【インタビュー】ベリーグッドマン、デビュー10周年を迎えた3人がぶちあげる壮大な夢物語

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さあ、ベリーグッドマン史上最大に濃密な1年の始まりだ。2023年、デビュー10周年を迎えた3人がぶちあげる壮大な夢物語は、シングル、アルバム、47都道府県ライブを経て、最終目的地は11月18日の阪神甲子園球場ワンマンライブ。まるで高校球児のように、汗と涙と笑顔に彩られた波乱万丈の10年間を経て、最高の舞台に上がる準備は整った。甲子園への道をまっすぐに突っ走るRoverとMOCAに話を聞こう。

■今回、ワンマンライブを有観客で大成功させることが
■大きな物語の完結に繋がるのかなという気がします


――今日は情報量が多いのでどんどん行きますよ。今年は結成10周年で、<すごいかもしれん>ツアーが1月に終わったばかりなのに、4月から47都道府県ツアーが発表されて、新曲も出て、アルバムも出て、11月には阪神甲子園球場でのワンマンライブも決まっている。生き急いでいますね(笑)。

Rover:甲子園に向けて生き急いでいます。甲子園に向けて、できることを確実にやっていこうとすればするほど、こういうことになっていきますよね。

――僕が言うのも何ですけども。どちらかというと、あまり先のことは考えずに今を突っ走ってきたグループだと思ってるんですね、ベリーグッドマンって。

Rover:そうですね。

――それが今回は、甲子園に向けて逆算して活動の方針を立てている?

Rover:そうです。甲子園という、5年前の大阪城ホールよりも大きな目標に向かって、しかも10周年という大きい節目なので。スタッフさんも僕たちもすべて、そこに向けてやっている感じです。

――関西人にとって甲子園とは、特にMOCAさんは高校球児だったわけだから、思い入れのある場所なわけですよね。

MOCA:高校野球と阪神タイガースですよね。プロ野球選手は誰もが高校野球を経て、甲子園でのプレーに憧れてやってきて、僕が高校生の時にはその夢が叶ったようで叶ってないというか、チームは3年生の時に春・夏と出場したけど、僕はそこでプレーすることは叶わなかったという、劣等感というか悔しさがあって、それが人生の中心になって、“もう負けたくない”という思いが強かった。そこを思い続けて、こういう形で甲子園に帰ってくるというのは、ほんとうにドラマがあるなというか、甲子園を愛したからこそ17年越しに甲子園に愛してもらえたんかな?と思います。

――それって「夢物語」のリリックそのままですよね。“バットじゃなくてマイク握って、掴んだ17年越しの甲子園”。Roverさんにとって甲子園はどんな場所ですか。

Rover:正直、僕はMOCA程思い入れはないんですけど、ここでライブができたら最高と思っている中の最高峰の場所なので。僕たちのルーツ、環境、人との繋がりも含めて、阪神甲子園球場は、日本武道館よりも強く惹かれる場所ではありますね。

――しかも京セラドームや東京ドームと違って、アーティストのライブはとても少ない場所でもあります。

Rover:そうなんです。Mr.Children、イーグルス、サザンオールスターズ、安全地帯、水樹奈々さん、最近だとあいみょん、MAN WITH A MISSIONとか。

MOCA:たぶん10組いるかいないか。

――めちゃくちゃ貴重な機会。でももう、一回やってるんですよね。2020年に無観客ライブ配信で。コロナ禍で春・夏の甲子園大会が中止になってしまった、高校球児を激励するために。あれはどんな体験だった?

Rover:今思えばかなり大切な経験だったというか、甲子園球場の人たちと心の中でがっちり握手できたのは、あれがあったからかもしれないなと思っています。この人たち(ベリーグッドマン)は本当に野球に対しての恩返しを考えているんだなって、思ってもらえていたらうれしいですね。あの時、高校球児が絶望的な状況に立たされている中で、何かやりたいと思ったことが実現して、僕たちとしては良かったと思います。

MOCA:あの無観客ライブに関しては、複雑な気持ちはありました。配信ライブをしている今、高校球児は練習してるんちゃうかな、チグハグなことをやっちゃってるんじゃないかな、みたいな。でも僕らのプロモーションのためにやっているわけじゃないし、僕らの思いが関係者のみなさんに響けばいいなと思ってやったのが、形を変えて、仙台育英高校の須江監督に届いたりもしたし、不思議な縁を感じます。僕が“こんな時に音楽は無力なのか”とツイッターでつぶやいたのを見てくださって、須江監督が“無力じゃありません。ベリーグッドマンの音楽は生徒のみんなを支えてきました”と。今こそ歌ってください、みたいなことをツイートで返してくださって、その思いを胸にステージに立たせていただきました。

――やって良かったと思います。

MOCA:誰もいないはずなのに、想像ができるというか。ここは毎年のように汗と涙が交錯する場所なんだと、ハイライトシーンが目に浮かぶような、そんな感じはありました。

――それが、今度の有観客ライブへの布石にもなっている。

Rover:阪神甲子園球場でやることは夢だったし、有観客ライブが決定したので、こいつら本気やなと思ってもらえるというか。人って、応援されるより、応援している時のほうが元気だと思うんですよ。なんで僕たちが応援歌を歌うか?というと、人を励ましてきた側だから、ここまで折れずにやってこれたんかなと思うんですね。“大丈夫やで!”って言える人はすごく元気な気がして、だからベリーグッドマンのファンの人たちがめちゃ元気なのも、たぶん、特にヒット曲もないチームを何年も応援してくれて、ベリーグッドマンは絶対何かやってくれるという気持ちで、すごく元気なんですよね。そういうふうに応援し合える関係って、素敵だと思うんです。だから今回、有観客で大成功させることが、もしかしたら、大きな物語の完結に繋がるのかなという気がします。

――10周年の美しい完結。素晴らしい。

Rover:打ち上げ、めちゃ楽しみです。

――あはは。そっちか。

Rover:10周年で、HiDEXの誕生日で、甲子園球場でライブをするんですよ。どこで何を飲めばいいのか。

――知らんけど。でもヒデさんの誕生日って、わざわざ選んだんですよね。

Rover:たまたまです。候補がいくつかあった中の一つでした。でも、すごいことですよね。これもたまたまですけど、5周年の大阪城ホールがMOCAの息子の誕生日で、10周年の甲子園がヒデの誕生日だから、15周年は僕のオカンの誕生日とかになると思います。そんな、記念すべき日になると思います。

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