【インタビュー】徳永ゆうき、10周年記念アルバム『徳永がくる』は「挑戦していくぞ!っていう決意表明」

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歌手デビュー10周年を迎える徳永ゆうきが2月1日、10周年記念アルバム『徳永がくる』をリリースする。演歌・歌謡曲の歌い手としてのみならず、ドラマ、映画、舞台でも活躍する徳永だが、最近ではバラエティ番組『千鳥の鬼レンチャン』での卓越した歌唱力とユーモア溢れるキャラクターで人気となり、先ごろついに鬼レンチャンを達成(1音も外すことなく10曲のサビを歌いきること)して話題を集めたばかり。

◆徳永ゆうき 画像 / 動画

その人気や話題性の高さは彼の豊かな人間性に依るところも大きい。しかし、注目すべきは演歌歌手にして、軽々とジャンルを飛び超える彼の歌にある。そして完成したアルバム『徳永がくる』は、新曲「なんとかなるさ」をはじめ、つんく♂が作詞作曲を手掛けた楽曲などアルバム未収録既発曲ほか、バラエティーに富んだカバー4曲を収録。“演歌と若者の架け橋”を担うという自身のテーマを実践するかのごとく、歌手としての懐の深さを堪能できる全9曲だ。また、インパクト大なタイトル、そしてジャケット写真は、徳永らしいチャーミングなもの。インタビューも実に真摯にユーモアを交えて語ってくれた。

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■『鬼レンチャン』で歌ったものも
■ほとんどの曲でコブシが入ってる

──デビュー10周年ということで、ご自身のキャリアを振り返る機会も多いと思いますが、率直にどんな思いがありますか?

徳永:“あっという間だったな”って思います。デビューしたての頃は、「10年、20年はあっという間やで」ってよく言われてて、「いや、10年は10年やろ」って思ってたんですけど、いざほんまに10年経って「振り返ってみてください」と言われたら、「あっという間やな」って(笑)。そこで初めて、周りの皆さんが言うてる言葉の意味がわかりました。

──デビュー当時は、“10年後、こうなってるだろうな”とかヴィジョンはありましたか?

徳永:僕自身もそうですけど、両親も、ここまで続くとは考えてなかったと思うんですよ。この間、ちらっと両親とその話をしたら、「3年ぐらいで帰ってくるやろ、と思ってた」って父が(笑)。デビューしたからといって、必ず花が咲くかといえば、決してそうではないと思いますし。僕自身、下積み時代が長いであろうことや、なかなか芽が出ない厳しい世界だということを知った上で、この世界に入ったんですね。そんな中で、ここまで10年やってこられたというのは、自分で言うのもなんですけど、“よくやってきたな”と思います。


──現在に至るまで、歌のみならず、ドラマ、映画、舞台、そして最近は『千鳥の鬼レンチャン』や『タモリ倶楽部』などバラエティ番組でもご活躍されていますよね。タレント的な存在としても非常に幅広くやってらっしゃいますけど、徳永さんの中では“歌1本で”というよりは、いろんなことに挑戦したい気持ちも当初からあったのでしょうか。

徳永:いや、デビュー当時は“演歌1本、歌1本”という思いが強かったんです。だけど、デビューして年月を経て、“演歌1本、歌1本”でこの時代やっていけるかというと、それも厳しいのかなっていう発見もあったんですね。今は地上波の歌番組も少ない中、“どうやったら徳永ゆうきという存在を知ってもらえるんだろう”というジレンマもあったんです。なにかきっかけを模索する中で、お芝居やバラエティ、それに僕には鉄道ファンという強みもあるので……撮り鉄です(笑)。とにかくいろんな番組に出演させていただいて、まずは徳永ゆうきという存在を皆さんに知っていただけたらなって思いもあったんです。今もまだまだ、いろいろなことにチャレンジせなあかんなっていう思いがありますね。

──お正月には、以前から出演しているバラエティ番組『千鳥の鬼レンチャン』で、見事“鬼レンチャン”を達成しました。この快挙はWEBニュース等でも話題になりましたが、いかがでしたか?

徳永:自分でもびっくりしました。番組に初出演当時は、“アウェイか!?”っていうぐらいの空気感でしたし、緊張感もすごかったんです。福山雅治さんの「家族になろうよ」を歌ったときに8文字目ぐらいでアウトなったんですけど、こういう歌番組に初出演だったので、正直、“アウトになっても、もう一回くらいやるんちゃうか”と思っていたんですよ。だから、“やってもうた!”と思いつつも「もう一回できるんですか?」ってスタッフさんに訊いたら、「いや、ないです。お疲れ様でした」って言われて(苦笑)。そこで“うわ、ガチなんや!”と気づき、“ならば1曲でも多く歌えるようにせなあかんな”とその次以降臨むんですけど、結局3曲とか4曲でアウトになってしまい、そこから先に行けずじまいで。

──緊張で目を潤ませる“徳永る”というワードも、この番組から生まれました。千鳥さんやかまいたちさんから愛されている証拠でもあるわけですが。

徳永:ははは。そうやって出演回を重ねるうちに、スタッフの皆さんも、「今回は徳永さんの本気見せてくださいよ」とか「鬼レンチャンやりましょう!」って、声を掛けてくださるようになり。徐々に当初のアウェイ感からホーム感が出てきたんです。お正月の放送回もフジテレビさんにカラオケ練習部屋を設けていただいて、めちゃめちゃ練習したんですよ。鬼レンチャンのお題で歌う曲って、ポップス曲ばかりなんですけど、僕は普段から演歌や昭和歌謡をメインに聴いているので、テンポだったりリズムだったりが馴染みの薄いものだったり、最近の曲だとキーが高かったりとか。そういうところもあり、すごく難しいなと思って。頑張って覚えてなんとか鬼レンチャンを達成できてホッとしました。自分でも驚きましたけど。


──放送はこの取材の10日ぐらい前でしたけど、現在周囲の反響ってどうですか?

徳永:全然やり取りしてなかった友達から「焼肉奢って!」って連絡がきました。

──賞金の100万円目当てですね(笑)。

徳永:「久しぶりのLINEで“焼肉奢れ”ってなんやねん!」みたいな(笑)。あとは家族とか身内からも反響がありました。沖縄に叔母がいるんですけど、たまたまその日は従兄弟とかその子供たち10数人が叔母の家に集まってて。夕食を食べながらみんなで『千鳥の鬼レンチャン』をリアルタイムで観ていたらしくて。その時の動画が送られてきたんですけど、ラストチャレンジとなった10曲目の LUNA SEA「ROSIER」を歌ってるときに、「行くんじゃん!? ゆうき、これ行くんじゃん!?」って声が動画に入ってるくらい盛り上がってて、成功した瞬間みんな「うわーっ!」って、本当にサッカーワールドカップで日本がスペインに勝ったくらいにめっちゃ盛り上がってて(笑)。それに、「感動した」とか「徳永に泣かされるとは」っていう反応がSNSに上がっていたり、本当に嬉しいなって素直に思いました。自分もこんな反響が大きいと思ってなかったので。

──今おっしゃったように、最後に歌ったLUNA SEAの「ROSIER」とかすごかったです。あんなに美しい「ROSIER」は聴いたことないですよ。

徳永:ははははは。

──星野源の「恋」やポルノグラフィティの「アゲハ蝶」なども披露されてましたが、今まで徳永さんの歌を聴いたことがないポップスファンにも徳永さんの存在が広く知られるきっかけにもなったと思います。徳永さん自身にもポップスやロックのリスナーにご自分の歌を聴いてもらいたいとか、演歌と若者の架け橋になりたいという気持ちが以前からあるそうですが。

徳永:はい。小さい頃から僕の両親がよく演歌を歌っていて、それを聴いて僕自身も歌うようになったことが演歌を歌い始めたきっかけなんです。 そのときからもうコブシが回っていたんですよね。だから、いろんなジャンルの曲を歌うときもコブシが入ってしまうのはクセでもあり、強みでもあると思っているんです。今回、『鬼レンチャン』で歌ったものもほとんどの曲でコブシが所々入ってるんですけど、皆さんの反応を見てみると、「ポップスにコブシは新しい!」とか、「徳永さんのコブシは聴いてて気持ちいい」という声をいただくことができたんですね。すごくありがたいことで、ジャンルの壁を超えて徳永の歌だったり演歌をいっぱい聴いてほしいです。

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