【インタビュー】棘-おどろ-、オルタナアイドルの1stシングルに新たなる想い「すごく笑顔が増えた」

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■私たちの看板みたいな曲なので
■この4人で録り直したいなって

──さて、1st シングル「キミキミ / てにてに」について訊かせてください。その前に、これまでリリースされた過去作も含めて、「棘-おどろ-は、どんなジャンルの音楽をやっているグループですか?」って訊かれたら、どう答えますか?

ミサ:ポップス…ではないですよね。

環美:コンセプトは“オルタナアイドル”なんですけど、この前お客さんから「音楽はオルタナティヴロックではないよね」って言われました。

ミサ:「ニューウェイブ入っているよね」とたまに言われます。


──確かに、作曲者のハジメチカさんはニューオーダーとか'90年代のUKロックも好きなのかな?という印象を受けます。そしてシングルに収録された「キミキミ」をはじめ、既発曲は強いビートに乗って歌って踊るグループというイメージですが、「てにてに」はこれまでと印象が違いますね。

ミサ:そうですね。「てにてに」は初めてやる感じの曲です。最初に原曲を聴いたときは“みんな歌えるのかな?”と思ったぐらい。「てにてに」は、「キミキミ」と比べるとすごくバンドサウンドっぽいので、バンド好きなお客さんは「めちゃめちゃ好き」と言ってくれたり、そういう音楽が好きな方からの反響が多いですね。

──現在の4人体制になって、方向性も変わってきたんでしょうか?

しろめ:サキちゃんが入ってから、やっぱり明るい感じにはなったと思います。みんなが笑顔になるような。それで「てにてに」も明るい感じなのかなって。

環美:棘-おどろ-っていうグループ名のせいか、ラウド系音楽の怖いアイドルグループだと思われるところがあるんですよ。初めてライブを観てくれた人からは、「棘-おどろ-、全然怖くないじゃん!」「むしろ楽しい!」って言われることも多くて。でも、“最初から怖くないんだけどな”って(笑)。

ミサ:以前までアーティスト写真のイメージもずっと黒だったから、ダークなイメージを持たれていて。余計に怖い人たちだと思われてたのかな。

しろめ:今までは曲もアーティスト写真も、そんな“すごい明るい”って感じがなかったんで。


▲「キミキミ/てにてに」

──たしかに、最新アーティスト写真も、背景がスカイブルーだったり、薄いブラウンだったり、少しイメージが変わりましたね。

環美:そうだと思います。

ミサ:アーティスト写真が明るくなって、「なんかかわいい!」って言われたり。今回、今までと結構変わったと思います。

──その変化を象徴する曲が「てにてに」なのかもしれませんね。一方の「キミキミ」は2022年3月に1st EPとしてリリースされた曲ですが、今回、サキさん加入後として、新たに録り直したということですね。

サキ:そうです。今回初めて、棘-おどろ-の音源に私の声が入りました。

環美:「キミキミ」はEPリリース前から、毎回ライブの最後のSEとして流していたんです。それを2022年3月のLIQUIDROOMワンマン(<1st EP「キミキミ」発売記念ワンマン>)で初めて1曲目にライブ披露したんですね。直前にいろいろあったりして大変だったんですけど、今までで一番大きい会場でステージ初披露目できた大切な曲ですし、私たちの看板みたいな曲なので、この4人で録り直したいなって。

──振り付けも新たに?

しろめ:今回はアイドルっぽい感じっていうか、明るい感じっていうか、そう変わったので。だから、振り付けも“自分が踊ったときにアイドルっぽくなるように”っていうことを考えました。

ミサ:「キミキミ」って、私は棘-おどろ-の曲の中で一番キラキラした曲だなって思っているんです。歌は結構ハモっているんですけど、お客さんから「そこがいい」って言われたり。

サキ:個人的には最初に棘-おどろ-の曲を覚える時、「キミキミ」って他の曲と歌詞もメロディーもちょっと違う感じだったから、めっちゃ覚えづらかった印象があって。でも今はそのキラキラした感じとかがすごく楽しいし、一番笑顔になれる曲です。私、ライブでもめっちゃ笑ってます。(メンバーに向かって)…大丈夫そう(笑)?

ミサ:大丈夫大丈夫(笑)。この曲のサキちゃん、マジで笑顔ですごいんです。

サキ:基本笑顔なんですけど、確かにそれを最大限に引き出されるのが「キミキミ」かもしれない。


──なるほど。楽曲の印象としては、ストリングスが入ってきたりとか壮大な感じがしますけど、歌ってるとエモい気持ちになったりもしますか?

しろめ:私、普段はあんまりそういう風にはならないんですけど。確かにこの曲はそういう気持ちになるかもしれない。

ミサ:MVを見ても壮大な曲だなって思いますし、今知ってくれてる人だけじゃなくて、たくさんの人に聴いてもらいたい曲です。

環美:本当にそう。

ミサ:環美ちゃんもさっき言ってたように、本当にLIQUIDROOMワンマンまでの期間がすごく大変で。グループの中で私、一番泣き虫なんですけど、夜中に家で練習してる時とか、「キミキミ」を聴くとすごい涙が出てくる。それぐらい良い曲だなと思ってます。お客さんからも、「ライブで「キミキミ」のイントロが流れてくると、もう最初から涙が出そうになる」っていう話を聞いたりしますし、私もそういう気持ちです。

──ちなみにLIQUIDROOMは収容1000人規模の大きい会場ですが、2022年3月のワンマンを振り返ると、やはりターニングポイントのひとつになったと思いますか?

環美:はい。とにかく体育館みたいにデカかったです。

ミサ:私は“こんなに大きいところでやれるんだ”っていう実感が、ギリギリまで湧かなくて。ステージに上がった瞬間、お客さんがたくさん来てくれてるのを見て、そこで初めて実感したんです。

しろめ:私は、あんまり泣きそうになることとかないんですけど、LIQUIDROOMはリハーサルのとき、すでに泣きそうになってました。自分がお客さんとしてよく足を運んでいたライブハウスだったので、“本当にここでやるんだ”と思って、なんか感動したというか。本番が始まってからは、“お客さんが来てくれてよかった”と思ったし。ただ、そのときはソールドアウトできなかったので、今は“もっといっぱいお客さんを呼べるようになって、またやりたい”っていう気持ちです。


──しろめさんは、今日のインタビュー中も感情を露わにするようには見えないですが、ライブ中はどんな気持ちでパフォーマンスしているんですか?

しろめ:昔は全く笑えなかったんですけど、サキちゃんが入ってきてから、「ニコニコするようになったね」って言われるようになりました。

ミサ:うん、すごく笑顔が増えた。

しろめ:黙ってると怖そうになっちゃうから…目が怖いんですよ、私(笑)。気を付けなきゃなって思うようになりました。私のせいで怖そうに見えてたのかもしれないなって。

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