【インタビュー】Amber's、『勝利の法廷式』主題歌「オセロ」にデュオとしての自信とメッセージ「自分が納得できる人生を選べるように」

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抜けのいいハイトーンヴォーカルを持つ豊島こうきと、ギタリスト兼トラックメイカーの福島拓人によるボーダレスポップデュオ、Amber’s。昨年12月にメジャーデビューし、今年2月にはメジャー1stシングル「buddy」をリリースしたばかりの彼らが、早くも4月に新曲「オセロ」をリリースした。同曲は志田未来と風間俊介が主演を務める読売テレビ・日本テレビ系プラチナイト木曜ドラマ『勝利の法廷式』の主題歌。ドラマの世界を反映させた書き下ろし曲ながら、作詞を担当する豊島が今抱えている気持ちを投影した力強いバラードに仕上がった。様々な試行錯誤を経たうえで生まれたAmber'sの本質であり新境地「オセロ」とは、いったい彼らにとってどんな楽曲なのだろうか。じっくりと話を聞いた。

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■“こいつとは一生音楽をやっていくんだろうな”

──Amber’sは結成当初からずっと、ジャンルレスに音楽を発信していますよね。それは意識的なものなのでしょうか?

豊島こうき:というよりは結果的にそうなっているという感じです。僕らふたりのルーツがバラバラなことと、楽曲制作の方法がいくつかあることが、ジャンルレスになっている理由なんじゃないかとは思っていて。

福島拓人:僕が作ったトラックにこうきくんの好きなものが乗ったり、こうきくんが弾き語りでしっかり作ったものを僕がアレンジしたり。そうするとどんどん足し算になって、自ずといろんなジャンルの音楽が生まれていくんです。そういう化学反応がAmber'sの特徴なのかなと思っています。自分のやりたいことは出来る限り反映させる一方で、こうきくんの歌声と歌詞を届けることをいちばん重視してアレンジを考えていますね。

──おふたりのやりたいことを詰め込んだ多種多様な表現のなかで、軸となるのはこうきさんの歌と歌詞であると。

拓人:Amber’sの楽曲でいちばん聴いてもらいたいのは、やっぱりそこですね。だから自分のやりたいことを入れながら“こうしたほうが絶対に歌詞が伝わるだろうな”とか、“ここの部分の声を邪魔しないように音を入れよう”とか、リリースのたびに重要視しています。一緒に音楽を作るようになって数年経つんですけど、どんどんこうきくんの音域も歌唱力も上がっているので、それによってまた今までにない表現も生まれてくるんですよね。

こうき:拓人が“もっと高いキーいけるんじゃない?”とか言ってくるんですよ(笑)。そう言われると俺も“じゃあやってやろうか”みたいな気持ちにもなるし、そうしていくうちに音域が広がっていきました。

拓人:だからリリースする曲は、その時のこうきくんの歌をいちばん活かせている楽曲だと思っています。

こうき:自分だけで音楽を作っていたら、ここまでにはなっていないと思います。拓人と共同生活を始めたここ2年ぐらいで特に鍛えられましたね。

▲新曲「オセロ」ジャケット

──Amber'sはコロナ禍でライヴができなくなった2020年から共同生活を始め、そのなかで制作した楽曲をSNSに投稿し始めたんですよね。それはAmber'sのターニングポイントにもなっているということでしょうか?

こうき:かなり大きなターニングポイントでしたね。共同生活してほぼゼロ距離で曲作りをするので、“ひとまずやってみよう”精神で本当にいろんなことを試したんですよ。だからボツ曲もたくさんありました。それが僕らの“共同生活シーズン1”で。

──“共同生活シーズン1”?

拓人:“シーズン1”はコロナ禍と制作の試行錯誤期だったんです。ライヴや周りとの接触ができないから共同生活で曲作りをするようになって、SNS上でお客さんやファンの方にお題をもらって曲作りをしたり、さっきこうきくんが言ったとおりいろんなことを試したんですよね。それを経て今年の4月から“共同生活シーズン2”が始まったんです。これはもう完全に、制作を目的とした共同生活なんですよね。

こうき:“なんか作ってみようか”からスタートしていた制作がシーズン1で、“こういう曲を作ろう”と明確なイメージを持ってから制作に取り掛かっているのがシーズン2です。拓人と組むことを決めたとき、感覚的に“こいつとは一生音楽をやっていくんだろうな”と思ったんです。マインドはそのままに、最初の頃の何もできなかった自分たちから、この数年で徐々に成長してきたので、今は自信のあるふたりになれているなとは感じています。

拓人:結成当初の“根拠のない自信”から、今は確かな自信を持てていますね。また共同生活を始めたことで、シーズン1の時よりも成長できているなと実感する場面が多いんです。自分たちがやりたい音楽もどんどん鮮明になっていて……たとえば“暗闇”のイメージで曲を作るにしても、今は“どんな場所の暗闇なのか”まで考えて、それを目指して音を作るようになったんですよね。そういう意味でも、自分たちのやりたいことがどんどん明確になっているし、そこに近づくような音楽を作れるようになってきていて。その最新形が新曲の「オセロ」なんです。



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