【コラム】2023年春、マカロニえんぴつの現在位置

ツイート


春が近づいて、マカロニえんぴつの新曲「リンジュー・ラヴ」が好調だ。1月7日と8日、<マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~>のファイナル公演のさいたまスーパーアリーナで初披露された時には、これまでにない大人の愛の歌だと思った。1月18日、「THE FIRST TAKE」で観た時は、鍵盤で弾くベースラインや打ち込み風のドラムの音色など、楽曲のディテールの細かさを発見した。いわゆるスルメ、聴くたびに味わいが増すタイプの曲だと思う。主題歌として使用されているドラマ『100万回 言えばよかった』も好調だ。歌はドラマにつれ、ドラマは歌につれ。これからドラマの結末に向けて、さらなる盛り上がりが期待される。





3月8日、そんな絶好のタイミングで新しいEPが出る。タイトルは『wheel of life』、人生の輪。仏教用語で輪廻を意味する言葉だ。「リンジュー・ラヴ」を含む新曲3曲に、再録音1曲と「リンジュー・ラヴ(Short ballad ver.)」を加えた全5曲。急速に拡大する人気と評価の一方で、より深まる音楽性と歌詞の哲学性。2023年春、マカロニえんぴつの現在位置を示す最適のアイテムがここにある。

▲『wheel of life』初回生産限定盤

1曲目に登場するのは、第95回センバツ MBS公式テーマソング「PRAY.」だ。甲子園のサイレンと観衆のざわめき、スタンドの吹奏楽をイメージした(ような気がする)管楽器等を配した、ストレートなロック応援歌。振れ! 振れ! プレイボール、と言ったワードを織り込み、「価値は勝ちだけじゃないぜ」と現役球児を励ます。しかし「敵わなかった夢の先を走れ」と、むしろ青春のあとがきを生きる世代へ呼びかける思いも強く感じる。実にはっとりらしい曲と言葉。

「リンジュー・ラヴ」は、しっかり歌詞を読んで聴くほどに、ドラマ『100万回 言えばよかった』の世界観に寄り添っていることがよくわかる。せつなくて、ちょっとファニーで、やっぱりせつない。主語はおそらく佐藤健演じる鳥野直木の心境だろう(詳しくはドラマを)。作家・はっとりの腕は確かだ。クールな打ち込みっぽさから、じんわりと熱を帯びてくるリズム、良く聴くとマリンバ、ビブラスラップ、ラテンパーカッションめいた音も聴こえてきて耳が楽しい。



もう一つの新曲「TIME.」は、作詞・はっとり、作曲・長谷川大喜。シンセサイザーの幽玄な音色、エレクトロな質感とロックバンドの融合、予測のつかない展開によるキメラ的チューン。EPタイトル『wheel of life』はこの歌詞の中のフレーズだ。やさしくなれるまであと何度生まれ直すだろう。ロマンチックとも絶望とも取れる歌詞は、おそらく現在の社会や世界に向けられたものだろう。噛みしめて聴くべき曲だ。

「あこがれ(2022 再録)」は、彼らにとって初の全国流通盤『アルデンテ』(2015年)に収録されていた楽曲のリメイクだ。ヘヴィなリズムもスライドギターのフレーズも、原曲とほぼ同じ。シンプルに8年ぶんの成長を聴かせる正攻法のセルフカバーだが、「いつか誰かのあこがれになろう」という言葉もまた、8年ぶんの重みを増している。今やあこがれられる側になった4人が、未だあこがれを歌う意味は深い。そして最後に収録された「リンジュー・ラヴ(Short ballad ver.)」は、弦楽器のたおやかな響きを中心に、アコースティックギター、シンバル、ピアノをそっと添えたもの。ワンコーラスであっという間に終わる、ほんのり甘いデザートのような一品。

▲『wheel of life』通常盤

初回生産限定盤に付属するブルーレイには、はっとりの自伝と言える結成10周年記念ショートムービー「あこがれ」(監督・松本壮史、出演・リリー・フランキー、中川翼、山﨑天(櫻坂46)など)+インタビュー映像と、BSフジで放送された「マカロニえんぴつと言葉の居場所」も収録。そしてEPリリース後、4月からは<マカロックツアーvol.15 〜あやかりたい!煌めきビューチフルセッション編〜>として、各会場でワンマン+ツーマンの2Daysという画期的なツアーも始まる。ファイナルの対バン相手は、はっとりの永遠のあこがれ・UNICORNだ。いつか誰かのあこがれになろう。マカロニえんぴつの、はっとりの、夢追い旅はまだまだ続く。

文:宮本英夫

  ◆  ◆  ◆

「wheel of life」EP

2023年3月8日(水)発売

収録曲
01 PRAY.
02リンジュー・ラヴ
03 TIME.
04 あこがれ(2022 再録)
05 リンジュー・ラヴ(Short ballad ver.)
全5曲収録

[初回生産限定盤 特典]
・結成10周年記念ショートムービー「あこがれ」、制作秘話インタビュー
・BSフジ「マカロニえんぴつと言葉の居場所」

初回生産限定盤 TFCC-89756~89757 税込 ¥3,000
通常盤 TFCC-89758 税込¥1,500

■「wheel of life」EP特設サイト
https://macaroniempitsu-wheeloflife.com/

■CD店舗別予約・購入者特典情報
下記ショップにて、ご予約・ご購入の方に先着でオリジナル特典をプレゼント。
特典は数がなくなり次第終了となりますので、ご希望の方は是非お早めにご予約ください。
※特典の内容はショップ毎に異なります。

■TOWER RECORDS / TOWER RECORDS ONLINE ※一部店舗を除く
オリジナルステッカー
■Amazon.co.jp
メガジャケ
■楽天ブックス
A4クリアファイル
■セブンネットショッピング
アクリルチャームミニキーホルダー
■応援ショップ
告知ポスター(B2サイズ)
※上記オリジナル特典対象店舗は対象外となります。
※応援店対象店舗は後日店名掲載いたします。

※一部対象外の店舗もございますので、特典の有無に関するお問い合わせは直接各店へご確認下さい。

<マカロックツアーvol.15 〜あやかりたい!煌めきビューチフルセッション編〜>

■ONE MAN
4月 6日(木)KT Zepp Yokohama
4月13日(木)Zepp Sapporo
4月20日(木)Zepp Nagoya
4月27日(木)Zepp Fukuoka
5月10日(水)Zepp Osaka Bayside
5月18日(木)Zepp DiverCity

■TWO MAN
4月 7日(金)KT Zepp Yokohama  ゲスト:Vaundy
4月14日(金)Zepp Sapporo    ゲスト:くるり
4月21日(金)Zepp Nagoya     ゲスト:サンボマスター
4月28日(金)Zepp Fukuoka     ゲスト:ウルフルズ
5月11日(木)Zepp Osaka Bayside ゲスト:My Hair is Bad
5月19日(金)Zepp DiverCity    ゲスト:UNICORN

この記事をツイート

この記事の関連情報