【ライブレポート】SHE'S、管弦楽団を従えたホール公演＜シンクロ＞で「最高にピースフル」

SHE'Sが3月21日、東京・LINE CUBE SHIBUYAで＜Sinfonia “Chronicle” #3＞(通称 シンクロ)を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆SHE'S 画像

＜シンクロ＞はSHE'Sが2018年5月から行っている管弦楽団を従えたホール公演で、今回が3回目となる。＜Sinfonia “Chronicle”＞というツアータイトルには︎、交響曲の語源となる“Sinfonia”と年代記を意味する“Chronicle”──つまりオーケストラと共に奏でる音楽をこれから続けていくという決意と、バンドと弦・管楽器のハーモニーと共に貴方の心とつながりたいという願いが込められている。

開演を告げるブザーが場内に響くと、遊園地に来たかのようなワクワク感が満員のLINE CUBE SHIBUYAに広がり、光に照らされた紗幕の後ろでSHE'Sと管弦楽団によってオープニングが奏でられるという始まり。観客が送る拍手のリズムでスタートした「Blue Thermal」に続き、「Higher」「追い風」「Masquerade」などファンに人気の高い楽曲が管弦楽団によりリアレンジされて披露される。SHE'S楽曲の特徴でもある耳馴染みの良いメロディと井上竜馬(Vo)の伸びやかな歌声が管弦楽団の音色にマッチし、心地よい空間が出来上がっていく。





「少しファンの皆さんに近づきたい」とステージ前方に移動して4人だけで魅せるアコースティックセットでは、「Beautiful Bird」「Not Enough」を披露。4人の絆を感じさせるパフォーマンスに、観客席からも感嘆の声がもれた。

さらに「Letter」「Chained」「Raided」など代表曲を次々と披露。ライブ終盤の「Dance With Me」では井上竜馬が全身で音楽を楽しむかのように飛び跳ねながらパフォーマンスし、会場のボルテージも最高潮に達した。



MCでは4人とも関西弁と緊張を感じさせないトーンで、集まったファンに感謝を伝えた。

「めちゃくちゃ楽しいです。ライブは本当に生きかえる。シンクロがはじまって、すごく楽しくて、こういう場を経験するとライブしてない時とのギャップがすごいんです。好きな音楽を作って、好きって言って集まってくれる方がいて、共有して楽しむということは最高にピースフル。当たり前じゃない。出会ってくれてありがとうございます！」

圧倒的なパフォーマンスと身近感のあるトークのギャップが好きだというファンも少なくないはず。さらに本編ラストのMCではこう語った。

「やる気がおきなくて、悲しくて、深い海にもぐるような日もある。そんな暗い夜も、楽しくて嬉しくて明るい気持ちの時も、そばにいろんな音楽があります。いろんな感情になった時、いろんな場所で、日々の中で“音楽”というお守りが見守りますように、祈りを込めて、お届けします」

本編ラストナンバーは「Amulet」だった。会場に集まった約2,000人のファンの心にも深く届いたことだろう。

アンコールは、5月24日に発売されるニューアルバム『Shepherd』から「Happy Ending」を披露。舞台上には、“歌詞も見ながら聴いてほしい”という思いから井上竜馬が手書きしたという歌詞が表示された。ライブを観たファンからは“一度聞いただけで大好き” “泣いた”と言った声が寄せられているという。



なお、アルバム『Shepherd』の初回限定盤の特典映像には、2月26日に大阪・フェスティバルホールで開催された＜シンクロ＞のライブ映像がアンコール含む全編フル収録される。さらには本日3月22日より＜Sinfonia “Chronicle” #3＞at フェスティバルホール (2023.02.26)のセットリストがプレイリストとしてSpotifyとApple Musicにて公開(https://shes.lnk.to/chronicle3PR)されている。今後LINE MUSICでも公開される予定とのことだ。

SHE'Sは6月からはアルバムを引っ提げての全国ツアー＜SHE'S Tour 2023 “Shepherd”＞を開催する。

撮影◎MASANORI FUJIKAWA