【ライブレポート】BLUE ENCOUNT、節目の武道館公演で「あなたと俺たちが生きてきた史上、一番の景色を作りましょう!」

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photo by ハマノカズシ

昨年の10月にスタートした<BLUE ENCOUNT TOUR 2022-2023 ~knockin' on the new door~>が、2月11日の日本武道館公演でファイナルを迎えた。辻村勇太(Ba.)がアメリカの音楽学校に入学するため、BLUE ENCOUNTの活動拠点は今春から2箇所となる。大きな節目でもあったこのライブの模様をレポートする。

OPムービーが流れた後、舞台袖にいる田邊駿一(Vo. Gt.)、江口雄也(Gt.)、辻村勇太(Ba.)、高村佳秀(Dr.)の姿がスクリーンに映し出された。円陣を組んで手を重ね合わせている彼らの様子が、客席にいる我々の期待を自ずと高めてくれる。そして4人がステージに登場。1曲目に届けられたのは「アンコール」だった。田邊がギターを弾きながら一心に歌った後、江口、辻村、高村の演奏も合流。エネルギッシュなアンサンブルが構築される様が美しい。続いて「Survivor」と「ポラリス」も披露され、日本武道館が完全にライブハウスと化していく。今回のツアーを通じて、彼らのサウンドが一際強靭となったことが伝わってきた。

photo by ハマノカズシ

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今回の公演は、不織布マスクを着用した状態ならば、周りの迷惑にならない範囲での声出しがOK。観客の歓声や歌声がアリーナで湧き起るのはもちろん、2階席や1階席からも降ってくるのが、序盤から何とも言えないくらいに心地よかった。「言うこと決めてたけど、3曲やってどうでもよくなりました。あなたと俺たちが生きてきた史上、一番の景色を作りましょう!」と田邊が言い、「DAY×DAY」がスタートすると、瞬く間に加わった人々の手拍子。「ロストジンクス」や「HEART」もさらに披露されたが、ステージ上の4人は観客のエネルギーをまざまざと感じていたに違いない。そして、「vendetta」が猛烈にかっこよかったことにもぜひ触れておきたい。ベースのスラップとラップが絡む場面では、ステージの中央で向かい合わせになった田邊と辻村。ふたりのコンビネーションの良さを感じて、胸が熱くなった観客がいたのではないだろうか。この曲は先日リリースされたミニアルバム『Journey through the new door』に収録された新曲なので、彼らは結構緊張していたらしい。開演前のリハーサルでここだけ2回やった旨を、この後のMCで明かしていた。

photo by ヤマダマサヒロ

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BLUE ENCOUNTの前回の武道館公演が行われたのは2016年。約6年間の中での変化についてメンバーたちが語り合ったMCタイムでは、田邊が自動車の運転免許証を取得したことを報告。19歳の頃に教習所に通ったものの期限切れとなってしまい、免許を持っていないままの状態が続いていたのだという。メンバーや観客に祝福された後、彼はこの6年のことを改めて振り返った。「6年経っていろんなことが変わって、変わってないかもしれないけど、如実に世界情勢は変わったじゃないですか? くそウィルスが出てきて、未だに大変な人がいると思う。でも、それでわかったのは、ちゃんとルールを守って真っ直ぐ戦えば、ちょっとずつ前に進むってこと。まだまだ行きましょう! まだまだ見に行こう! 最高を越える旅へ!」という言葉が添えられて「コンパス」がスタート。力強い足取りをイメージさせるサウンドが、観客の心を温かく鼓舞しているのを感じた。そして、人々の激しい手拍子が曲に清々しい熱量を加えていた「ルーキールーキー」を経て突入したのは「NEVER ENDING STORY」。観客の大合唱を浴びながら演奏していた4人は、とても嬉しそうだった。

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縁の深い場所や活動の軌跡を捉えた写真のコラージュを交えた映像が、辻村が手掛けたインスト曲と共に届けられたインターバルを挟んで、ライブの後半がスタート。ミラーボールが輝く中で鳴り響いた「city」は、このバンドが歩んできた日々のことを感じさせてくれた。原曲では《バンド結成して12年》と歌われている部分が、《18年》となっていたのが印象深い。決して平坦ではなかった道のりの先で、こうして彼らと観客が出会えていることの素敵さを、この曲はライブで聴く度に感じさせてくれる。そして、その後に披露された「Z.E.R.O.」と「虹」は、8人編成のストリングス隊との共演が実現。弦楽器の調べが、曲に豊かな色合いを添えていた。「虹」を歌い終えた直後、「超気持ちいい!」と言い、ステージの前方で暫くの間座り込んでいた田邊。「この曲は2018年のアルバムに入れたから5年前。今日、やっと完成した気がします」という言葉には、強い実感が籠っていた。

辻村が間もなく渡米して、バンドが新体制になることについてメンバーたちが語り合ったMCタイム。各々の言葉には、未知の活動スタイルに対する希望が漲っていた。「今日やりたいことは辻村の壮行会とかではなく。もちろん激励の気持ちはたくさんあるけど、今日、俺たちがここにいる理由はそういうことではなくて、何よりも主役はあなた。6年でいろいろ変わった。6年、頑張ってきただろ? その分のご褒美をあげて欲しいなと思っています。あなたがどれだけ強くなってきたか見せて欲しい!」と田邊が観客に呼びかけてからスタートした「もっと光を」。この曲を会場で生で体感できたのが、とても嬉しい。《もっと光を もっと光を もっと光を君に届けたくなったよ》《もっと光を もっと光を もっと光が君に届くように》という観客の大合唱が、ありありと思い出される。歌詞に盛り込まれている“光”という言葉を借りるならば、ステージ上の4人と客席で歌っている人々の“光の交わし合い”とでも言うべきものが生まれていた。

「#YOLO」と「バッドパラドックス」を歌った後、改めて想いを言葉にした田邊。何年経っても完璧にはなれない旨を語りつつも、だからこそたくさんの人々と出会い、支えてもらえているのだと、時折メロディにのせて歌いながら表現していた。「不安だっていい。弱くたっていいじゃん? 他人に優しくできない時があったっていいじゃん? ただ生きてさえいれば、大事なものに出会えるんだと思います。今から歌う曲があなたにとっての新しい扉になりますように」……そんな言葉を噛み締めた後にスタートした「DOOR」は、観客に贈られたメッセージソングだったと同時に、未来へと踏み出して行こうとしている彼らの姿そのものだったのだと思う。そして、本編を締め括ったのは「青」。繰り返される《青に染まれ 青を宿せ 青に挑め》が、BLUE ENCOUNTを突き動かし続けているものが何なのかを鮮烈に示していた。

photo by ヤマダマサヒロ

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アンコールを求める手拍子と大合唱に応えてステージに最初に戻ってきた高村。“物販隊長”である彼がオリジナルグッズをステージ上に大雑把に並べて、ラバーバンドを凄まじいハイテンションで紹介する様が、観客を和ませていた。そして、バックステージにいたスタッフ、ブルエンのグッズとのコラボでお馴染みのキャラクター“ブルベア”も呼び込んで行った記念撮影の後に披露された「それでも君は走り続ける」では、ストリングス隊との共演が再び実現。この曲のみ撮影OKだったので、観客は掲げたスマホに思い出を収めていた。

photo by ヤマダマサヒロ

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「新しいおしらせ、ドーン!みたいなの、今日はやんないの。今年、新しいお知らせがめっちゃあるのね。最高なお知らせばっかなので、ここで出すと大変なことになります(笑)」と言い、今後の活動への期待を大いに高めてくれた田邊。このライブの翌日にも制作の作業が予定されているらしく、新しい曲を生み出すことへの意欲を語っていた。そして「だいじょうぶ」も披露されて、会場全体にますます広がった爽やかな熱気。ラストを飾った「HANDS」は、観客の突き上げる拳、掛け声が力強かった。全曲の演奏が終了した後にステージ上に並んだ4人。握りしめ合った手を一斉に掲げて深々とお辞儀をした姿が眩しかった。こうして終演を迎えた武道館公演。大きな節目ではあるが、センチメンタルなムードになることなく、いつものように全力で歌い、心を込めながら音を奏でてくれたのが、とてもBLUE ENCOUNTらしかった。2拠点活動へと移行する彼らは、きっと新たな可能性を切り拓いていくはずだ。

photo by ハマノカズシ

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取材・文:田中 大

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ミニアルバム『Journey through the new door』

CD発売日:2023年2月8日(水)
販売サイト:https://smej.lnk.to/WjBPyx

完全生産限定盤:CD+グッズ+スペシャルボックス仕様 ¥6,800+税 / KSCL-3412~13
初回仕様限定盤:CD only \1,600+税 / KSCL-3414

<収録内容>
-CD-
1. Z.E.R.O. (『コードギアス 反逆のルルーシュR2』エンディングテーマ)
2. vendetta
3. 終火
4. 青
5. DOOR

<豪華盤同梱グッズ>
・特殊 BOX (旅行鞄風パッケージ)仕様  
・オリジナルエアーネックピロー
・オリジナルラゲッジタグ
・オリジナルアイマスク
・パスポート風ノート
・BLUE ENCOUNT メンバー直筆サイン入り色紙
・フレークステッカー(全 6 種)

<CDショップ先着購入者特典>
TOWER RECORDS:ステッカー(type-A)
TSUTAYA RECORDS:ステッカー(type-B)
楽天ブックス:アクリルキーホルダー
セブンネットショッピング:缶バッチ
Amazon.co.jp:メガジャケ
応援店舗特典:ステッカー(type-C)

※特典は数量限定・予約優先での先着順配布となり、なくなり次第終了となります。ご予約ご購入の際は、特典の有無を必ず店頭/ECサイトでご確認下さい。
※上記記載のあるチェーンでも一部取り扱いのない店舗がございます。


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