【ライブレポート】双極スペクトラム、新旧メンバーで迎えた2周年「次はワンマンでこの場所に来たい」

3月2日、双極スペクトラムが2周年記念主催イベント＜未来を花束にして＞を開催した。舞台となったのは、3千人以上を収容するキャパシティーの豊洲PIT。計13グループが集結し、双極スペクトラムの2周年を盛大に祝った。

◆ライブ写真

双極スペクトラムは、6人組のメンズアイドルグループ。結成時からのオリジナルメンバーである田嶋はる、禊、ゆうに加え、1年前に加入した無敵てるくん、さくま(さくま)、赤色時雨で構成されている。つまり、1年組と2年組で3人ずつ新旧メンバーが織り交ざるグループ体制になっているのだ。


「アイドル×バンド」がコンセプトの新型アイドルグループとして始動し、ワンマンライブではバックバンドによる生演奏でのステージを展開するなど、独自のスタイルでメン地下シーンを盛り上げている双極スペクトラム。メンバーも知らされていない大きな会場での公演が突然ライブのスクリーンで発表されたり、メンバー全員が整形手術をおこなったりと、話題が尽きないのもこのグループの大きな見どころだ。さらに、約一か月前には2月3日から3daysで開催されたアジア最大級のオールジャパンイベント＜JAPAN EXPO THAILAND 2023＞にも招かれ出演を果たすなど、目覚ましい活躍を見せている。


先述したとおり、双極スペクトラムは幾度かのメンバーチェンジを経て今に至る。今日は、たくさん悩み決断してグループを卒業していったメンバーの思いも乗せ、ステージに立っている。そのような気持ちもそこはかとなく感じられるライブだった。


ステージへ登場すると、コール＆レスポンスで会場を盛り上げ、「エピローグ」「サクライロメモリー」と、優しく温かい空気感あふれる楽曲でライヴをスタート。勢いのある曲でスタートを切るだろうと構えていたため、意外な選曲に少し驚かされたが、フレッシュさ、勢いだけでなく、歌もダンスも丁寧に届けるという新たな武器を携えて彼らは2周年を迎えたのだ。それにより、「オオカミ男と月兎」や「Chu-in trip realize」など、ノリの良いナンバーもライブ全体のメリハリをつけるうえで、とても良い効果を発揮していた。


メンバーがステージを去ると、スクリーンで新アー写と新曲のミュージックビデオを公開。各々の個性が光るメンバープロデュースの衣装に、会場からは黄色い声が上がった。新しい衣装に着替えたメンバーが再びステージに登場すると、軽快な電子音とポップ＆ダークな双極スペクトラムの世界観が詰まった新曲「デジタルタトゥー・ミーイズム」を披露。アグレッシブなステージングでファンを魅了した。

「最後に聴きたい曲なに？」という田嶋はるの問いかけに「愛情欲求シンドローム」と、ファンの元気な声が会場に響き、曲がスタート。最後まで一体感のあるステージを繰り広げた。


たくさんのお客さん、出演グループ、スタッフの皆さんにお礼を言い、「次は、ワンマンライヴで豊洲PITのステージに立てるようにしたいです」と、告げた禊。いつもメンバー同士でふざけ合って面白おかしくMCをする彼らだが、今日は少し違った。禊の言葉が会場に響いている間、今までにないほど真剣でたくましい6人の表情から、3年目も高い目標を持ち進んでいくという強い意志を確かに感じたからだ。

活動から1年目のメンバー、2年目のメンバー、結成当時から彼らを応援している人、最近ライヴに来始めた人、みんなにとっておめでたい日は、未来への大きな期待とともに幕を閉じたのだった。

文◎藤代冬馬
撮影◎堅田ひとみ　(株式会社LINKSOLU)