十五少女、様々なを“アオ”を描くシネマティックEP「SILENT」

十五少女が本日3月3日、6曲入りのシネマティックEP『SILENT』をリリースした。

なお、ここで改めて十五少女について説明しておきたい。十五少女は、このセカイとよく似た別世界に生きる15人の少女が『大人バス』と呼ばれる謎のワゴンに拐われ、子供都市へと向かう旅の様子を追った失望以上／希望未満のジュブナイル・メディアミックス作品。

ジュブナイル（Juvenile）とは、元々、大人と子供の間を表す言葉で、現代ではティーンエイジャー向けの文学・映画作品を指すジャンル名として使われる。主人公の少年少女が、今この瞬間を生きるために未来を犠牲にしたり、明るい未来と引き換えに今を犠牲にする様子を通じて、多感な時期に誰しもが通過する “未熟な淡い絶望” を共有する作品が多い。

十五少女もそれをテーマに掲げているが、これまでメインストーリーであるロードームービー的な本編は殆んど公開されず、登場人物のバックボーンを描いた前日譚小説（作：円居挽 / 望月拓海）と、主人公である15人の少女自らが歌う主題歌や劇中歌などのテーマソングがリリースされたのみ。

そのため、物語の欠片が断続的にリリースされる度に謎が深まっていく難解コンテンツとして認知され、コアファン向けのディープな話題が続いていたが、3月よりオーディオ・ロードムービー（音声ドラマ）の公開と、豪華声優陣の出演が発表され、本編の始動に期待が高まっている。と同時に、新規ファンからは謎すぎるコンテンツに対して、SNSを通じて運営に説明を求める声が散見されている。

そんな中、リリースされたEP『SILENT』は、既発のシングル5枚に、音声ドラマの主題歌である新曲「大人疑惑」を加えた6曲が収録されている。また、20時にはクロスフェード映像がYouTubeにて公開される。

運営によると、先に音楽を知った傍観者（十五少女ファンの呼称）と、これまでの謎や伏線が回収される本編の物語が今後重なり合っていくことで、作品を彩っていた音楽たちがリスナー自身の人生を彩る『伴奏歌』になりますように！という願いが込められているとのこと。

歌唱は、mzsrzが担当。作家陣にはFZ（sfpr/Radical Hardcore Clique）、岡嶋かな多、白神真志朗、Dazsta、Danny L Harle、平牧仁（シキドロップ）らが参加している。

全曲をブルーなトーンが通貫しつつ、夜明けの青、アオハル、心底に沈澱した蒼、真夜中に不安をあおる空色、海の深い水色、夏の終わりの碧など様々な『アオさ＝痛さ』で多様な感情を呼び起こす6曲が、SEなども用いた緻密な曲間構成で、ひとつの孤を描くようにコネクトされている。

3月15日には、同6曲を、綾瀬志希（CYNHN）、楠木ともり、水槽、菅原圭、セツコ（空白ごっこ）、ファイルーズあいが再歌唱したEP「LISTEN」もリリースされる。ちなみに「LISTEN」は今作のタイトル「SILENT」のアナグラム＝並べ替えになっており、2つのタイトルを合わせると「無音＝声にならない声に耳を傾けろ」というメッセージが浮かび上がる。

さらに、その翌週の3月22日には、15曲＋音声ドラマを収録した2枚組のコンセプトアルバム『SILENTHATED』がCDリリースされる予定だ。