【ライヴレポート】Psycho le Cému、結成24周年記念公演<RESISTANCE~深触~>に輝いた夢への希望

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Psycho le Cémuが結成記念日となる5月3日、恵比寿LIQUID ROOMにて<Psycho le Cému 24th Anniversary Live「RESISTANCE~深触~」>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆Psycho le Cému 画像

結成24周年ともなれば、どんなバンドにとっても感慨深いものだろう。けれどもPsycho le Cémuにとって、その意味はひときわ重いはずだ。姫路で結成し、上京してメジャーデビュー、怒涛の勢いで知名度も人気も高めながら、夢半ばで活動休止。波乱万丈の歳月を経て、それでも5人のメンバーが変わることなく、結成24周年記念となる2023年5月3日を迎えた。恵比寿LIQUID ROOMで行われた<Psycho le Cému 24th Anniversary Live「RESISTANCE~深触~」>の模様から、彼らの魅力を改めて感じてほしい。


記念すべき夜の1曲目を飾ったのは、2022年発表した「もう一度、くちづけを」。ラテン調のリズムが印象的で、大人のムード漂う楽曲だ。2023年2回目のライヴということもあってか、若干の硬さを感じるものの、曲が進むに連れて心地よくほぐれていく。フロアに輝くメンバーカラーの五色のサイリウムが、あたかも演出のようにステージを彩るのは、彼らのライヴならでは。「ブチ上げていくぞ!」とseekが叫んで始まった「2020」で振り上げられた拳も、それぞれ推しのメンバーカラーが輝き、なんとも華やかだ。会場全体が、彼らの24周年を祝福する華やぎに満ちているようでもある。

「抱かれる覚悟で来たか!?」というDAISHIおなじみの言い回しでオーディエンスを挑発して「MOON PRISONER」へ。インディーズ時代の楽曲から、前回ツアーで披露したばかりの「君がいる世界」まで、長い彼らの歴史を行き来するようなセットリストが続く。次の「Boundless」は1stアルバム『Doppelganger 〜もう一人の自分〜』収録曲。ミディアムテンポで音数も少なく、演奏の誤魔化しが効かない曲だが、高いスキルで楽曲の持つ雰囲気を見事に表現していた。長く彼らを応援し続けているファンであれば、その成長ぶりを如実に感じられたのではないだろうか。



存分に聴かせ、酔わせたところで、おなじみAYAのMC。いつもの「オッハー」の挨拶に、観客から大きな声で返事があることが本当に嬉しい。声が出せないコロナ禍に、「オッハー」と呼びかけ続けたAYAの耳にはなおさら特別に響いたことだろう。そこからは、24年経っても深まるばかりのメンバーの謎が、秘蔵の過去画像と共にAYAから暴露され、オーディエンスからも笑いが起こる。

そんな若かりし頃の初々しい姿から、一気に現在進行形のPsycho le Cémuの成長を伝えるべく、新曲「MYSTERIOUS STUPID TRAP」を披露。AYAとYURAサマによるダンスが特徴的なダークファンタジーっぽい世界感が漂う曲で、ダンスなどのパフォーマンスを用いる表現方法においても、音楽面同様、着実に成長を重ねていることを感じさせた。

seekが吠えてオーディエンスを煽ったところで「LAST EMOTION」へ。さらに「Revenger-暗闇の復讐者-」と会場はますます熱を帯びていく。Lidaとseekが二人で声をあげ、「3、2、1、Go!」の合図で「one day」が弾けた。高まる興奮と熱気は「聖~excalibur~剣」で熱狂へと変わり、同じ動きをすることによる一体感を増幅させる。そんな心地よさは本編ラストの「LOVE IS DEAD」まで高まり続け、ヘドバンで振り乱される髪が激しくも生き生きと躍動する。歌からも演奏からも、感情を凝縮したような濃度の高い表現が放たれ、会場の空気を満たした。



新旧織り交ぜたセットリスト、それぞれの曲を表現し尽くす演奏力、そして今日のライヴへ賭ける熱い思い、高い集中力。さまざまな要素が混ざり合って17曲があっという間に感じられるようなライヴだった。メンバーが去り、オープニング同様、英語のナレーションが流れたときに、ふと我に返った。ステージから放たれるエネルギーに惹きつけられっぱなしだったのだ。

「9月にニューアルバムを発売する」というとびきりのニュース告知の後、その収録曲である新曲「Remember me」がアンコールの1曲目を飾った。スクリーンに映し出されるDAISHIによる歌詞には、日本武道館という夢の途上にいる現在の思いが赤裸々に綴られていた。これまでの歴史を踏まえて、今、目にしている未来や希望は、歳月を重ね、さらに力強く輝きを放っている。24周年記念の夜にふさわしい曲、そして演奏だった。

メジャーデビュー曲「愛の唄」、インディーズ時代から何度となく演奏されてきた「Murderer・Death・Kill」、そしてこの夜の最後を締めくくるのは、彼らが大切にしてきた「REMEMBRANCE」だ。歌い始めたDAISHIが口を閉ざすと、自然にその続きをファンが口にし、歌声が会場に広がっていく。Psycho le Cémuとファンの絆が歌という形をとったかのよう。ステージでは5人が視線を交わし、この瞬間を噛み締める。幸せに満ちた光景が広がった。


25年目のスタートを切ったこの夜、夢への希望はいっそう光り輝いた。もちろんここまで見続けていた夢が、今日明日で突然叶うことは難しいだろう。ただ、この5人なら、夢である輝く舞台への歩みを止まることなく進み続けてくれるかもしれない。なんとしてでも進み続けてほしい。そんな願いを胸に、会場を後にした。

■<Psycho le Cému TOUR 2023「RESISTANCE ~心蝕~」>

▼“episode1.炎の薔薇”
05月26日(金) 盛岡CHANGE WAVE
open18:00 / start18:30
05月27日(土) 仙台CLUB JUNK BOX
open17:00 / start17:30
05月28日(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
open17:00 / start17:30
▼“episode2.鋼鉄の咎”
06月23日(金) KYOTO MUSE
open18:00 / start18:30
06月24日(土) OSAKA MUSE
open17:00 / start17:30
06月25日(日) 神戸VARIT.
open17:00 / start17:30
▼“episode3.屍人の烙印”
07月15日(土) 水戸LIGHT HOUSE
open17:00 / start17:30
07月16日(日) 柏PALOOZA
open17:00 / start17:30
07月17日(月/祝) 山梨KAZOO HALL
open17:00 / start17:30
▼“episode4.時の回廊”
08月11日(金/祝) 福岡DRUM Be-1
open17:00 / start17:30
08月12日(土) 広島SECOND CRUTCH
open17:00 / start17:30
08月13日(日) 岡山IMAGE
open17:00 / start17:30
▼“episode5.雷光の道標”
09月16日(土) 岐阜ANTS
open17:00 / start17:30
09月17日(日) 名古屋Electric Lady Land
open17:00 / start17:30
09月18日(月/祝) 浜松窓枠
open17:00 / start17:30
▼“episode6.追憶の報い”
10月13日(金) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
open18:00 / start18:30
10月14日(土) HEAVEN'S ROCK宇都宮VJ-4
open17:00 / start17:30
10月15日(日) 新横浜NEW SIDE BEACH!!

【チケット先行受付】
“episode2.鋼鉄の咎”
6/23(金) KYOTO MUSE
6/24(土) OSAKA MUSE
6/25(日) 神戸VARIT.
WEB先行受付開始:4月29日(土)12:00~5月7日(日)23:59
https://psycholecemu.com/news/30064
open17:00 / start17:30

■<Psycho le Cému FINAL episode LIVE「RESISTANCE ~新色~」>

12月15日(金) Zepp Shinjuku(TOKYO)
open17:15 / start18:00

■ニューアルバム「RESISTANCE」

2023年9月発売予定


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