【俺の楽器・私の愛機】1296「佐久間正英が作られたシンライン。その時、俺は号泣した。」

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【SG Crafts Journeyman Thinline】(千葉県 DJ忍者ハッタリくん 高齢)


SG Crafts Journeyman Thinline

GLAY、エレファントカシマシ、ザ・ストリート・スライダーズ、そしてBOØWYを手がけた90年代の名プロデューサー、佐久間正英氏が手がけたオリジナルギターブランド「SG Craft」のシンラインです。

若かりし頃、とあるバンド系音楽誌の駆け出しの編集者をやってまして、GLAYや黒夢、JUDY AND MARYの担当だったこともあって、ニューアルバムが出る度に、プロデューサーの佐久間さんのプライベートスタジオにお邪魔していました。インタビューといいつつ、もっぱら話題はプロデューサーとしての持論がメイン。四人囃子の凄腕ベーシストでもあった氏(師)のこだわりは「プロのレコーディングにはちゃんとした楽器とちゃんとした演奏が必要」というもので、その独自メソッドを体現するものが「SG Craft」とこれも当時話題になった「逆アングル・ピッキング」だったのです。密かに彼が在籍していたプラスティックスも大好きだったので、なんか崇拝するグルのお言葉、みたいな気持ちで、この講釈にいつも聞き入っていました。話もクラプトンがスタジオで弾いているのを生で見て開眼した、とか面白かった。

この「SG Crafts」と「逆アングル・ピッキング」の影響は絶大で、当時プロデュースされたバンドはみんな佐久間さんが作ったSG CraftsのギターはJourneyman、ベースはTopdogで「逆アングル・ピッキング」に励んでいた記憶があります。人気バンドが軒並みこの組み合わせだったので、それを詳細に解説した記事も読者に大好評。なにげに編集者として頭角を表すきっかけになったような気もします。

そして月日が流れて2014年、新大久保の寂れた中古楽器屋でたまたま巡り会ったのがこのJourneymanのシンライン。誰よりも佐久間さんの長時間の講釈を受けていて、当時から欲しくて欲しくてしょうがなかったけど、プロ用のハンドメイドだからと諦めていたJourneymanが目の前にある(しかも実は弾いたことない!)。これの本当の価値がわかるのはワイしかおらん!とばかりに震えながら近くのATMに駆け込みました。

最初の音を出した時も感激したなあ。ヴィンテージじゃなくても、ものすごく高級な材を使わなくても、しっかり作ればレコーディングに耐えうる楽器になると仰っていた意味が、10年以上経ってようやくわかった気がして号泣。佐久間さんが亡くなられて、SG Craftの工房も無くなってしまっているというのに、自分としては奇跡のような邂逅です。ネックのジョイントが寸分の狂いもなくピッチリはまっていて、ギター全体がよく鳴るし、太くてしっかりした音。あと、やっぱり現場で使えるように頑丈なんです。

最初、キャンディレッドだったのが褪色して、今はバーガンディーみたいな色合いになってます。ビビアン・スー、ミック・カーン、屋敷豪太、土屋昌巳というとんでもないメンバーと結成されたThe d.e.pというバンドがテレビ出演した際、佐久間さんがこれと全く同じ仕様のギターを弾いています。


これがそれと同じギターなのかは今となってはわからず。買った時のスペックシートもないのですが、おそらく60年代のフェンダーシンラインをベースにしていて、PUはダンカン、ボディーはアルダーかなあ。烏丸編集長に細かい部分を見て解析してもらいたいですね。彼も佐久間さんにたくさんインタビューしていたと記憶しているので。





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おー、DJ忍者ハッタリくんを特定した。お久しぶり。ちーっす。本名を出すとヤバいのかな。某有名企業の某有名な立場だもんね。ということで、写真をつぶさに見ても何もわかりません。持ち主のあなた以上に分かるはずないやん。でも、ジャーニーマンがきっちりとした真面目なギターなのは知っている。佐久間さんの人柄がそのまま出ていますよね。ロックスピリットを持ったまま物事に対しストイックに対峙し続けていくとこんなギターになる、それが証明されたギターでしょう。でもさ、バックを見る限り、見事な柾目を用いたアッシュに見えるんだけど、どう?トップはアルダーを貼っている可能性もあるよね。トップとバックの材を変えるくらいの茶目っ気はあったと思うし。そもそも全部アルダーだとヘッド落ちすると思うんだけど。(JMN統括編集長 烏丸)

★皆さんの楽器を紹介させてください

「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。

(1)投稿タイトル
 (例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
 (例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
 (例)トラヴィス・ビーン TB-1000
 (例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
 (例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
 (例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
 ※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
 ※最大5枚まで

●応募フォーム:https://forms.gle/KaYtg18TbwtqysmR7

「楽器人の投稿がmusic UP'sに掲載されます」

全国約1,000カ所の音楽関連スポットで、毎月20日に配布中されるフリーマガジン「music UP's」にて、楽器人の特集を掲載、【俺の楽器・私の愛機】で紹介された投稿の中からあなたの愛機をご紹介させていただきます。

※毎月の掲載数は2~4件ほどの予定です。選出はBARKS編集部で行ないます。
※掲載の選出対象は【俺の楽器・私の愛機】コーナーにて2022年5月30日以降に掲載された投稿が対象となります。

引き続き【俺の楽器・私の愛機】をお楽しみください。今後ともBARKS楽器人をよろしくお願いいたします。

◆【俺の楽器・私の愛機】まとめページ
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