【インタビュー】巽(XANVALA)、「V系シーンで生きていくことに誇りを持っている」

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2020年1月に結成されたヴィジュアル系バンド・XANVALA (読み:ザンバラ)。

2022年12月より全国ツアー<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」#1>をスタートさせ、1月31日に結成3周年記念も兼ねた同ツアーのファイナル公演<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」#1 "ANNIVERSARY">を渋谷club asiaで実施。本公演をもって、声出しを解禁した。

この後XANVALAは、8月31日に恵比寿LIQUIDROOMで<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」GRAND FINAL>を開催する。このライブに向け様々な行動を仕掛けており、そのひとつが3月29日発売の2ndアルバム『NIX』。そして、『NIX』の会場先行販売も兼ね、3月3日より行う<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」#2 "NIX">だ。

ほかにも2月17日から23日までの期間、東京・神奈川・大阪のTOHOシネマズ全10劇場にて人気アニメ映画上映前にCMを上映するなど、気合が入っている。そんなXANVALAの現在の心境を、巽(Vo)が代表して語ってくれた。

   ◆   ◆   ◆

──先日、結成3周年のお祝いも兼ねた形で、全国ツアー<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」#1>が閉幕しました。

巽:昨年の春から夏にかけて行った<XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」>が、XANVALAにとって初めての大規模な全国ツアー。それと同規模で開催したのが<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」#1>でした。さらに、全国をまわる<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」#2 "NIX">を3月よりスタートします。これは、あえて毎ツアーごとにテーマを変えながらまわる形を取っています。嬉しいのが、回数を重ねるごとに各地域の熱量が大きくなっていること。それだけ各地のΛ(ファンの呼称)たちの期待値が高まっているのなら、こんな嬉しいことはないですよね。

──各地域もそうですけど、ツアーのファイナルとして用意した東京の会場が、1回目が新宿BLAZEで、2回目が渋谷club asia。次回のツアーのファイナル公演の会場も渋谷club asia。毎回、お客さんたちが大勢詰めかけているので、もっと規模を大きくしても良い気がするのですが……。

巽:自分たちの器に合わない形で規模を広げて結果を導きだせないと、そこがバンドの限界地点に見えてしまう気がするんですよね。それよりも、自分たちの器に見合う形で少しずつ規模を大きくしながら、お客さんたちの期待値もそのたびに増えるなら、一緒に成長し続けている実感を覚えられる。1月31日に渋谷club asiaで行った3周年公演から声出しを解禁したこともあって、ようやくXANVALAらしいライブを作り上げられる環境が出来たし、ここからまた一気に駆け出そうという気持ちもあります。

──XANVALAの場合、始動すぐにコロナ禍になり、声出しの出来ない環境へ陥りましたよね。

巽:デビュー公演が2020年1月30日。それから1ヶ月くらいは普通の環境でライブ活動をしてきましたけど。そこから急に(世の中全体として)ライブ活動が出来なくなるどころか、家からさえ出れなくなりましたからね。

──XANVALAはそんな中でも活動を止めずにきました。

巽:最初に発令された緊急事態宣言のときも、無観客配信ライブを積極的に行って、その後も小人数での有観客ライブ、配信ライブを始めましたね。次第にライブが出来る環境が見えてきたころ、まだステージ前にビニールカーテンが張ってある環境でしたが、東名阪を舞台にツアーを始めました。世の中が少しずつ元へ戻っていく中、その環境に合わせた新しいライブの届け方をXANVALAはつねに模索し続けてきた。たとえ、その歩みがゆっくりだろうと、けっして止まることなく進み続けてきた3年間でしたね。これも、うちのリーダーの70.が、時代の流れを読み取りながら、いろいろ仕掛けてくれたからこそです。

──ビニールカーテン越しのライブという時期も、確かにありましたね。

巽:あのときは、お客さんたちの姿がビニール越しでとても見づらかったです(笑)。

──世の中の流れとして、昨年後半頃から徐々に「声出しOK」のライブも増えていましたよね。そこは、あえて先取りはしなかったんですね。

巽:確かに、昨年から「声出しOK」のライブも増えましたけど。XANVALAに関しては、3周年の日を「声出し解禁の日にしよう」と決めていたこともあって、その日まで自分たち主導の公演に関してはあえて止めてきました。

──そういう思いがあったんですね。もしや、昨年から始めた全国ツアーで同じ地域を繰り返し回ることにも、バンドを認知させる思いはもちろん、他にも狙いがあるのでしょうか。

巽:昨年、最初に行った全国ツアーのタイトルが<ASK>。次に実施したのが、ANSWERという意味を持つ<ANS>。つまり、「問いかけ」と「応え」、対になる意味がそこには示されています。さらに<ANS>からの進化を示す意味を持って、次のツアーには<「ANS」#2 "NIX">と名付けました。「NIX」には、「ゼロ」という意味もあります。今回のツアーを発表したのが、「声出し解禁」をした3周年公演のとき。XANVALAは、これまでの声を出せないライブ環境から、ようやくこの日ゼロの状態に戻った。「ゼロの位置から新しく始める」という意味を持って、次のツアーのタイトルに<「ANS」#2 "NIX">と名付けて、同名タイトルを付けた『NIX』というアルバムを出して、「ここ(ゼロ)からXANVALAは始める」と、みんなへ伝えたかったんです。

──そういう流れを仕掛けていたのですね。一つ一つの行動にいつも深い意味を込めているところは、XANVALAらしさなんでしょうね。

巽:XANVALAは、戦略的な流れも大切にしているバンドです。メンバーも、その展開に寄り添った形で楽曲を作りますし、俺もその時々の曲の示す方向性に合わせて歌詞を書き続けています。

──その緻密な戦略が、ファンに人気の理由でしょうか。

巽:着実にライブでの支持も増えてきていて、そこは嬉しいですよね。もちろん何処かのタイミングでこの勢いを爆発させたいと思っています。そのために今年は、今までやってない展開も考えています。2月17日から行う映画上映前の『NIX』のCM上映も、その戦略の一つ。2022年に実施した都市部での街頭ビジョン展開もそうでしたけど、ヴィジュアル系を知らない人たちに存在をアピールし、ヴィジュアル系というこんなにも魅力的な世界へどんどんひっぱり込みたい。だから、レーベルの代表とも共闘し、人気アニメ映画の上映前のCM展開ということも今回仕掛けたわけですからね。そうやってXANVALAへの期待値はもちろん、ヴィジュアルシーン全体への興味が高まるのなら、そんな嬉しいことはないですからね。今年は、外(ヴィジュアル系以外のファン)へ向けたこの手の展開も、いろいろ仕掛けようと思っています。



──XANVALAは、3月29日に2ndアルバム『NIX』を発売します。2022年も2月に1stアルバム『月と太陽』をリリースしましたし、コンスタントに作品を出していますよね。

巽:XANVALAの場合、自分以外のメンバー全員が作曲を行えるから、楽曲が生まれる速度が早い。1stアルバムの『月と太陽』をリリースして以降も次々と楽曲が生まれて、その都度配信やCD化し続けてきましたが、楽曲がだいぶ溜まってきたし新曲のストックもある。だったらアルバムにしてしまおうと。

──アルバム『NIX』は、どんな内容になりそうでしょうか。

巽: 今まさにアルバムの制作中なんですが、ライブで発表している曲もあれば、アルバムで初披露になる曲もあります。このアルバムが出る頃には、(会場によっては)声出し可能な環境も生まれているだろうし、声出しライブでこそ生きる曲もいろいろ用意しています。1月31日の公演で初披露した「NIX」も、みんなでシンガロング出来る、まさにライブで生きる楽曲ですからね。2ndアルバム『NIX』を総体的に捉えるなら、自分たちの持つ多面性を提示してゆく形を取った、幅広い音楽性を描いた作品になると思います。それこそヴィジュアル系としての伝統へ自分たちの独自性を織り交ぜた作品だと思います。

──XANVALAは、ヴィジュアル系という文化を広く世の中へ知らしめたい欲求を強く持っているバンドですもんね。

巽:そうですね。俺らはヴィジュアル系という音楽やシーンが大好きだし、そのシーンの中で生きていくことに誇りを持っている。なんなら、このシーンをもっと世の中へ知らしめたい。ただし、そうするためには個々のバンドが独自で頑張るのではなく、シーン全体で一緒に上がっていかなきゃならないと思ってる。そのために自分たちが何をすべきかは、常日頃から考えていることですから。

──期待しています。今行なっている精力的な活動は、8月31日に恵比寿LIQUIDROOMで行う<XANVALA ONEMAN TOUR「ANS」GRAND FINAL>を成功させるため。改めて、この日へ向けての思いも聞かせてください。

巽:昨年8月に行った<ASK>ツアーのファイナルの地となった新宿BLAZE公演は、コロナ禍による人数制限があった中とはいえソールドアウトさせることが出来ました。今年1月に行った渋谷club asia公演も若干の制限があった中とはいえ、人が場内に入りきれないほどの環境を作りあげました。次のツアーでも、改めて渋谷club asiaでワンマン公演を行います。その後に控えた恵比寿LIQUIDROOM公演は、今のところ一切の制限がない中での声出しライブになります。つまり、コロナ禍前と同じ状況でのライブを行います。つまり、ソールドアウトするには900人を集めねばならない。ここに至るまでとは違う、大きな壁を乗り越えねばいけない公演になることは、メンバーみんな自覚しています。だけど、そこを飛び越えなければ、次の道はない。今の自分たちなら、その場に最高の景色を作りあげる自信はある。その日の公演に集まった900人に、最高の興奮という景色を見せたい。そのためにも、今、築いている道をしっかりと築きあげ、かならず恵比寿LIQUIDROOMで求めた景色を作り上げたいと思っています。

取材・文◎長澤智典
編集◎BARKS

2nd ALBUM『NIX』

2023年3月29日発売
PICD-028 / ¥4,400
※収録曲未定

<XANVALA ONEMAN TOUR 「ANS」#2 "NIX">

2023年
3月3日(金)心斎橋soma
OPEN 18:30 / START 19:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803510001-P0030001

3月4日(土)HOLIDAY NEXT NAGOYA
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803550001-P0030001

3月6日(月)浜松FORCE
OPEN 18:00 / START 18:30
https://eplus.jp/sf/detail/3803570001-P0030001

【EXHIBITION LIVE】
4月5日(水)福岡graf
OPEN 17:00 / START 17:30
w/ タラれば / アルスト
https://eplus.jp/sf/detail/3803640001-P0030001

4月6日(木)福岡graf
OPEN 18:30 / START 19:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803680001-P0030001

4月8日(土)広島SECOND CRUTCH
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803690001-P0030001

4月9日(日)松山サロンキティ
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3804570001-P0030001

4月11日(火)岡山IMAGE
OPEN 17:00 / START 17:30
https://eplus.jp/sf/detail/3803710001-P0030001

4月21日(金)仙台spaceZero
OPEN 18:30 / START 19:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803720001-P0030001

4月22日(土)郡山CLUB #9
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803730001-P0030001P021001?P1=1221

5月13日(土)金沢gateBlack
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803750001-P0030001

5月14日(日)長野LIVE HOUSE J
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803760001-P0030001

5月16日(火)新潟CLUB RIVERST
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803770001-P0030001

5月20日(土)札幌CrazyMonkey
OPEN 17:30 / START 18:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803790001-P0030001

5月21日(日)札幌CrazyMonkey
OPEN 15:30 / START 16:00
https://eplus.jp/sf/detail/3803800001-P0030001

【#2 TOUR FINAL】
5月26日(金)渋谷clubasia
OPEN 18:00 / START 18:30
https://eplus.jp/sf/detail/3803840001-P0030001

※声出し等の可否は開催時の会場のガイドラインに準拠します。

[チケット]
前売 ¥2,000 / 当日 ¥2,500
※D代別

ファイナルのみ
前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500
※D代別

■3月3日〜3月6日公演
A:e+ プレオーダー
・受付期間 受付終了
B : e+ 一般 (B1~) 2月18日(土)10:00 〜

■4月5日〜4月22日公演
A:e+ プレオーダー
・受付期間 2月22日(水)12:00 ~ 2月28日(火)18:00
・入金期間 3月2日(木)13:00 ~ 3月5日(日)21:00
B : e+ 一般 3月11日(土)10:00 〜

■5月13日~5月21日公演
A:e+ プレオーダー
・受付期間 3月15日(水)12:00 ~ 3月22日(水)18:00
・入金期間 3月24日(金)13:00 ~ 3月27日(月)21:00
B : e+ 一般 4月1日(土)10:00 〜

■5月26日 TOUR FINAL
A:e+ プレオーダー
・受付期間 3月22日(水)12:00 ~ 3月29日(水)18:00
・入金期間 3月31日(金)13:00 ~ 4月3日(月)21:00
B : e+ 一般 4月8日(土)10:00 〜

※転売防止のため整理番号のスタートはランダム

<XANVALA × 摩天楼オペラ 2MAN LIVE「斬劇」>

2023年6月19日(月)
恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:15 / START 19:00
19:00〜 摩天楼オペラ 60min.
20:20〜 XANVALA 60min.

[チケット]
前売 ¥6,000 / 当日 ¥6,500
※D代別

プレオーダー(A1〜) :
受付期間 3月29日(水)12:00~4月5日(水)18:00
入金期間 4月7日(金)13:00~4月10日(月)21:00

一般(B1〜) : 4月15日(土)10:00〜発売

チケットURL
https://eplus.jp/sf/detail/3811670001-P0030001
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