indigo la Endとゲスの極み乙女、ツーマンライブ開催。「いい思い出として目に焼き付けてくれたら」

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indigo la Endとゲスの極み乙女は4月1日、2マンライブ<馳せ合い vol.3>を東京・日比谷野外大音楽堂で開催した。ここではライブのオフィシャルレポートをお届けする。

◆<馳せ合い vol.3>画像

2021年12月の<馳せ合い vol.2>以来、約1年半ぶりに川谷絵音がボーカルを務める両バンドが相見えたこの日は、開演前からindigo la Endの佐藤栄太郎(Dr)がDJで会場を盛り上げ、ステージにはストリート感のあるダブルネームのロゴが置かれたりと特別な雰囲気。それぞれのパフォーマンスからは、両バンドの持ち味がはっきり感じられる一日となった。



先攻のゲスの極み乙女は「星降る夜に花束を」からライブがスタート。川谷絵音(Vo, G)の「今日声出せるって!」の言葉に大歓声が起こり、場内には一気に手拍子が広がっていく。ほな・いこか(Dr)の「東京、行くぞー!」の呼びかけから「だけど僕は」と「某東京」を畳み掛けると、ハンドマイクでステージを動き回りながらオーディエンスを煽る川谷も、オーディエンスの直接的なリアクションを前に生き生きとしているようだ。




声出しの規制が緩和された喜びと野外の開放感が合わさり、特にライブ前半はキャリア初期のアッパーなチューンが続いて、「アソビ」では「パラリラパラリラ」の合唱が起き、「song3」では「ふぅーふー!」の声も上がったりと、やはりこの盛り上がりこそがゲスの極み乙女のライブだと感じる。





老朽化による施設の立て替えが発表されたことに触れ、「今の野音に課長のベースソロがすごかったっていう記憶を残したい」という川谷の振りから休日課長(B)のソロ、「さらにそれを超えるちゃんMARI(Key)のキーボードソロが聴きたくないですか?」という振りからちゃんMARIのソロが続き、ほな・いこかは「最近ドラマーよりも女優として見ることの方が多いけど、女優をやってる間もドラマーの魂がどんどん大きくなってるんでしょ?」という問いかけに「そうよ!楽しい!」と答えて、パワフルなドラムソロを披露。いこかの「野音、盛り上がっていきましょう!」というかけ声からなだれ込んだ“パラレルスペック”ではイントロで川谷と休日課長がピョンピョン飛び跳ねて、メンバー自身がこの空間を誰よりも楽しんでいることが伝わってくる。







川谷がアコギを弾く「人生の針」では現在のゲスの極み乙女ならではの深みを増した言葉や演奏を届け、艶やかなエレピから始まる「はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした」は、ステージ後方にビルが立ち並ぶ都心ならではのシチュエーションと「どんな望みも東京の夜が 飲み込んではいつか吐き出してくれる」という歌詞のリンクにグッと来る。そこから再びギアを上げた「キラーボール」ではちゃんMARIが間奏の「幻想即興曲」をやり直すという珍しいシーンもありつつ、会場の盛り上がりは最高潮に。川谷がシンセを弾くラストの「いけないダンス」を終えると、ほな・いこかはにこやかに手を振りながらステージを去り、最後まで楽しそうなメンバーの様子が印象に残るライブだった。





後攻のindigo la Endは期待感を煽る4つ打ちのイントロダクションを経て、華やかなコーラスで幕を開ける「想いきり」からライブがスタート。サビで一斉に手が上がると、オーディエンスの多くが身につけている藍色のバンドルライトが浮かび上がり、夜の野音を埋め尽くしていく。「ハルの言う通り」と「春は溶けて」という“ハル/春”とつく曲を続けて演奏したのは意図的な並びだったように思うが、爽快感と少しの寂しさが入り交じる「春は溶けて」の温度感はやはりこの季節にぴったり。新年度の始まりの日に聴く「何度だって会って 別れては重ねて 僕らはひたすら自由だ」という歌詞は特に染みるものがある。





長田カーティス(G)がアコギを弾いて、しっとりと届けた「華にブルー」、繰り返される転調が印象的なジャジーヒップホップ「ラッパーの涙」と、インディゴならではの繊細さとポップさを兼ね備えた曲に酔いしれつつ、「唯一盛り上がる曲やっていい?」と言って届けられたのは「夜明けの街でサヨナラを」。場内は一気に手拍子に包まれ、長田と後鳥亮介もステージ前方に出て行って、フィジカルな盛り上がりを作り上げた。それでも「さっきはあんなにシャウトしてたのになあ」と笑い、「indigo la Endです。よろしくお願いします」とボソッと挨拶をする川谷からはゲスの極み乙女とのキャラクターの違いが感じられて面白い。





2022年11月に開催された日本武道館公演で初披露され、現在各種バイラルチャートを席巻している「名前は片想い」はやはりオーディエンスからのリアクションもよく、複雑なコード進行、耳馴染みのいいメロディー、せつない歌詞という組み合わせをさらにアップデートしたような印象を受ける。「この曲を野音でしばらくやれないと思うと寂しいですけど、今日の景色を覚えて帰るので、みなさんもいい思い出として目に焼き付けてくれたら」と話して披露された「夏夜のマジック」では、「野音、踊りませんか?」の声に再びバンドルライトが幻想的な光景を作り出し、最後に届けられた「夜光虫」は後半で歌詞に合わせて照明が赤から青へと鮮やかに変わる場面が、野外というシチュエーションも相まって実に美しかった。





「夜光虫」を終えて大きな拍手が贈られる中、そのままアンコールに突入すると、「初披露の新曲やっていいですか?」と「瞳のアドリブ」を演奏。アップテンポのリズムとハッとさせられるブレイク、高音を多用したテクニカルかつキャッチーなサビが耳に残る。コンスタントに発表されている新曲を聴くたびに「このバンドでしか聴けない」と思わされるのはやはりすごいことだ。「最後は野音でロックなindigo la Endを見せて終わりたいと思います」と話して披露された「晩生」では、栄太郎がスタンディングでスネアを思い切り叩いたのを合図に延々轟音がかき鳴らされ、サイケデリックな音の渦の中でライブが締め括られた。



2バンドのステージが終了すると、ゲスの極み乙女のメンバーも姿を現し、3月30日が誕生日だった長田をみんなで祝福。出演メンバー全員での記念写真で和やかに終了した野音での<馳せ合い>は、たくさんのオーディエンスの記憶に刻まれるものとなった。



ゲスの極み乙女とindigo la Endの2マンイベント<馳せ合い>は6月29日に大阪で、7月1日に仙台でも開催される。

取材・文◎金子厚武
撮影◎鳥居洋介

セットリスト

<馳せ合い vol.3>
2023年4月1日(土)東京・日比谷野外音楽堂

・ゲスの極み乙女
1. 星降る夜に花束を
2. だけど僕は
3. 某東京
4. アソビ
5. song3
6. パラレルスペック
7. 人生の針
8. はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした
9. キラーボール
10. いけないダンス

・indigo la End
1. 想いきり
2. ハルの言う通り
3. 春は溶けて
4. 華にブルー
5. ラッパーの涙
6. 夜明けの街でサヨナラを
7. 名前は片思い
8. 夏夜のマジック
9. 夜光虫
EN1. 瞳のアドリブ(新曲)
EN2. 晩生

配信情報

【プレイリスト】
2023年4月2日(日)配信開始
「蒼の音」 https://indigolaend.lnk.to/aonooto


「朱の音」 https://indigolaend.lnk.to/akanooto

※Apple Music、Spotify、Amazon Musicで配信中

「瞳のアドリブ」
2023年4月19日(水)配信開始


ライブ情報

<馳せ合い vol.4>
2023年6月29日(木)大阪・大阪城音楽堂
開場/開演 17:00/18:00
【出演】ゲスの極み乙女/indigo la End
【チケット】全席指定 7,300円(税込)

藍モバイル会員先行/FAN CLUB会員先行受付開始
2月25日(土)21:00~

<馳せ合い vol.5>
2023年7月1日(土)宮城・仙台GIGS
開場/開演17:00/18:00
【出演】ゲスの極み乙女/indigo la End
【チケット】全席指定 7,300円(税込)

※藍モバイル会員先行/FAN CLUB会員先行受付開始
2月25日(土)21:00~

<ナツヨノマジック vol.3>2023年10月7日(土)山梨・河口湖ステラシアター
開場/開演 16:00/17:00
全席指定 ¥7,000

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