【連載企画】「レコードショップができるまで」第三弾「若いクリエイターたちの刺激になるようなものを用意したい」

「ギンザレコード」をはじめ音楽関連事業を行う株式会社マッチファインダーが、都内で個性豊かな飲食店を手掛けるCLASSIC INC.、そして店舗の空間プロデュースのHajikami Inc.がタッグを組み、東京・蔵前に誕生した、音楽とともにスイーツやアートが楽しめる5階建ての複合施設。今回の「レコードショップができるまで」第三弾では、1月27日（金）にグランドオープンを迎えた、その施設の完成をレポートしよう。

◆ 「レコードショップができるまで」 関連画像


これまで「都内某所（近日公開！）の“とある施設”」として紹介してきた施設がついに完成、お披露目となった。カフェに加え、音楽やアートが楽しめる５階建ての複合施設は、“ビル全体を音に包む”をコンセプトに、ラグジュアリーオーディオを各階に設置。リスニングルームのように音楽が最大限引き立つ上質なリラックス空間となっている。また音響はすべてギンザレコードを運営するマッチファインダー社がプロデュース。自宅ともマイ・ヘッドフォンとも一味も二味も違う、極上のリスニング体験が気軽にできる場所と言えるだろう。



１階は「クラマエカヌレ」。併設された工房で焼き上げる、焼き立てのカヌレやカヌレに合わせたソフトクリームなどテイクアウト販売しているカウンターとなっており、購入したカヌレを食べられるベンチスペースも用意されている。




２階は「クラマエカヌレ カフェ」。こちらは１階のクラマエカヌレの素材すべて最高級品にグレードアップし、プレミアムなカヌレを提供するカフェ。フレンチのシェフが開発したオリジナルスイーツプレートも食べられる。なお、こちらにセッティングされているのは亡くなったプリンスやボズ・スキャッグスなどが愛したプロフェッショナルオーディオ「TAD」。３階のギンザレコード クラマエで購入可能だ。
※Disc Player TAD-D1000 231万円／Power Amp TAD-M2500 220万円／Speakers TAD-CE1TX-WN 327.8万円／TAD インターコネクトケーブル162,800円　（ディスクプレイヤーとアンプをつなぐもの）／TAD スピーカーケーブル　308,000円／USBケーブル audioquest USB2/DIA 83,600円（PCとディスクプレイヤーをつなぐもの）




そして３階が「ギンザレコード クラマエ」。銀座・阪急メンズ館の「ギンザレコード」、2店舗目となるレコード店だ。ちなみに５階はギャラリースペースとなっている。


そして話は、お披露目の数日前に遡る……。

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──ギンザレコード クラマエでは何枚くらいのレコードを取り扱う予定でしょうか？

新川宰久（株式会社マッチファインダー）　売り場自体は5,000枚くらい入ります。

──ジャンル的には銀座店と特に変わらないそうですが、蔵前だから特にこれをやるみたいなことはありますか？

新川　オープン前ということもあって、今のところ考えてないですね。

──こちらの店舗の客層はどんな感じになりそうですか？

新川　この辺に住んでいる方が多くなると思うので、渋谷、新宿に行ってわざわざレコードを買ってた人たちがこっちにも寄ってくれるかも、というのはあります。割とカフェがあったり、クラフトマンがいるような街で……それに地元の人がいる。そういう人たちだから、最初は“レコードレコード”してる感じでもない。カフェに入ってきたら偶然レコードがある、そういう意味ではオーディオに関しては銀座と変えます。基本的にレコードって左右2チャンネルで鳴らすことを考えてると思うんですが、ここではあえて空間オーディオ系をやりたいと思ってるんです。Apple Musicなんかを見てると空間オーディオがかなり出てきていて、Dolbyアトモス対応のものも増えている。ただ現状、日本のお店ってそこまで見せきれてないと思うんですね。そういうのをプロモーションして若いクリエイターたちの刺激になるようなものを用意したいなと。

なぜそこに辿り着いたかというと、配信はデータです。データってことはいかようにもできる時代。情報としてのマルチチャネルみたいなものは最初から作り込みやすい。Dolbyアトモスはひとつの模範だし、それを若いクリエイターたちに見せたい。その対局にあるのが、左右でどこまで追求できるか。このお店ではそのふたつを見せられるようにしたい。そうするとマルチチャネルから入った人も、レコードに興味を持ってもらえるかもしれないし。そういうシナリオですね。

──どんな人に遊びに来てほしいですか？

新川　このあたりで働いている方々……職人さんが多いので、そういう感性が優れている方々に来てほしいし、学生さんもいるのでぜひ足を運んでほしいですね。

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蔵前にできた“音”を軸にした複合施設。これからどんなクリエイターやアーティスト、職人が集まり、どんなカルチャーを生み出していくのか、興味のある人はぜひ一度足を運んでいただきたい。


◆「クラマエカヌレ」 Instagram
◆「ギンザレコード クラマエ」 Instagram