【MORCライブレポート】ウィグ・ワム、献身的な思いが伝わるステージ

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音楽フェスティバルも再び活発になってきた2023年。アメリカの船上フェスティバルである<Monsters of Rock Cruise>(通称MORC)が行われるクルーズ船「Mariner of the Seas」が4月29日から5月4日までの日程でフロリダはオーランドから出航した。

このフェスティバルはおもに1980年代からのバンドをフューチャーしながらも、1980年代テイストの新しいバンドもラインナップに並んでいる。物凄いスケジュールで深夜までライブが開催されている為、全てを観る事はできないのだが、いくつかのライブをレポートしよう。

ノルウェーのグラムメタルバンドであるWIG WAMは2001年結成、2006年頃には日本でもブレイクしたが2014年に解散、その後2020年に再結成を果たしている。もともと1970年代のグラムロックであるTHE SWEETやSLADEあたりからの影響を受けており、更にポップなサウンドに仕上げるのが得意なバンドだ。最新のライブでは再結成後の2枚のアルバム『Never Say Die 』『Out of the Dark 』を中心とした内容のようだ。



黒旗を振って登場したグラム(Vo)は少しばかり丸くなってはいたが(笑)、その変わらないステージングには目頭が熱くなってしまった。解散前にはポップな路線からシリアスにシフトしていた事からも、厳しい音楽シーンを乗り越えたような何か吹っ切れた感がある。ティーニ(G)、フラッシュ(B)、スポーティー(Dr)も健在で、特にティーニのギターは丁寧かつ着実にプレイしているし、日本では過去3度の来日公演を行っているが、当初のイメージよりも数段磨きがかかっていたと思う。









相変わらずステージ上を縦横無尽に動くグラム、最新作からの「Out of the Dark」のグルーヴはグラムロックよりもゴージャスなメタル感溢れるもので演奏陣もテクニカルな面を見せてくれる。定番の「Non Stop Rock and Roll 」、アコギでの「Kilimanjaro」やインスト曲ではとてもエモーショナルに聴かせてくれる場面も以前より説得力あるものだった。

グラムはステージ全方位でどんどん観客を巻き込んでいく。とにかく観客とのコミュニケーションを考えたステージで、コスチュームもコミカルにしている反面、彼らのとても献身的な思いが伝わるステージだ。

「『カラテキッド』のハリウッド映画監督が製作したノルウェー映画のサントラなんだよ」と紹介した「Gonna Get You Someday」もシンガロングタイム。そして彼らのシグネイチャーと言える「Hard to Be a Rock 'n' Roller」「In My Dreams」では掛け合いも盛大になっていった。代表曲を持つバンドは強いなと改めて感じたし、肩の力が抜けたように以前よりも楽にロックンローラーを楽しんでいるような、そんなライブだった。











文・写真◎Sweeet Rock / Aki

<WIG WAM ~ Monsters of Rock Cruise 2023 ~>

2023.4.29 & 5.3 Mariner of the Seas Port Canaveral Concert, FL , USA
1st Stage / 4.29
1.Uppercut Shazam
2.Rock My Ride
3.Non Stop Rock and Roll
4.Out of the Dark
5.Call of My Wind
6.Kilimanjaro
7.Gonna Get You Somebody
8.Hard to be a Rock 'n' Roller
9.In My Dreams
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