【インタビュー】aiko、「“二人”を歌ってきたけど少しずつ大人になってきて“二人”の距離感も変わってきた」

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■毎日毎日「こんなことが起きたどうしよう」と思いながら過ごしてるので、人生楽しいです。

──収録曲についても聞かせてください。まずは1曲目の「荒れた唇は恋を失くす」。ロックテイストの華やかなサウンド、ダイナミックなメロディを軸にしたアッパーチューンです。

aiko:この曲を書いたとき、本当に唇が荒れてたんですよ(笑)。朝起きて、ちょっと荒れた唇を見て、「こんなんじゃ好きな人に嫌われるな」と思って。私、嫌なことや悲しいことがあったり、体調がちょっと良くないと、全部が“負”に向かってしまいがちなんです。「もう何もかもダメだ」って気持ちで歌詞を書くことも多いんですけど、「荒れた唇を恋を失くす」は、こうやって少しずつ変わっていく自分のことを受け入れたいし、愛していきたいなという思いを込めてます。曲調としては「アップテンポなロックにしたいな」と思ってたんですが、アレンジャーの島田昌典さんがとても華やかなアレンジに仕上てくれて。また違った味わいのある大好きな1曲です。

──島田さんはaikoさんの音楽制作に欠かせない存在ですよね。

aiko:私はほぼ“島田さん”で出来てますね(笑)。初めてたくさんの人に聴いてもらった曲――「花火」や「カブトムシ」──もそうですし、もう全部、島田さんが自分を作ってくれたと思っていて。今言ったみたいに「もうダメだ」みたいな気持ちで曲を書くこともあるんですが、ライブのアンケートに「落ち込んでたけど、aikoの曲を聴いて、やっぱりがんばろうと思いました」みたいに書いてくれる人もいっぱいいるんです。前のツアーで島田さんに初めてバンドメンバーとして参加してもらったんですけど、それも「ステージからの光景を一緒に見てほしいな」と思ったからなんですよね。

──「ぶどうじゅーす」は、時間の経過とともに変わっていく感情や関係を描いた曲。

aiko:ぶどうジュースって、ちょっと時間が経つとコップの上のほうが透明で、下のほうが濃くなるじゃないですか。緊張して飲めなくて、ふと気づくとジュースの色が分かれてて、水滴もついてて、「こんなに時間が経ったんだ」って思ったことがあって。この曲のなかではもっと長い時間が経過して、「こんなに経ったんだね」という気持ちを歌詞にしてるんですけどね。

──「ずっと二人で/あの時はこうだったなと」という歌詞も印象的でした。このフレーズはアルバムのタイトルにもつながっているのかな、と。

aiko:そうですね。自分では気にしてないつもりでも、たぶん頭の中に残っていたのかもしれません。今までもずっと“二人”を歌ってきたんですが、少しずつ大人になってきて、“二人”の距離感も変わってきた感じがしますね。

──ソウルミュージック的なグルーヴが気持ちいい「ワンツースリー」では、失恋した女の子がいろんな思いを抱えながら家まで帰る姿が描かれています。

aiko:この歌詞を書いたのは、だいぶ前なんですよ。ビークル(BEAT CRUSADERS)の新曲のMVがすごい流れていた時期だった気がします……。

──ビークルが解散したのが2010年なので、おそらく10数年前ですね。

aiko:そうでしたね(笑)。それくらいの時期に1番だけ書いたんですけど、まったく違う感じの曲だったんです。もっとアップテンポで、メロディもぜんぜん違ったんですけど、譜面台にこの歌詞を置いたときに、「今だったらこういうメロディにしたいな」と思って。それでできたのが「ワンツースリー」なんですよ。

▲通常仕様盤ジャケット

──だいぶ前に書いた歌詞に、まったく違うテイストのメロディを付けたと。

aiko:はい。そういうこと、けっこうあるんですよ。“同じ歌詞をまったく違うメロディで歌うライブ”というのもやってみたくて。実は以前、ライブの弾き語りコーナーでやったことがあるんですけどね。「プラマイ」という曲なんですけど、“あいつより好きだったとか/言わないで”(←と原曲とは違うメロディで歌う)という感じで。

──ほんとだ、ぜんぜん違うメロディですね! そしてアルバムの最後に収録された「玄関のあとで」は、美しく、切ないバラードナンバー。「溜まった玄関の靴に/日々の色々を感じて」というフレーズ、素敵ですね……。

aiko:ありがとうございます。玄関がグチャグチャになってるときがあったんですよ、実際に。いつもは揃えてあるんですけど、そのときは本当に忙しくて。出かけるときに、「これが最後になったらどうしよう」と思ったんです。キレイな光景も散らかってる光景も、もうふたりで見られないかもしれないなって。

──すごいイマジネーションですね! 玄関が散らかってるって、誰もが経験している普通の光景ですけども。

aiko:そうですよね。私はそういう風景を“生と死”くらいの感じに捉えちゃうので。寝るときなんかも、いろんな想像してますね。眠りが浅いタイプっていうのもあるんですけど、「今このドアを開けて、血だらけの人がたくさんいたらどうしよう?」とか(笑)。毎日毎日、「こんなことが起きたどうしよう」と思いながら過ごしてるので、人生楽しいです。

──(笑)。アルバム『今の二人をお互いが見てる』の楽曲を聴きながら、いろんな想像をめぐらせたいと思います。さらに新曲「いつ逢えたら」がアニメ『君は放課後インソムニア』の主題歌に決定しています。

aiko:1年くらい前にお話をいただいたんですけど、もともと好きな作品ので、「私でいいんですか?」ってビックリしました。私も眠れないタイプだし、「一緒だな。誰かの眠れない夜に届くといいな」と思いながら作った曲です。

取材・文◎森朋之

15th Album『今の二人をお互いが見てる』

2023年3月29日(水)発売
https://aiko.lnk.to/15thalbum

■初回限定仕様盤A(CD+LIVE Blu-ray)
品番:PCCA-15009
価格:5,830円(税込)

■初回限定仕様盤B(CD+LIVE DVD)
品番:PCCA-15010
価格:5,830円(税込)

■通常仕様盤(CD Only)
品番:PCCA-15025
価格:3,204円(税込)

※初回限定仕様盤A、初回限定仕様盤B:カラートレイ&三方背ケース仕様 パスステッカー封入

CD収録内容
01. 荒れた唇は恋を失くす
02. ねがう夜
03. あかときリロード
04. ぶどうじゅーす
05. さらば!
06. 食べた愛
07. 果てしない二人
08. のぼせ
09. アップルパイ
10.ワンツースリー
11. telepathy
12. 夏恋のライフ
13. 玄関のあとで

DVD/Blu-ray収録内容
aiko Live Tour「Love Like Rock Limited vol.2」@ 2022.10.11 Zepp Haneda

01.ゆあそん
02.させないで
03.ねがう夜
04.くちびる
05.その目に映して
06.赤いランプ
07.beat
08.エナジー
09.夏恋のライフ
10.そんな話
11.アスパラ
12.メドレー
13.クラスメイト
14.花火
15.列車
16.果てしない二人
17.帽子と水着と水平線
18.ストロー

特典映像:LLRL2 backstage
2022 X'mas Live〜朝の鳥 director's cut〜
副音声:aiko Commentary

・CDショップ 予約購入先着特典
TOWER RECORDS全店(オンライン含む):「シューレース〜想紐がいっぱい〜」(TOWER RECORDS ver.)
HMV全店(HMV&BOOKS online含む):「シューレース〜想紐がいっぱい〜」(HMV ver.)
セブンネットショッピング:「シューレース〜想紐がいっぱい〜」(セブンネットショッピング ver.)
Amazon:「シューレース〜想紐がいっぱい〜」(Amazon ver.)
楽天ブックス:「シューレース〜想紐がいっぱい〜」(楽天ブックス ver.)
※aikoオリジナル配送BOXでのお届け
その他法人+aiko online store:「シューレース〜想紐がいっぱい〜」(応援店ver.)
※詳細はオフィシャルサイトにて

<aiko Live Tour「Love Like Pop vol.23」>

2023年
5月24日(水) 東京: J:COMホール八王子
6月2日 (金) 愛媛:松山市民会館
6月4日 (日) 香川:レクザムホール
6月10日(土) 宮城:仙台サンプラザホール
6月11日(日) 宮城:仙台サンプラザホール
6月15日(木) 新潟:新潟県民会館
6月24日(土) 東京:NHKホール
6月25日(日) 東京:NHKホール
7月4日 (火) 宮崎:宮崎市民文化ホール 大ホール
7月6日 (木) 熊本:市民会館シアーズホーム夢ホール
7月11日(火) 大阪:フェスティバルホール
7月12日(水) 大阪:フェスティバルホール
7月22日(土) 広島:上野学園ホール
7月23日(日) 広島:上野学園ホール
7月28日(金) 京都:ロームシアター京都 メインホール
7月30日(日) 滋賀:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
8月4日 (金) 北海道:札幌文化芸術劇場hitaru
8月6日 (日) 青森:リンクステーションホール青森
8月10日(木) 兵庫:神戸国際会館こくさいホール
8月12日(土) 福井:フェニックス・プラザ
8月24日(木) 岡山:倉敷市民会館
8月26日(土) 島根:島根県民会館
9月3日 (日) 大阪:フェスティバルホール
9月4日 (月) 大阪:フェスティバルホール
9月9日 (土) 愛知:名古屋国際会議場センチュリーホール
9月10日(日) 愛知:名古屋国際会議場センチュリーホール
9月14日(木) 福岡:福岡サンパレスホテル&ホール
9月15日(金) 福岡:福岡サンパレスホテル&ホール
9月27日(水) 東京:NHKホール
9月28日(木) 東京:NHKホール

■チケット料金:6,800円(税込)
※入場時、別途ドリンク代必要
※未就学児入場不可、小学生以上はチケット必要
※公演日によって開場/開演時間が異なります。
※開場/開演時間は変更になる可能性がございます。

配信シングル「いつ逢えたら」

URL:https://aiko.lnk.to/itsuaetara
※4月10日(月)23:59まではApple Music「Pre-add」、Spotify「Pre-save」のみ利用可

アナログレコード第一弾

2023年7月17日(月)発売
生産限定盤/180g重量盤
予約:https://aiko.lnk.to/analog_230717

■「小さな丸い好日」
品番: PCJA-15001
価格:4,950円(税込)

■「桜の木の下」
品番: PCJA-15002
価格:4,950円(税込)

■「夏服」
品番:PCJA-15003
価格:4,950円(税込)

■「秋 そばにいるよ」
品番:PCJA-15004
価格:4,950円(税込)

■早期購入特典
※全国のCDショップにて、2023年7月17日発売「小さな丸い好日」「桜の木の下」「夏服」「秋 そばにいるよ」アナログレコードを4枚まとめて予約購入すると、先着で購入特典をプレゼント
※特典の内容は後日発表

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