』から2年ぶりとなる通算3枚目のアルバムには、☆Taku Takahashi(m-flo)や平野レミ、児玉雨子やMOSAIC.WAVなどが参加したシングル曲に加え、サクライ×玉屋2060%(Wienners)によるハイパーポップな楽曲や若手シンガーソングライターのあぶらこぶによるテクノポップ、NARASAKI作曲のスペーシーなラブソングなどの新曲を収録。バラエティに富んだ楽曲群の中でそれぞれのお気に入りはどの曲なのか?  2023年3月に開催される初の日本武道館公演への意気込みも含め、早桜ニコ、優雨ナコ、小田アヤネの3人に話を聞いた。まずは前編インタビューをどうぞ。

■クマリデパートの曲は今日1日頑張ろうかなって思えるし
■嫌なことがあったりネガティブになっているときには寄り添ってくれる


──ニューアルバムが完成しましたね。

早桜ニコ(以下、早桜):最初のアルバムが『ココデパ!』で、2作目が「セカデパ!」だったので、次のタイトルはどうなるんだろう? っていうワクワクがメンバーの中でもあって。どんなデパートでくるのかと思っていたら、コンセプトである「世界のこころのデパート」を超えて、ついに宇宙にまで行っちゃいました。

小田アヤネ(以下、小田):世界=地球から宇宙へとどんどんスケールアップしていて。新曲もたくさん入っていて、全部違う曲調なんですけど、どれを聴いてもクマリデパートになっています。本当に宇宙旅行してるみたいな気分で、いろいろなところに飛んでいって、いろいろな音を楽しんでもらえる、ボリュームたっぷりのアルバムになったと思います。

優雨ナコ(以下、優雨):すごくバラエティー豊かで、1曲目からワクワクした気持ちになれると思うので、まずはアルバムの最初から一通り聴いてもらえると、クマリデパートがどういうグループなのかがよくわかると思います。誰が聴いても刺さる曲が1曲は絶対にあるし、聴き込んだら聴き込んだ分だけ発見がある、楽しいアルバムになっていると思います。


▲3rd album『コスモデパート』【初回限定盤】


▲3rd album『コスモデパート』【通常盤】

──今、優雨さんからこのアルバムでクマリデパートがどんなグループかわかるとありましたが、それぞれはどんなグループだと感じてますか。

早桜:とにかく楽しくて、キラキラしていて、かわいい。私の好きな要素が全部詰まっているグループです。見ているだけで自分でも元気になるようなパワーがあるグループだと思っています。

優雨:クマリデパートの曲は、例えば朝の通勤通学時間に聴くと、今日1日頑張ろうかなってちょっと思えるし、嫌なことがあったり、ちょっとネガティブになっているときには寄り添ってくれる。自分で聴いてもそうやって思える曲が多いので、どんな気分のときに聴いても寄り添ってくれるグループだなと思っています。

小田:幸せを具現化して肉をつけたようなハッピーな6人が集まっていて。なかなかこんなふうにメンバーカラーがはっきりしていて、こんなに個性が爆発しているアイドルグループっていないと思うんです。私は、クマリが一番個性あるんじゃないのって思っているし、自分でも幸せになれるので、ハッピーで笑顔になるような要素をお届けできるのがクマリデパートかなって思っています。


▲早桜ニコ

──確かに、このニューアルバムを聴いていて、自然と笑顔になるなと実感しました。かなりバラエティに富んだ15曲が収録されていますが、それぞれのお気に入りを1曲ずつあげてもらえますか。

早桜:一回、せーので言ってみる?

優雨:ちょっと待ってね。迷うなー。

小田:今、2つのどちらかで迷ってる。

早桜:じゃあ、いくね。せーの……。

優雨&早桜: 「宇宙の果て」。

小田:「豆まき」。

早桜:じゃあ、私は「サイエンス」にしょうかな。

──(笑)では、優雨さんのおすすめ曲「宇宙の果てで恋をした」から聞かせてください。

優雨:作曲・編曲がNARASAKIさんで、サクライケンタさんが作詞です。サクライケンタさんはクマリデパートの曲でいつもふざけちゃうんですけど(笑)、サクライさんが「真面目に歌詞を書きました」って自分で言うくらい、気持ちを込めて書いてくれて。クマリデパートにしては珍しい曲調で、音はすごく綺麗で壮大なんですけど、歌詞は切ない感じがしていて。何回聴いても飽きないくらいお気に入りの曲です。

──歌詞はどう捉えましたか? ラブソングですよね。

優雨:ラブソングなんですけど、規模がデカイですよね。遠い遠い思い出みたいな感じなのかなって。二度と戻れない相手の幸せをずっと願っているのかなって勝手な解釈をしています。

早桜:この曲はNARASAKIさんにディレクションをしていただいたんですけど、さおにこはテンションが高いと声が騒がしいていうか(笑)。ワイワイした曲の方が得意かと思いきや、意外とこういう、ちょっとしっとりした感じの方が声に合ってるのかなって自分でも思ったりして。NARASAKIさんにレコーディング中に何回も「すごい素敵」っていうお言葉をいただいて。それで気持ちも乗ってきて、すごく上手に歌えたと思いますし、今回、初めてハモを結構長く歌っていて。<さおゆう>は1期で同期なんですけど、ハモで一緒に歌うところがあって嬉しかったですね。

優雨:今回のアルバムでは結構いろいろな曲でハモに挑戦しているんですけど、この曲では2Bの<誓った約束 いま 叶ったかな>のところで二人でハモっていて。

早桜:しかも、ここの振り付けは、二人で手をつないで、私が優雨ナコの手を引っ張っていくっていう。

優雨:振り付けも含めて、すごくいいよね。

早桜:クマリデパートっぽくないのよ。

優雨:ぽくはないけど、大きく見たらやっぱり幸せを願ってるんですよ、私達は。


▲優雨ナコ

──お二人で歌って、何か思い出しましたか?

早桜:なんかちょっと恥ずかしいです、ここ。あはははは。

小田:ほんと、ラブラブしちゃって~。

早桜:初期曲の「いくじなし」でさ、<二人で誓った約束>っていう歌詞があるじゃん。

優雨:ほんとだ! すごい!!  特に約束はしてないけど、「クマリデパートでデカくなりたいね」って言っていて。

早桜:そうだね。ずっと一緒にいるもんね。私は初期から歌っていた曲を思い出しました。でも、この曲、難しいんですよ。

小田:私もこれぞクマリデパート! みたいなテンション高めの曲の方が得意だと思っているので、難しかったです。NARASAKIさんに「優しく歌いつつも、しっかり気持ちを持って」っていうディレクションをしていただいて。そういう歌い方で表現することにすごく苦戦したんですけど、めちゃめちゃ優しくディレクションしていただいて、すごく良い曲になったので、感動しています。

早桜:完成版を聴いたときに、どんどん音が追加されてパワーアップしていって。自分で聴いていてもすごく気持ち良いです。

小田:特に私は間奏のギュイ~ンっていうギターが気持ち良くて。ただしんみりだけじゃないなって思いました。

──そんな小田さんの推し曲は、やっぱりテンション系なんですね。

小田:「豆まきパラダイス」か「サイエンス倶LOVE」で迷ったんです。「豆まきパラダイス」は最初にデモをいただいた段階で、めちゃめちゃかわいい曲だって思っていたら、サクライさんの詞がついて、まさかの豆の曲になって戻ってきたっていうインパクトがすごくて。

早桜:メンバーとサクライさんで「季節ソング、何がいいかな?」っていう話をしていて。アルバムのリリースが2月頃だから、「豆まきかな?」っていう話をしたんですよ。


▲小田アヤネ

──いや、アイドルグループはまず、バレンタインじゃないですか!

早桜:あはははは。

優雨:提案はしたんです。バレンタイン、クリスマス、ハロウィン……。いろいろな行事を言ったけど、サクライさんに引っかかったのが「節分」だったっていう。

小田:そういう経緯があって、お豆の曲になったんですけど、歌詞が突拍子もなくて。私が一番衝撃を受けたのは、<初めて知らない人に豆を投げつけて。/勇気で世界が変わる。/人生そんなもんじゃない?>ってところ。これ、すごくないですか? 初めて知らない人に豆を投げつけることをこんなにかわいく歌詞に取り込めて、それを歌にできて、しかも、踊れるっていうのがすごく楽しくて。

早桜:そこで<えい!ええい!えい!>って私が言うセリフがあるんですけど、元々は<はい!ははい!はい!>だったんですよ。「さおちゃんがもし豆を投げるなら、なんて言う?」って聞かれて。「えいです」って答えたら、こうなりました。

優雨:フリでは、小田と早桜が豆を投げているよね。二人が知らない人に豆を投げて、他のメンバーはどうしよう? って戸惑っているフリをしています。ただ、この曲、楽しくて明るいだけじゃなく、歌詞もすごいんですよ。<君の心のセンターに豆を投げたい。>って普通に生きていたら思いつかないじゃないですか。だから、歌詞すご! っと思いながら読んでいて。さらに、意味がないと思いきや、ちゃんと良い歌詞でもあって。だから。ライブで楽しむだけじゃなくて、歌詞カードもしっかりと読み込んでほしいですね。例えば、<今ほら叶えたい夢と青春がある!>とか。ここは、みんなで夕日に向かって走っているフリになってるので、良かったら、皆さんも夕日に向かって一緒に走って欲しいです。

──みなさんが叶えたい夢を聴いてもいいですか。

小田:私はずっと言ってるんですけど、クマリデパートで大きなロックフェスに出るのが夢です。アイドルっていう文化を知らない方でも一緒に楽しめるようなライブができたらいいなって思っています。

優雨:夢はあまりないんですけど、目標で言ったら、クマリデパートをみんなが知っている存在になりたい。会社や学校で、誰かが口ずさんでいたら、「それ、クマリデパートの曲だよね?」ってわかるくらい。「クマリデパートの水色の子の声がかわいいよね」とか、「赤の子のダンスすごいよね」とか。

──ピンクの子は?

小田:「ピンクの子、顔面強すぎじゃない?」 みたいなね。

優雨:恥ずかしいな、なんか(笑)。でも、そういう会話が日常で自然発生するようなグループになりたいなっていう目標があります。

早桜:それをひと言で言うと、「お茶の間アイドルになりたい!」ってことですね。メンバーの話題にも出てくるんですけど、本当にそれが夢で。お茶の間アイドルっていうくらい、みんなが知っているような、愛されるグループになりたいし、いつかアニメのエンディングもやりたいです。

──そんな早桜さんには、3人とも候補に挙げていた「サイエンス倶LOVE」の解説をお願いします。

早桜:テクノポップ調なんですけど、ちゃんとしたテクノポップのように歌いすぎずに、「クマリデパートっぽく歌って」っていうディレクションのもとで歌った曲です。

優雨:クマリデパートなりのテクノポップだったり、クマリデパートなりのK-POPみたいなイメージだったり。どこまでクマリデパートに落とし込めるかみたいなところも、今回のアルバムで挑戦していて。「サイエンス倶LOVE」のような雰囲気の曲はクマリデパートにはあんまりなかったんですけど、私も曲調がすごく好きです。ずっと聴いていられるなって思う。

早桜:ね! あぶらこぶさんの仮歌を聴いたときからすごく好きだなって思ったし、歌詞も1回聴いただけなのに、<サイエンスク倶楽部LOVE>が頭から離れなくて。<LOVE>っていうワードがすごく好きで、それがいっぱい出てくるのが個人的にもラブでした。歌詞、めっちゃかわいいんですよ。<ドキドキしてしまうんです>とか。

小田:あと、ビーカーが割れる音や沸騰する音が入ってるところも聴いてて楽しい。

早桜:最近の流行りのサウンドだと思うんで、TikTokとか、若い子にも刺さるんじゃないかなってちょっと期待をしている曲になっています。

優雨:あぶらこぶさんはすごく若い方で、クマリの作家さんの中で多分最年少なんですけど、若い方が書いた歌詞のかわいさにキュンとします。かわいいなって思うのと、韻を踏んでるのも気持ち良くて。なんか口ずさみたくなります。

早桜:わかる。サビとかさ、サラサラ流れてくるような歌詞が好き。歌っていて気持ち良い。

小田:優雨ちゃんの声質とすごく合ってるよね。

早桜:私が初めて聴いた時もそう思った。合ってるよ。

優雨:サクライさんにも「優雨ナコ、今までのクマリデパートの曲、全部合わせても、これが一番合ってる」って言われて。7年やってて? 本当に!? と思いましたけど(笑)、嬉しいですね。

取材・文:永堀アツオ

※アルバムインタビューの後半は後日公開予定


▲楓フウカ


▲山乃メイ


▲七瀬マナ

リリース情報

3rd album『コスモデパート』
2023年1月31日(火)発売
■通常盤<CD Only>
品番:MUTE-0081
価格:\2,200(税込)
■初回生産限定盤
<CD+アクリルスタンド>(タワーレコード限定)
品番:MUTE-0082
価格:\4,400(税込)

1.おいでよコスモデパート
2.2060年チェリーブロッサムの旅
3.豆まきパラダイス
4.あみだ☆ふぉーちゅーん
5.幸せハッシン!フロムキッチン
6.“なっちゃうよ”になっちゃうよ?!
7.サイエンス倶LOVE
8.止まらない!ト・マンナヨ!
9.Furniture Girl
10.私と僕らの十字キー
11.ククククマリデパート
12.限界無限大ケン%
13.宇宙の果てで恋をした
14.アンサー!! (6 people Ver.)
15.シャダーイクン (6 people Ver.)

ライブ・イベント情報

<クマリデパートのおいでよ!日本武道館!>
3月30日(木)日本武道館公演

<クマリデパートの惑星探索ツアー!-目指すはでっかいスケールへ!->
2月23日(木祝) 水戸ライトハウス 開場16:30 / 開演 17:00
2月26日(日) 新潟NEXS 開場16:30 / 開演 17:00
3月4日(土) HEAVEN'S ROCK熊谷VJ-1 開場 17:30 / 開演 18:00
3月11日(土) HEAVEN'S ROCK宇都宮VJ-2 開場 17:30 / 開演 18:00
3月18日(土) 郡山HiP SHOT JAPAN 開場 17:30 / 開演 18:00
3月21日 (火祝) LIVE ROXY SHIZUOKA 開場 16:30 / 開演 17:00

<続・おいでよZeppデパート!>
2月24日(金) Zepp DiverCity 開場18:00 / 開演19:00
出演: クマリデパート / femme fatale
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