ギーザー・バトラー、70年代後半のブラック・サバスの方向性「オジーが正しく、僕らが間違っていた」

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ギーザー・バトラーは、ブラック・サバスは70年代後半「本筋から外れた」状態にあり、いま思うに、音楽的な方向性に関してはオジー・オズボーンの見解が正しく、自身とトニー・アイオミは間違っていたと考えているそうだ。

◆ブラック・サバス画像

バトラーは『Metal Edge』のインタビューで、彼が最も気に入っているブラック・サバスのアルバムに『Paranoid』(1970年)を、逆に最も不満なアルバムに『Never Say Die!』(1978年)を挙げ、こう語った。

「(『Paranoid』は)完全無欠なアルバムだ。強制されたわけではないし、4人の間の相性は最高だった……。どの曲も容易く誕生し、輝きを持ってる。リハーサルやる度に曲ができあがっていた。すごく自然に作られたものだから、あのアルバムは特別なんだ。サバスのどの時代においても、最も自然にできあがったアルバムだった」

しかし、70年代後半になると、バンドのお金が消えていることに気づき、物事が悪い方向へ進み始めたという。さらに、クリエイティブ面でのオジーとの相違が問題になったそうだ。「僕らは、音楽的に前に進もうとし過ぎていた。本筋から外れていたと、僕は思うよ。サバスを築き上げた要素を除外し、よりメロディックなことをやり始めたんだ。いま思うと、それは間違いだった。オジーはいつも、オールド・ヴァージョンのサバスのサウンドを求めていた。トニーと僕は音楽的な広がりを求めていた。振り返ってみれば、おそらくオジーが正しかった。僕らが広がりを見せたことで、本来のサバスが失われてしまった」

「僕は、『Never Say Die!』は最悪のアルバムだって断言できる。僕らは自らマネージメントし、アルバムをセルフ・プロデュースしようとしてた。でも正直なところ、何をしたらいいか、誰一人わかっていなかった。当時、僕らはスタジオで曲を作るより、弁護士や裁判に時間をかけていた。僕らにはプレッシャーがかかり過ぎていて、曲作りがおろそかになっていた」

オジーは当時、方向性の相違だけでなく、アルコールの問題も抱えており、『Never Say Die!』発表後、ブラック・サバスを解雇された。

ギーザー・バトラーは6月6日に自叙伝『Into the Void: From Birth to Black Sabbath - And Beyond』を出版する。出版日は、2023年を「2×3=6」ととらえると「666」になり、意図的ではなかったが、自分に相応しいと考えたそうだ。



Ako Suzuki
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