【ライブレポート】ODDLORE、新たなステージへ

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3月25日、ODDLOREが東京・Club Mixaにて<ODDLORE FREE LIVE -Under Test 06->を開催した。2022年9月からスタートした同公演は、今回が6回目。ODDLOREがどんなパフォーマンスを見せるのかを知ってもらうために、無料でほぼ毎月開催してきた。それも今回がラスト。ここから新たなステージにステップアップしていく6人の様子を伝えるべく、昼公演をレポートしたい。

◆ライブ写真

オープニングムービーが流れると黒の衣装を着たメンバーが登場。「-Under Test- Dance Performance」でライブがスタートする。6人でのダンス、数人でのユニットダンス、そしてソロダンスそれぞれが圧倒的にレベルアップしており、迫力満点だ。さらにRIONはキレがありつつも爽やか、RYUICHIROは軽やか、RIKITOは力強いなど、一人ひとりの個性も伝わってくる。


会場から大きな拍手が巻き起こると、続いてはデビュー曲の「Hazed Reality」へ。そのパフォーマンスからは約6ヶ月積み上げてきた努力の跡がしっかり見える。といっても単に「慣れた」のではなく、「楽曲の世界観に没入している」と言った方が正しいだろう。もう1つのデビュー曲「Lucid Dream」はビートが強いナンバーとあり、さらに会場はヒートアップ。メンバーたちも自分のパート以外も口ずさんだり、各メンバーのソロパートを他のメンバーが盛り上げたりと、楽しんでいる様子が伝わってきた。続けて、ステージ上にスタンドマイクがセッティングされて始まったのは、KOYAにフォーカスした楽曲「The Revelation」。エモーショナルに歌詞を紡いでいくKOYAの姿は圧巻である。さらに、メンバーたちのハーモニーも美しい。



RIONが「<Under Test 06>にお越しの皆様、はじめまして。そして、お久しぶりです。声を出すのもOKなので、思うように楽しんでいってください!」と語ると、「SKIN DEEP」へ。アップテンポのナンバーに観客の体も今まで以上に揺れていく。ぴったり揃った6人でのユニゾンダンスもキマった曲終わり、センターに立ってポーズを取っていたRIONが、暗転する直前に掲げた右手でピースサインを作ると、思わず客席からは歓声と指笛が鳴り響いた。



その盛り上がりのまま、「楽しむために、サビはみんなで手を上げて一緒に振っていきましょう」とRYUICHIROのレクチャータイムへ。RIKITOもステージに登場し、2人の歌声に合わせて手を振る練習をしていく。「この調子でみんなで盛り上がっていきましょう!」と笑顔を見せると、「BRIGHT SIDE」をスタートさせる。メンバー同士笑い合ったり、観客一人ひとりを見渡すようにしたり、丁寧にパフォーマンスをすると、「where I belong」へ。RIKITO1人がステージに登場し、美しい歌声を披露。彼の高音ボーカルをじっくり楽しんでいる間に、楽曲の世界に引き込まれていった。


JOSHが「ラスト2曲、後半戦になりました! まだまだ盛り上がっていきましょう。自分の心曝け出して楽しんでいきましょう」とシャウトすると、「HOLLOW」が始まる。JOSHが粘度高めの重々しい歌声で楽曲の世界観を表現していく一方、他のメンバーはあえて軽めな歌い方をしてみたり、アタックを強くしてみたりと多彩さを加え、奥行きを広げていった。ここで雰囲気が一転。YUIの柔らかく優しい歌声で始まったのは、ラストナンバーである「ORTUS」。会場の隅から隅まで見渡しながら、まるでここまで見てくれたことへの感謝を伝えるように歌詞を紡いでいく。先程までの熱気をクールダウンさせるかのように、穏やかで爽やかな空気のままライブパートが終了した。


エンディングムービーが流れ終わるとMCタイムへ。改めて1人ずつ自己紹介をすると、「僕たちの口からお知らせしたいことがございます」とKOYA。8月16日に1stアルバムのリリースが決定したこと、4月28日に1stアルバムに収録されている新曲「Embers」が先行配信リリースされることが発表された。会場からは「おめでとう!」という歓声が飛び交い、メンバーたちも「ありがとう!」と笑顔を見せる。ちなみに、「Embers」はRIKITO曰くデビュー曲「Hazed Reality」のアンサーソング。アップテンポらしく、どんな内容になるのか今から楽しみだ。

そして、<Under Test>は今回が最後ということで、1人ずつ決意表明。

僕、最近プライベートが白黒世界で味気なくて、キラキラしてないんですよ。こういうステージやファンの方の前に出るとイキイキできるというか、仕事している時が一番生きた心地がする。僕と同じような現状にいる方に向けて、音楽を通して日々の嫌なことや不安を忘れられるような世界観を作っていきたいと思います。(KOYA)


僕1人じゃできひんことを、この6人でできているって毎日感じています。ライブに来てくれた皆さんが『今日いい土曜日やった』って思って帰ってもらえるようなアーティストをこれからもずっと目指していこうかなって思います。(RION)


僕はODDLOREってグループを通して夢のハードルを下げる人になりたくて。夢に届かないとか、無理だなって思う時もあると思うんですけど、諦めそうになった時に『RYUができてるからイケるやろ!』みたいな感じで、背中を押せるようになりたいと思います。(RYUICHIRO)


今までは『人に喜んでもらうためにこれをやる』っていうのが基盤にあったんですけど、それじゃよくないと思っていて。僕、アイドルじゃなくてアーティストを目指していて、自分たちでやりたいことをやって喜んでもらいたいんです。まずは自分に何ができるか、何がしたいかと向き合って、頑張って突き進みます。(RIKITO)


自分の心の内を曝け出して、相手が何か感じ取れるくらいのアーティストになりたいと思って活動しています。音楽とかでそれを表に出した時に、見てくれた人の心に溜まってたモヤモヤがスッキリしてくれればいいなって。一流のアーティストになれるよう、頑張ります。(JOSH)


僕と、僕が直接関われる範囲内の人で、生きづらくしている感情で一緒に遊んでやろうと思っています。寂しさ、怖さ、不安、いろいろあると思うんです。僕らはそれをあえて曲にしたり、喋ったり、ドキュメンタリーにしていて。ネガティブなものをもみくちゃにして楽しむっていう新しいエンタメを作れたらいいなと思っています。(YUI)


と、それぞれの思いを語った。最後は「本日もありがとうございました」と全員でお礼を言い、ライブに幕を下ろした。

以前レポートさせてもらった同公演の1回目は、彼らにとって初の有観客ライブ。その頃はまだ「一人ひとりが持てる実力を全力で出している」という印象があったが、今ではチームとしての絆も感じられた。ODDLOREは単なるボーイズグループというよりも、「楽曲の世界観をパフォーマンスで体現するアーティスト集団」という言葉がしっくりくるグループになったのではないだろうか。Club Mixaというホームから大海原へ旅立っていく彼らの今後も見守っていきたい。

取材・文◎高橋梓
写真◎KOBA (Sketch)

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リリース情報

2023年
8月16日(水) 1st ALBUMリリース
4月28日(金) 新曲「Embers」先行配信リリース
詳細後日発表


◆ODDLORE オフィシャルサイト
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