【インタビュー】TENSONG、リスナーの“らいぶ(生きる・暮らす)”に寄り添う気持ちを込めて

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■時代をどんどん紡いでいったものが今になっているし
■そのなかに変わらないものがあることも教えてくれる


――47都道府県ツアー初日にリリースされた新曲「らいぶ」は人生をテーマにした曲だと感じましたが、思い出や地元への思いが綴られた曲が生まれたのはたか坊さんがホームシックだったのかな、とも少し思いました。

たか坊:万年ホームシックですね……いつも帰りたくてヤバいです(笑)。3人とも実家や家族も、地元に住んでいる友達も大好きだし、そういう曲が1曲あってもいいなと思ったんですよね。去年の9月か10月くらいに、ふるさとや家族みたいな、あたたかいものをテーマにした曲を作りたいと思って作り始めました。目の前にある景色や人間関係も時代とともに変わっていくし、どんどん違って見えるようになってそれが当たり前の世界になってくるけれど、だからこそ変わらないものが心の中にひとつあれば、という気持ちを込めました。僕たちもそういう人間でありたいし、みんなにとってTENSONGが変わらないと思われたいんです。

――先ほど話してくださった、活動初期の頃の気持ちの話と通じるのではないでしょうか。

たか坊:“俺らは変わらずに音楽を鳴らし続けていくから、いつでも帰ってこいよ”というイメージですね。「らいぶ」は“生きる”でもあるし、音楽の“ライヴ”でもあるし、どこかに“住む”という意味でもあって。だから聴く人によって、自分の地元や家族、実家という意味に捉えてもらってもいいし、一生懸命生きようという意味や、音楽としても捉えられると思っています。寂しさを紛らわすときはみんな昔の友達や家族を思い出したり、音楽を聴いたりして自分を鼓舞するんじゃないかとも思うので、そこに寄り添いたかったんですよね。


――思い出は前を向くために必要な宝物なのかもしれませんね。

たか坊:過去は過ぎ去るけれど、思い出はずっと残ると思うんです。もちろん良い思い出だけではないけど、自分のなかから消えないそのときの喜怒哀楽や見ていた景色とか、そのすべてを持って行けばいいと思う。これから先も時代はどんどん過ぎ去って変わっていくけれど、流行りは代々つながっているものだと思うんです。



――なるほど。流行りが流行りを生むと。

たか坊:だから時代は変わっているように見えて、180度変わったわけでもないと思うんです。時代をどんどん紡いでいったものが今になっているし、そのなかに変わらないものがあることも教えてくれる。自分も二十歳を超えてみて、自分が生まれ育ったときの感覚が今も生きているなと感じるんですよね。生まれ育った故郷やこれまでの思い出は変えられないから、いつでも帰ってくればいいと思うんです。

アルフィ:そういう曲だから、47都道府県ツアーの初日にリリースを決めたんですよね。実際にお客さんの前でこの曲をやりたいという気持ちが強いです。


▲Gt. 拓まん

拓まん:「らいぶ」を全国47ヶ所で歌ってみたら、自分たちのライヴががどういうものなのか、「らいぶ」の本当の意味が見えてくるんじゃないかなと思います。

たか坊:「らいぶ」はライヴに来てくれたみんなの記憶に残る、ライヴの思い出にしてほしい曲ですね。そういう願いを込めながら、キャッチーな曲に仕上げました。

――このインタビューは47都道府県ツアーの10日前に行っていますが、ツアーの準備のほどはいかがでしょうか?

拓まん:最近は週2、3回でリハに入っています。“平日やしお客さん埋まるんかな”と考えたりもしつつ(笑)、MINAMI WHEELが今のところ唯一の有観客ライヴなので、あの景色でしかイメトレができないんですよね。でもありがたいことにソールドアウトしている会場も結構あるので、楽しくイメトレしています。お客さんと一緒に楽しくライヴを作り上げたいし、ライヴアレンジの調整も細かくやっています。

たか坊:僕は音に関してめちゃくちゃ口うるさく言っています(笑)。音のバランスも指摘するし、拓まんのギターにも“もうちょっとここスムーズに弾いて”とか、アルフィとも音を出すタイミングをちゃんと詰めたり。

アルフィ:バンドとDJをどう両立させるべきかは、ずっと考えていかなければいけない課題ですね。ツアーの中で少しでも自分なりのやり方を見つけたいと思っています。

たか坊:僕らは僕らの人生を歩いて、みんなはみんなの人生を歩いて、そのなかでたくさんの人と出会えたらうれしいですね。僕らがまっすぐ歩いた先にみんながいてくれて、そこで僕らが音楽で寄り添えるのが理想です。それがやりたくて音楽を選んだんですよね。それぞれ自分の人生を歩いて、僕らが必要なときは求めてほしい。


▲Vo. たか坊

――変わらずに営業している行きつけのバーみたいな存在になれたら、ということでしょうか。

たか坊:ああ、まさにそういうイメージですね。ひとりでも行きたいと思えるぐらいアットホームな場所にできたらと思っています。

――47都道府県ツアーを回ったら、また新しい感覚が芽生えそうですね。

拓まん:ほんとそうですよね。「らいぶ」がどんなふうにライヴで響くのかもまだわからないし、対バンも初めてなので。

アルフィ:僕たち3人が47都道府県ツアーを回るなんて、全然想像してなかったからね。


▲DJ. アルフィ

たか坊:47都道府県ツアーは誰もができるものでもないし、それができる幸せをちゃんと噛みしめながら回りたいです。苦しくもあり、つらくもあるんだろうけど、そのぶん完走した達成感はすごいんだろうなと今からワクワクしています。だからこそ1本1本一生懸命、がむしゃらに頑張るのがいちばん良いなと思います。成功するか失敗するかなんて考えてたら何も手につかなくなっちゃうから、1個1個丁寧にやっていきます。

拓まん:移動が全部車なので、免許を持っていないたか坊は免許を持っている俺らに感謝してほしいですね(笑)。移動がきついとか体調崩したとか言っても知らんから!(笑)

たか坊:普段まったくそんな文句言わないじゃん!(笑) 音楽以外のところでは拓まんがスパルタなんですよ(笑)。

――ははは。不思議なバランスの3人ですね。

たか坊:俺が父親で、拓まんが母親で、アルフィが長男って感じです(笑)。

拓まん:共同生活なので、このふたりの突拍子もない行動のネタがどんどんたまってるんですよ。このツアーでもそれが増える気がしています(笑)。

取材・文:沖さやこ

リリース情報

「らいぶ」
2月18日(土)配信
◆https://linkco.re/hM4rbFaN

ライブ・イベント情報

<~JUST FOR FUN 2023~>

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2023.02.20(月) 京都GROWLY
2023.02.21(火) 太陽と虎
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2023.03.11(土) 岐阜CLUB ROOTS
2023.03.12(日) 四日市CLUB ROOTS
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2023.04.04(火) 福岡LIVE HOUSE OP's
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2023.04.11(火) 鹿児島SRホール
2023.04.12(水) 熊本Django
2023.04.22(土) 松本ALECX
2023.04.23(日) 富山MAIRO
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2023.05.13(土) PLANT
2023.05.14(日) 青森Quarter
2023.05.15(月) 秋田 Club SWINDLE
2023.05.17(水) 盛岡CLUBCHANGE WAVE
2023.05.18(木) 仙台darwin
2023.05.20(土) けんしん郡山文化センター 大ホール
2023.05.21(日) 山形ミュージック昭和Session

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