【ライブレポート】帝国喫茶、特別感たっぷりの自主企画＜喫茶店の日2023＞開催。ワンマンライブ実施も発表

帝国喫茶が、4月13日に大阪・梅田Shangri-Laでライブイベント企画＜喫茶店の日2023 ～ オープニングセレモニー ～＞を開催した。ここでは、イベントのオフィシャルレポートをお届けする。

◆＜喫茶店の日2023 ～ オープニングセレモニー ～＞ライブ画像

日本で初めて喫茶店が開業した事から“喫茶店の日”と制定されている4月13日に開催されたライブイベント。入場者全員にはオリジナルジャケットドリップコーヒーも配布された。オリジナルジャケットは、CDやグッズなどのデザインを手掛けるアクリ（G）が今回のイベントの為に書き下ろしたイラスト。会場エントランスでは、アクリが手掛けてきた今までのデザインと写真家・岸岡なつによるライブ写真の展示会もあった。また、メンバー全員で考えたオリジナルドリンク「あの日のレモンスカッシュ」も販売された。


開演時間になり、杉浦祐輝（G, Vo）・疋田耀（B）・杉崎拓斗（Dr）・アクリのメンバー全員が登場して、杉浦から今回の内容が説明される。前半は、楽曲制作する杉浦・疋田・杉崎それぞれが自分の楽曲とカバーの2曲を弾き語りで披露。そして、その間にアクリがipadでのデジタルライブペインティングで1枚の絵を完成させた。




後半はバンドでのライブ。弾き語りトップバッターは杉浦。「ノースポール」と銀杏BOYZの「夢で逢えたら」が歌われた。4人ののどかなトークで始まっただけに、杉浦が歌い出すと一気に空気が締まる。「夢で逢えたら」では、改めて杉浦の声の良さが再認識された。とにかく杉浦の声は艶っぽい。続くは杉崎。「恋する惑星」とandymoriの「投げKISSをあげるよ」が歌われた。「人前で歌うのは初めてです」と照れながらうつむき加減に歌ったが、その姿は初々しい。最後は疋田。「あいをのせて」とOASISの「Don't Look Back In Anger」が歌われた。UKロックの珠玉のミドルバラッドを彷彿とさせる「あいをのせて」からのOASISの流れには痺れるしかない。それぞれの弾き語りが終わる度にアクリの途中経過もスクリーンに映されて、疋田の弾き語り終了後に完成イラストも発表された。自主企画だからこその特別感ある催しだった。

バンドライブは軽快なビートが気持ち良い「ラブソング」で始まった。普段のライブとは違い、前半の弾き語りライブがあった事で既にフロアは温まっている。「貴方日和」「心の窓辺」「and i」とメロディアスなナンバーが続き、前半と同じくカバーが披露される事に。喫茶店の日という事もあり、never young beachの「あまり行かない喫茶店で」が歌われた。この企画ならではの貴重なナンバーだ。


中盤の「星のマーチ」「君が月」という流れは共に杉浦が作詞作曲したナンバーだけに、メンバー楽曲とはまた違うエモーショナルさがある。終盤の「夜に叶えて」「じゃなくて」「燦然と輝くとは」「カレンダー」の畳みかける衝動性は圧巻だった。帝国喫茶のライブならではの徐々に激しくなっていく様は、何度ライブを観ていても興奮する。ラストナンバー「ガソリンタンク」は、全てを出しきって全てをぶっ飛ばす最強のナンバー。ギラギラした野性味溢れる本編であった。


アンコールの前には、11月18日に大阪・心斎橋BIGCATでワンマンライブが開催される事も発表された。穏やかな声とはいえ、軽く拳を握りしめ気持ちを込めて発表した杉浦に、この日一番の大きな歓声が起きた。そして、アンコール1曲目には、出来たばかりの新曲を初披露。疾走感とエネルギーに満ちた、ライブ映えする楽曲で圧倒された。アンコールラストナンバーは「春風往来」で駆け抜けて締められる。観終わった後の満足感は半端なかった…。


大盛況だった今回の企画。スピンオフとして、4月13日～15日までの3日間に渡り、FM802『EVENING TAP』との企画＜ぼくらの喫茶店＞が大阪・日本橋の喫茶店「喫茶ステレオ」で開催中。そこでは限定メニュー「恋するネーポンソーダ」も販売されている。

なお4月14日17時に、2月25日に大阪・心斎橋JANUSで開催された帝国喫茶の初ワンマン公演より｢カレンダー｣のライブ映像がYouTubeにて公開された。



取材・文◎鈴木淳史
撮影◎岸岡なつ