【ライブレポート】布袋寅泰、beat crazy限定公演にのんゲスト出演「いけるところまで一緒にいこうぜ!」

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布袋寅泰が2月26日、東京・Zepp DiverCityにてファンクラブ・スペシャルライブ<beat crazy Presents Special Gig「B.C. ONLY +1 2022」(振替公演)>を開催した。“B.C. ONLY”というどんな曲が飛び出すかわからない緊張感と期待の高揚感溢れる会場には、スペシャルゲストに女優であり創作あーちすと・のんが登場。ジェフ・ベック、高橋幸宏、鮎川誠を追悼するシーンもあった。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆布袋寅泰 画像

コアなファンと向き合い、通常のライブやツアーではやらないレアな選曲が魅力のステージが<B.C. ONLY>だ。いわゆるリリースやアルバムに紐づかない作品が聴けるスペシャル公演ゆえ、どんな曲が飛び出すかわからない。2023年、ファンクラブ『beat crazy』は結成20周年となる。布袋は今回のスペシャルライブ<B.C. ONLY>について、MCでこう語った。

「ある意味、僕にとって実験の場でもあるし。つべこべ考えず音を楽しめる場所でもあって、パーティーでもあり真剣勝負でもあり」──布袋寅泰

しかも、東京会場はZepp DiverCityというライブハウス。フロアとの距離が近く、臨場感に満ちたパフォーマンスを浴びることができる。さらには念願の“声出し”解禁である。3年間、夢に見ていた光景だ。

オープニングは「I'M FREE」。壮大な世界観を持つハイヤーセルフ(高次元に存在する自己の魂)をテーマとしたロックチューンだ。布袋はピンクのジャケットを羽織り、ZEMAITISのMETAL FRONTを奏でる。今回のバンドメンバーは、黒田晃年(G)、井上富雄(B)、古田たかし(Dr)による4ピース。シーケンスなどの同期を使わず、「DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT」「DOBERMAN」と続くロックナンバーを骨太なバンドサウンドで響かせる。キーボーディストやマニピュレーターのいるツアー時のアレンジとは異なり、ギターエフェクトを駆使した生々しくもレアでプリミティヴなサウンドが、耳に新鮮だ。

インストによるダンサブルなパーティーロック「FINGER SKIPPIN' JIVE」、レコーディングでは全ギターパートをブライアン・セッツァーに委ねた「King & Queen」、シングル「さらば青春の光」のカップリング曲「七年目の幽霊」といった楽曲が緩急つけてプレイされる。選曲もマニアックだ。さらは、ジェフ・ベックへ哀悼の意を表すシーンも。ジェフ・ベック・モデルを用いて自身のナンバー「ハウリング」を演奏し、切ない泣きの音色が空間いっぱいに響き渡った。


中盤にはSEが鳴り響き、スペシャルゲストとして、のん(旧活動名は能年玲奈)が登場するサプライズ。のんは音楽活動も盛んに行っており、テレキャスターを愛用するギタリストでもある。思いがけないゲストにオーディエンスが沸き立った。こんなスペシャルなセッションが起こるのも<B.C. ONLY>ならではだ。

のんとのセッションでは、音楽シーンを牽引した先輩であり、先ごろ天国へ旅立たれた高橋幸宏や鮎川誠への追悼として、グラムロック・テイストな「タイムマシンにおねがい」(サディスティック・ミカ・バンド)、ウォール・オブ・サウンド風な「ユー・メイ・ドリーム」(シーナ&ザ・ロケッツ)が披露された。天を貫くロッキンかつアッパーなのんの歌声によってカバーされたこれらナンバーに、様々な思いがよぎり思わず涙したオーディエンスも少なくない。

また、のんによるソリッドな8ビートチューン「やまないガール」では、一歩後ろで布袋がギタリストに徹した姿も印象的だった。ボーカリストを斜め後ろから見る布袋の視線。40年にわたる布袋の様々な物語が呼び起こされる一幕でもあった。なお、のんオリジナル楽曲「やまないガール」はビートの効いたニューウェーブ調ロックソングであり、布袋サウンドとの相性も抜群だ。「布袋さんとこの曲を一緒に演奏できて、めちゃくちゃ楽しい!」とのん本人もオーディエンス同様に盛り上がった。


のんがステージを降りた後も勢いそのままに、布袋寅泰のロマンティックな側面である「Shape Of Pain」をはじめ、「London Bridge」「DANCING WITH THE MOONLIGHT」といった煌びやかなプレイにフロアが酔いしれる。そして曲順は前後するが、「BEAT EMOTION」「C'MON EVERYBODY」といったナンバーの連発は、この夜のとどめ。馴染み深い人気チューンが圧巻の演奏力を持つ4ピースによってフレッシュに繰り広げられて、会場は破裂寸前の大盛り上がり。オーディエンス全員のジャンプで、Zepp DiverCityがリアルに大揺れした。とりわけ、「BEAT EMOTION」間奏のスリリングな掛け合いは鳥肌もの。スキルフルな極上のプレイにbeat crazyが度肝を抜かれた。

「サンキュー、beat crazy! 今日は久しぶりにみんなとロックンロール出来て、嬉しかったです。(beat crazy結成)20周年と言わず、30周年、40周年。と言わず50周年、60周年、70周年。とにかくいけるところまで一緒に行こうぜ! 今日はありがとう!!」──布袋寅泰

と語った布袋は最新アルバム『Still Dreamin’』から「Let's Go」を最後の曲としてプレイ。布袋寅泰音楽活動40周年を経て、さらなるネクストステージへ突き進んでいく決意表明が、サウンドを通じて宣言された。なお同公演の模様は、3月7日までアーカイブ配信を実施中だ。3月5日までにファンクラブ入会すれば、3月7日19時のチケット販売終了に間に合うとのこと。

撮影◎山本倫子

■<beat crazy Presents Special Gig「B.C. ONLY +1 2022」(振替公演)>2023年2月26日(日)@Zepp DiverCity (TOKYO)セットリスト

01. I'M FREE
02. DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT
03. DOBERMAN
04. FINGER SKIPPIN' JIVE
05. King & Queen
06. 七年目の幽霊
07. ハウリング
08. タイムマシンにおねがい [with のん]
09. やまないガール [with のん]
10. やるだけやっちまえ! [with のん]
11. ユー・メイ・ドリーム [with のん]
12. Shape of pain
13. BEAT EMOTION
14. C'MON EVERYBODY
15. London Bridge
16. DANCING WITH THE MOONLIGHT
17. Let’s Go

■<beat crazy Presents Special Gig「B.C. ONLY +1 2022」(振替公演)>Live Streaming

アーカイブ配信:2023年3月7日(火)23:59まで
▼チケット
2,750円(税込)
配信チケット販売:3月7日(火)19:00まで
※チケット代金とは別に1枚220円のシステム利用料、1枚110円の配信サービス料がかかります。
購入資格:beat crazy正会員 / アーカイブ配信 [3月5日(日)時点]
配信詳細:https://www.beatcrazy.net/posts/pages/lbfndf

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