【インタビュー】首振りDolls、初心を貫きつつ進化と飛躍を追求「もっと我武者羅に」

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去る1月27日、東京は新宿・ANTIKNOCKにて2023年最初の東京公演を行なった首振りDolls。2022年は6月にアルバム『DOLL! DOLL! DOLL!』を発表し、同作を軸としながらの精力的なライヴ活動を繰り広げ、9月には<北九州ロックフェス>にて念願の大型フェス初出演も達成。さらに12月10日にはゲスト・プレイヤーも招きながら『DOLL! DOLL! DOLL!』の世界を完全体現するかのような総括的ライヴも実施(本記事に伴うライヴ写真はすべて同公演の際のもの)。そうした過程の中で彼らならではの痛快かつ中毒性の高いロックンロールに魅せられたリピーターが各地のライヴハウスで増殖傾向を強めてきている。

◆首振りDolls 画像

そしてこの日のワンマン・ライヴは2時間に及ぶ熱演となり、まさしく今現在の彼らの充実ぶりを実証するものとなった。終演後にメンバーたちに話を聞くと、まずはnao (Vo, Dr)が満足そうな表情で現在の心境を語ってくれた。

「今、純粋に、ライヴができる喜びをすごく感じてるんです。『DOLL! DOLL! DOLL!』に伴う時間の流れが一段落したこともあって、ここ最近のライヴでは昔の曲をやる割合も一時より増えていて、いわば今なりのベスト選曲でやっているようなところがあるんですけど、特定のアルバムに縛られずにやれていることも含めて自分たちでも夢中になってやれている感じがあって。もちろん次のアルバムに向けての曲作りも同時進行で着々と進んでいるんですけど、そういうクリエイティヴな作業とライヴを楽しむことが同時にできている感じですね」──nao


結成10周年という大きな節目を迎えた現在の彼らは、ある意味、自分たちの“これまで”を改めて咀嚼しながら未来図を模索する地点にあるともいえる。だからこそ新しいことに挑もうとする気持ちも高まりをみせているようだ。ジョニー・ダイアモンド(G)は次のように発言している。

「とにかく今年は新しいことに挑戦する1年にしたいと考えていて。たとえば初めてDJをやる機会があったりもして、そういった具体的に新しいことにも手を出し始めてるんですけど、当然のようにバンド活動や作曲面、ギター・プレイにおいても新しさというのを求めていて。そういう考えであれるのも、今の自分たちがやっていることが間違ってないと確信できてるからなんです。ライヴをやっていても常に新しいお客さんの姿が少なからずそこにあるのに気付かされるし、リピーターが増加傾向にあるものわかる。自分としてはそこで満足せずに、新しいことに挑んでいきたいんです」──ジョニー・ダイアモンド


新たな領域への挑戦欲求が高まっているのは彼ばかりではなく3人のメンバーすべてに共通していることだ。昨年末のライヴ時に突然金髪になってファンを驚かせたショーン・ホラーショー(B)も、ジョニーに同意しながら次のように言葉を重ねている。

「常に進化していたいし、とにかく停滞していたくないんです。ただ、変わればいいというものではないし、“初心に戻る”みたいなことも大事だなと思う。たとえば今夜みたいなワンマン・ライヴもすごく大事ですけど、対バン形式のライヴももっとゴリゴリにやっていきたい。かつては“対バン・キラー”なんて呼ばれてましたけど、今もそうありたいと思う。昨年、フェスに出たりしたことも含めて刺激的なめぐりあわせが多々あったことで、そういう気持ちも強まっていますね。当然フェスにもまた出たいし、そういう機会を獲得していくためには、待っているんじゃなく、こちらからもっとガンガン行かなきゃいけないなと思う」──ショーン・ホラーショー


現在、彼らが見据えている“ごく近い未来の目標”は、2022年生まれの傑作との声も高かった『DOLL! DOLL! DOLL!』に続くアルバムを完成させることだ。そして彼らの視線は、すでにその作品に伴うライヴ活動に向けられている。ふたたびnaoが語る。

「実はすでに次のアルバムに伴うツアーも、そのツアーのファイナル公演に至るまでの流れも考えているんです。というのも『DOLL! DOLL! DOLL!』の発売後というのは、まだコロナ禍の影響も残っていて、自分たちが本来やりたかったような計画的なツアーというのができなかったわけです。だからこそ次回は“成功するべく成功するツアー”というのをきちんと計画しながら、そのための準備をぬかりなくやりたい。そうして綿密に準備を整えておいてこそ、もっと我武者羅にツアーできるはずだと思うんです」──nao


今現在の彼らは、次なるアルバムのレコーディング作業すら始まっていない状況にありながら、すでにその先にまで目を向け、同時に日々のライヴをとことん楽しみ、オーディエンスを楽しませている。筆者自身にとっても『DOLL! DOLL! DOLL!』は2022年のベスト・アルバムのひとつに数えられるものだし、現時点で国内のベスト・ライヴ・バンドと呼べる存在をいくつか選ぶということになれば躊躇なく彼らの名を挙げるだろう。そんな彼らの未来を信じながら、“今”を追い続けていきたいところである。この3月4日にはふたたび新宿・ANTIKNOCKでのワンマン公演が予定されている他、4月から5月にかけては<ROCK’N’ROLL SYNDROME>と銘打たれた新規ツアーも決定している。全力で転がり続ける首振りDollsの動向から、目を離さずにおいて欲しい。

取材・文◎増田勇一
撮影◎田村優子

■<SATURDAY NIGHT ROCK’N’ROLL SHOW!!>

3月04日(土) 東京・新宿ANTIKNOCK

■<キィキィ A GOGO!!>

3月06日(月) 東京・東高円寺U.F.O.CLUB
※nao弾き語り出演/ジョニーダイアモンドDJ出演

■<The Great Rock’n’Doll Swindle~勝手に来やがれ~「CLUB ROCK’N’ROLL 30th ANNIVERSARY!!!!編」>

3月24日(金) 名古屋・CLUB ROCK’N’ROLL

■<2023 SPRING TOUR『ROCK’N’ROLL SYNDROME』>

4月07日(金) 大阪・堺ファンダンゴ
4月09日(日) 京都・磔磔
4月21日(金) 東京・渋谷近未来会館
4月22日(土) 東京・新宿MARZ
4月29日(土) 大分・clubSPOT
4月30日(日) 小倉・FUSE
5月02日(火) 福岡・Queblick
5月03日(水) 小倉・Cheerz
5月05日(金) 神戸・PADOMA
5月28日(日) 名古屋・HUCKFINN

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