【ライブレポート】LADIESROOM、3年ぶりツアーのファイナルに変わらぬ膨大な熱量

LADIESROOMが3月10日、東京・新宿BLAZEにて約3年ぶりとなるツアー＜THE LADIESROOM SHOW!! Re-START＞のファイナル公演を開催した。千葉・柏PALOOZAを皮切りに、愛知・名古屋、岐阜、大阪2Days、北海道・札幌2Daysといった全国5ヶ所7公演を経て迎える最終公演が東京・新宿BLAZEだ。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆LADIESROOM 画像

新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックによって、2020年以降に予定していたツアーは全てキャンセル。LADIESROOMはライブの開催を控えていた。というのも、LADIESROOMのステージはパーティーロック色が強く、オーディエンスを120%楽しませるためには声が出せる状況が必須、というメンバー全員の強い想いがあったからだという。この3年間、メンバーそれぞれはアコースティックライヴを重ねてきた。そしてLADIESROOMとして、満を持してのツアーが＜THE LADIESROOM SHOW!! Re-START＞であり、そのファイナルはとてつもなく熱量の高いものとなった。




SEとして、エアロスミスの「BACK IN THE SADDLE」が会場に流れ、フロアが瞬く間に一体感を高めた。オープニングナンバーは「DANCE! in the Back」。続いて「CONTROL」「ONE NIGHT STAND」「HOT LADY」といった懐かしいナンバーの4連発にフロアがヒートアップ。遠慮なく観客を煽るベーシストのGeorge。キレ味と安定感が同居したギターを笑顔で奏でるNAO。揺るぎなくパワフルなビートを叩くHIMAWARI。そして、変わらぬ甘いヴォイスで魅了しつつ、MCではファンとメンバーをおちょくり続けるHyaku。4人がステージに還ってきた。

結成から36～37年。メジャーデビューから31年。長いキャリアに裏打ちされた確かな演奏力を誇りながら、とても50代中盤とは思えぬパワーとエネルギーを休む事なく放出し続け、たたみかけるステージはまさしく圧巻。ライブ中盤に披露された「SEX SEX & ROCK'N ROLL」でのお馴染みの掛け合いが、フロアにパーティームードを満たしていく。口にすることをはばかられる言葉を笑顔で言わせるHyakuのヤンチャぶりも変わらない。それに笑顔で応えるオーディエンスも同様だ。




また、あまり知られていないかもしれないが、LADIESROOMには珠玉の名曲バラードが多数存在する。たとえば新宿BLAZEでは、「She's like a Rainbow」「RAIN IN MY HEART」ほか、アンコールで「Wonderful Tonight」がプレイされた。パーティーロックだけではない。年齢を重ねて深みを増したオトナの色気や温かみが存分に味わえる空間もある。観客は時に涙を浮かべながら、その世界に優しく包み込まれていたようだ。

さらには、Georgeがメインヴォーカルを務める「Purple Heaven」、ジェフ・ベックのインスト曲「Cause We've Ended As Lovers」のカバーではNAOの感情豊かなギターが響き渡るなど、演奏曲も多彩。これら楽曲がセットリストに起伏を生んで、ライブがうねりを上げて続いていく。

圧巻は「Hey Girls」「Shoot It!!」「Night To Night」、そしてHIMAWARIのドラムソロからの「Rocking House」だ。これでもか！と言わんばかりに攻撃の手をゆるめないアップテンポナンバー。メンバーもファンも激しく暴れ続け、ラストの「GET DOWN」まで本編全22曲の楽し過ぎる時間が瞬く間に過ぎ去った。



アンコールは「Wonderful To Night」「JUST LIKE A CANDY」。そしてツアーファイナルのラストを飾ったダブルアンコールは「SWAPPING PARTY」。ファンの鳴らすクラッカーも健在だ。「この曲だけ撮影OK」というメンバーからのお許しで、ファンはスマホとクラッカーを同時に駆使しながら全力で楽しんでいる様子。その模様は拡散されたSNSで確認することができる。全25曲、約2時間半のステージはあまりにも充実したものだった。

ステージでは気になる今後についても触れられた。日程こそ発表されなかったが、年内にまだまだライブをするとのことだ。LADIESROOMのライブ空間には、音楽に対する真剣で変わらぬ熱い気持ちがある。これぞロックバンドという生き方に溢れている。次なる活動発表をぜひチェックして欲しい。


撮影◎Yumika／Shoko Tsuge