【インタビュー後編】THE SUPER FRUIT「僕ら一人ひとりの世界観を出せるような広い振れ幅の曲調でたくさん踊ってほしい」

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2023年第1弾作品として、2ndシングル「サクラフレフレ」をリリースしたTHE SUPER FRUIT。インタビュー前編では「サクラフレフレ」を通して見える各メンバーのパーソナルな思いなどを聞いたが、後編では「素敵なMy Life」とメンバーそれぞれの解釈を照らし合わせながら、音楽に対する思いを語ってもらった。

■好きなことをやらせていただいてるので
■頑張ることを苦だと思ってないところがある


――2ndシングル『サクラフレフレ』のc/w曲「素敵なMy Life」は肩の力が抜けたリラックスムードのあるサウンドなので、ライヴなどでもお客さんと目を合わせながらパフォーマンスできるのではないでしょうか?

田倉暉久:「素敵なMy Life」は「サクラフレフレ」みたいな応援歌や、「チグハグ」みたいな個々を認める曲で届けてきた気持ちを、もっと優しくもっと気楽に友達に話す感覚で伝えられる曲だと思っています。スパフルには初めての雰囲気の曲ですね。

阿部隼大:スパフルのダンスは比較的どの曲もぎっしり構成が詰まっているんです。でも「素敵なMy Life」は今までの曲に比べると結構ゆったりと、止まるところはのんびり止まれるので、会場に来てくれた方の顔も見やすいかなと思っています。

小田惟真:おまけにスパフルの振り付けは全員が端から端まで移動することが多いので、「素敵なMy Life」はしっかり目の前の人に伝えられる感覚がありますね。

鈴木志音:メンバー同士で目を合わすタイミングも多い振り付けなので、7人で作った空気感を客席のみんなに伝えられている感覚がありますね。まずは自分たちで楽しんで、それをそのままお届けできるのもすごく楽しいです。

堀内結流:振り付けに手をつなぐシーンもあって、そこでメンバーの顔が見えるとイエイ!みたい感じにテンションがアガったりするんです(笑)。だから自分もそこで安心感が生まれたりリラックスできるんですよね。それをファンの方に届けられるので、そういうパフォーマンスができるという意味でも大好きな曲ですね。


▲「サクラフレフレ」【初回限定盤】


▲「サクラフレフレ」【通常盤】

――「素敵なMy Life」には、“根詰めすぎないでリラックスしよう”というメッセージが綴られています。THE SUPER FRUITはマネージャーさんと綿密なミーティングをしたり、どんどん技術を向上させたり、SNSやライヴにも力を入れていたりと努力家のイメージもあるのですが、“頑張る”という感情とはどのように付き合っていますか?

THE SUPER FRUIT:頑張る……?(※首をかしげて顔を見合わせる)

――その感じだと、日頃の行動は“頑張る”や“努力している”ということを、あえて意識していないようですね。

星野晴海:好きなことをやらせていただいてるので、そこで頑張ることを苦だと思ってないところがあるのかも。だから自分たちを頑張ってると思わないのかな……?

阿部隼大:晴海の言ったこともそうだし、あとは一つひとつの活動に目的を持っているからだと思います。たとえばライヴは観てくれる方のためだし、技術を上げるのは自分の財産にもなる。全部目的がしっかりあるから、とことんやれるんだと思います。だから結果的に努力はしているんだろうけど、意識して努力しているのとは少し違うというか。

小田惟真:僕も“頑張る”って意識は、良い意味でないかもしれない。全部“できるようになりたい”と思ってやっていることだから楽しいんです。たぶん“頑張ってこれをやんなきゃ”って追い込んじゃうとつまんなくなっちゃう。頑張るってなんなんだろう……?(笑) 僕はまだわかんないんです。

星野晴海:“頑張る”っていうよりは、“夢中になってる”って感じかもね。

小田惟真:うんうん。“頑張ろう”とか考える前に行動に移してる。楽しくできる方法で成長できたらなと日々思っているし、それが運よく今の仕事に当てはまってるんです。だからTHE SUPER FRUITの活動をできることが自分にとっての癒しというか。自分でダンスをするのも好きだし、ほかの人のダンスを観ているのは楽しいし勉強もできるから一石二鳥!(笑)

星野晴海:とはいっても活動で気が沈むこともたまにはあって。そういうときは帰りに甘いものを買ったり、休日は自然が多い場所に旅行に行くようにしています。好きな仕事をしていても好きなことばかりできるかというとそういうわけではないから、そういうことが終わったらちゃんと自分にご褒美をあげてます(笑)。


▲小田惟真(アップルカラー)

――それが星野さん流の“素敵なMy Life”ということですね。

小田惟真:そういうオンオフで言うと、志音くんがいちばんじゃない? いつも休日をすごく有意義に過ごしてる。

鈴木志音:オフはオフでいたいというのがあって、休むときはしっかり休んでいます(笑)。その切り替えがしっかりできると調子がいいんですよね。普段から力まずに歌うのが好きなので、「素敵なMy Life」のレコーディングもそういう雰囲気を大事にして。歌詞もすごく自分に合っていて、特に《僕は僕でしかないので》という部分は確かにそうだなと思いました。だからこの曲を歌わせてもらったことはすごくうれしいし、これからもっと歌もダンスも頑張りたいなと思ったんですよね。

阿部隼大:僕は志音とは逆に、歌とダンスという最大の趣味がお仕事になったので、オンとオフの境目があんまりないぶん張り詰めすぎちゃったこともあるんです。だからそういうときは、“歌もダンスももともと趣味なんだから楽しもう”と考え方を変えるとちょっと気分転換できますね。

松本勇輝:僕はもともと、自分が遅れを取っていると感じると焦りやすい性格なので、「素敵なMy Life」の“焦らずに自分なりに頑張れたらいいんじゃない?”という意味合いの歌詞はすごく響いたんですよね。僕もそういうふうになれたらいいなと思いながら踊っているし、最近は自分なりの頑張り方でお仕事に向き合えるようになってきたなと思います。


▲田倉暉久(オレンジカラー)

――田倉さんは「素敵なMy Life」の歌詞をどのように解釈しましたか?

田倉暉久:僕は普段から意識してリラックスしたり、リラックスできてないなと感じることがあんまりないので、この歌詞を自分に当てはめるとどんなシチュエーションだろう……? といろいろ考えたんです。だから僕にとって「素敵なMy Life」に書かれている“リラックス”は無意識下で行ってるものなのかなという結論に至って。たとえば座り方ひとつで、ちょっと落ち着いたりできるからそういう感じなのかなって。まだ僕には“頑張りすぎる”や“リラックス”に対する解釈はちょっと難しいかもしれないです。

堀内結流:テル(田倉)はよく寝るんですよ。そうやって無意識のうちに気を抜いてるのかなって。この取材が始まる直前も寝てたんです(笑)。

田倉暉久:あははは、自分で気付かない間にリラックスしてるんだね(笑)。


▲星野晴海(レモンカラー)

――THE SUPER FRUITは小田さんと田倉さんが固定ヴォーカルで、あとのメンバーさんは曲ごとにローテーションでヴォーカルを務めるという3ヴォーカル+4ダンサーの構図も特徴的ですが、皆さんは“歌”のどんなところにパワーを感じていますか?

阿部隼大:歌はすべての感情を後押しできると思うんです。楽しいときは盛り上がる曲を聴くとさらに楽しい気分になれるし、ちょっと嫌なことあって悲しかったら、悲しい曲を聴いて思いっきり悲しんですっきりして、明日から復活できたりもするし。だからその感覚は、レコーディングでもライヴでもすごく大事にしています。しっかり曲を理解して、歌詞を読み解いたうえで臨んでいます。

――阿部さんのヴォーカルの幅広さは、そういう思いから来るものなんですね。

堀内結流:そうなんですよ。隼大くんはほんと、どんな曲も歌いこなせるんです。

阿部隼大:ありがとうございます(照れ笑い)。曲によって歌い方から変えるようにはしています。「ボクらの夜明け」も「馬鹿ばっか」も「Someday」も、それぞれ世界観も言いたいことも全然違うので、曲に合わせて綺麗めにしよう、主張強めにしようとかは考えるようにしています。


▲堀内結流(メロンカラー)

――皆さんはいかがでしょうか?

松本勇輝:幼い頃から歌が大好きなので、歌は僕の中では結構かけがえのない存在であり、日常ですね。つらいときは歌を聴いて乗り越えてきましたし、みんなの前で歌うようになって反応が自信につながっていきました。あと、やっぱり歌にも言霊が宿ると思うんです。「サクラフレフレ」でもどうしたらもっとうまく伝えれるんだろうと考えたり、ここは個人的にもすごく伝えたいフレーズだから語りかけるように歌おうとか、そういうことを意識するようにしています。

堀内結流:僕にとっても歌は必要不可欠というか、食べ物と同じように自然と求めちゃうものですね。聞き流しているだけでも、耳が和む感覚があるんです。気持ちを高めるものでもあるし、リラックスさせてくれるものでもあるので、すごい力を持っていると思いますね。自分もそういう歌を届けられる人間になりたいです。

鈴木志音:歌もダンスも共通しているのが、“感情が乗っている”ということだと思うんです。僕らの伝えたいことが、そのまま受け手の人の身体に入っていく感じがすごくして。そういう直接伝えられる感覚や、伝えたいことをちゃんとストレートに伝えられる方法だと思います。

星野晴海:歌はどんなものも何かしらのメッセージ性を持っていると思っていて。たとえば意味がない言葉を並べてるだけの曲も“音を楽しむ”という本来の音楽の楽しみ方をしてほしい、といった意図があると思うんです。スパフルには語り掛けるような歌詞が多いので、この曲で自分が何を伝えたいのかをちゃんと消化して、臨むようにしています。


▲松本勇輝(ピーチカラー)

――固定ヴォーカルを務めるおふたりはどう捉えていますか?

小田惟真:人と人をつなぐ話題になるのが歌だと思います。友達とカラオケに行くと“あ、この子こういう歌をこんなに楽しそうに歌うんだ”と発見があったり、自分の興味も広がるんですよね。だから人との距離を縮められるひとつのルートという気もしていて。

田倉暉久:音楽って人生の付箋みたいなものだなとも思っていて。たとえば“学生の頃のつらかったときにこの曲を聴いて励まされてたな”とか、“すごく楽しかったときにこの曲を聴いたな”という思い出も、音楽を聴くと鮮明に蘇ってきますよね。歌には自分の人生の大事なことを記憶しておく力があると思うので、自分たちが歌うときも“もしかしたらこの曲が聴いてくれたにとってのそれになるかもしれない”と思っています。


▲鈴木志音(グレープカラー)

――7人それぞれ、歌に対する解釈も変わってくるんですね。それで調和が取れた歌が聴けるのも、とても興味深いです。

田倉暉久:惟真と僕は声質や歌い方が違うようでいて似ていて、自然とバランスが取りやすいんだと思うんです。僕らふたりが選出されたのは歌唱力というよりはそういう部分が大きいんじゃないかなと個人的には思っていて。だから調和とかを意識しなくても、7人それぞれ自分なりの向き合い方で歌えているのかなと思っています。


▲阿部隼大(ココナッツカラー)

――今回のシングルで、さらに曲調のバリエーションが広がりましたね。この先皆さんがどんな音楽を発信していくのだろうという期待も高まりました。

小田惟真:いろんな曲調の音楽を発信できるのが、僕らとしてもすごく楽しいんです。だからこの先もっといろんな系統をやっていきたいなと思っています。

星野晴海:僕は四季折々の感じや、クリスマスやバレンタインデーみたいな季節のイベントごとが好きなので、初めて「サクラフレフレ」で季節の歌を歌えたことがうれしいんです。“この季節になったらこの曲聴きたくなるよね”みたいな曲や、そのシーズンになったら街のなかに流れて自然と耳にするような、そういう曲がスパフルに増えてくれたらいいなと思っています。自分たちの好みが色濃く出た曲ができていくと、もっともっと楽しいんだろうなと想像したりしますね。

鈴木志音:僕個人としてはDTMをやったりしているので、いつか自分たちだけで楽曲を作って、ダンスも自分たちで考えて……みたいにオールセルフプロデュースする曲やステージを作ってみたいです。

阿部隼大:個人的にはバラードがやってみたくて。これまでとは違う寄り添い方ができるんじゃないかなって。

田倉暉久:あと、王子様ソングとかやれたらいいなあ。やれるのはもうちょっと先だと思うけど(笑)。

――長いスパンで未来のことを考えられることも、やりたいことがこれだけぽんぽん湧き上がってくることも、THE SUPER FRUITが良い空気感で活動できていることを物語っていますね。

小田惟真:あ、あれやりたい! 自己紹介ラップ!

6人:あ~いいね~!!

小田惟真:あとフルーツの着ぐるみ着たい。

6人:着ぐるみ……!?(笑)

阿部隼大:7人で歌う曲もあってもいいですよね。またライヴも楽しくなりそう!

松本勇輝:スパフルの曲はテンポが速くてノリの良い曲が多いけど、実は歌詞を読むと“個性を大事にして”とか“自分を大事にして”と呼び掛けているものが多いんですよね。僕自身それに勇気づけられるので、今後もこんな感じで僕ら一人ひとりの世界観を出せるような曲をたくさん、広い振れ幅の曲調でたくさん踊っていけたらなと思っています。

取材・文:沖さやこ



リリース情報

2nd Single「サクラフレフレ」
発売日:2023年3月22日
レーベル:TSUBASA RECORDS
【初回限定盤 CD +DVD】¥3,600(税込)TRAK-189
【通常盤 CD ONLY】¥1,200(税込) TRAK-191
【CD収録内容】
01. サクラフレフレ
02. 素敵なMy Life
03. ボーナスラジオ「THE SUPER FRUITの桜満開!笑顔満開! フレフレ!トークタイム!」※通常盤のみ収録

【初回限定盤付属DVD】
■THE SUPER FRUIT × 世が世なら!!! 「はじめての2MAN SHOW~スパ世が僕らの22夏は終わらない~」@表参道GROUND(2022.9.25)
01. Seven Fruits
02. パノラマ
03. Someday
04. スパフル00-Dance-
05. Dance Section
06. ボクらの夜明け(ピアノアレンジバラードver.)
07. 学園天国
08. 君はリアコ製造機
09. チグハグ

ライブ・イベント情報

THE SUPER FRUIT × 世が世なら!!!
<2ND 2MAN SHOW~僕らの23春 花開け!スパ世が成長物語~>
日程:2023年4月15日(土)
会場:Spotify O-EAST
開場 / 開演:16時00分 / 17時00分
チケット:4,800円税込(ドリンク代別途600円)
※全自由・整理番号あり
出演:THE SUPER FRUIT / 世が世なら!!!
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