【MORCライブレポート】ヴァンデンバーグ「聴いてないの?Spotifyとかあるでしょ、1980年代じゃないんだからさ(笑)」

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1980年代前半から半ばにかけて3枚のアルバムをリリースしたヴァンデンバーグは、名ギタリストであるエイドリアン・ヴァンデンバーグを中心とするオランダの4人組である。

1990年代のホワイトスネイクでのキャリア後は、長年の歳月を経て、母国オランダ人メンバーだけで結成したムーンキングスでシーンに復帰。そして自分の名義を巡る法的な事も経て、ヴァンデンバーグとして2020年に遂に通算4作目となるスタジオアルバム『2020』をリリースした。現在は新ラインナップとしてシンガーにはトリートやイングヴェイ・マルムスティーン等に参加してきたマッツ・レヴィンが加入し、「過去の再現ではない」とエイドリアンは語っている。



復活ヴァンデンバーグのシンガーはロニー・ロメロが務めていたが、ロニーは器用でマイナス面は特にないものの、個人的にはあまりハマった感はしなかったのが本音である。しかし、今回マッツでのヴァンデンバーグには何か違うものが感じられた。最新アルバム『2020』からの楽曲は、もともとのクラシックなエイドリアンがより重厚なサウンドを求めた印象があったし、まさに新しくバンドが始動したのを感じる。過去、アルバムは非常に良質で商業的にも成功を収めたにもかかわらず、ようやくの4作目である。

幸いな事に、サウンドチェックも少し観させて貰えたのだが、その時点でセットリストには興奮してしまったし、マッツの歌声とアクション、エイドリアンのレスポールを持つ姿にもジンときた。









<Monsters of Rock Cruise 2023>ではジョーズのSEから始まり、『2020』からの「Shadow of the Moon」で今の姿を見せる。今回のライブでは、土台となるベース、ドラムのバンドサウンドが実にしっかりとしている。エイドリアンもバンドメンバーも特別な装いではなく自由な印象で、エイドリアンのギタープレイは、ほとんどエフェクトもかけずクリーンで生き生きとしたものだった。

ダイナミックなバンドサウンドにレジェンドのギター、そしてソウルフルな歌声のマッツ。「みんなアルバムは聴いてくれた?え?聴いてないの?Spotifyとかあるでしょ、1980年代じゃないんだからさ(笑)」と宣伝しつつも和ませる。

エイドリアンがアコースティックギターを手にしたホワイトスネイクの「Sailing Ships」は、まさに船上で聴いている事にも感動したし、そしてドラムソロからの「Judgment Day」への流れも格別で、ドライな歌唱がマッチした仕上がりになっていた。











途中、機材トラブルもあったが、その時間を観客とのコミュニケーションで上手く繋ぐマッツ、このあたりはさすがのベテラン。「Here I Go Again」も「Burning Heart」もエイドリアンのプライドを感じさせるアレンジでエネルギッシュに聴かせてくれた。また近く新作の予定もあるようで、ますます今後が楽しみだ。





文・写真◎ Sweeet Rock / Aki

<Vandenberg ~ Monsters of Rock Cruise 2023 ~>

2023.4.29&5.1 Mariner of the Seas Port Canaveral Concert, FL , USA
<1st Stage / 4.29>
1.Shadow of the Moon
2.Fool for Your Loving(Whitesnake Cover)
3.Your Love is in Vain
4.House on Fire
5.Hell and High Water
6.Sailng Ships (Whitesnake Cover)
7.Judgment Day (Whitesnake Cover)
8.Wait
9.Here I Go Again (Whitesnake Cover)
10.Burning Heart
<2nd Stage / 5.1>
1.Shadow of the Moon
2.Fool for Your Loving(Whitesnake Cover)
3.Your Love is in Vain
4.House on Fire
5.Hell and High Water
6.Sailng Ships (Whitesnake Cover)
7.Drum Solo~Judgment Day (Whitesnake Cover)
8.Wait
9.Light Up the Sky
10.Here I Go Again (Whitesnake Cover)
11.Burning Heart
12.Still of the Night
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