【ライブレポート+インタビュー】RADWIMPS、「この北米ツアーすべてのことを絶対に忘れません」

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終演後、ドレッシングルームで10分ほどメンバーに話を聞くことができた。北米ツアーを終えたばかりの彼らの言葉を残し、このニューヨーク公演のライブレポートを閉じたいと思う。

   ◆   ◆   ◆

【<North American Tour 2023>4.30 / New York City / Palladium Times Squareインタビュー】

■日本の音楽や文化が持っている面白さを
■ちゃんとした方法で提示すれば伝わる

──今日のニューヨーク公演を観てもあきらかですが、間違いなく今回の北米ツアーに特別な手応えを覚えていると思います。ライブ直後ですが、その思いから聞かせてください。

野田:最初から最後まで想像を超える体験でしたね。全公演ソールドアウトしたことも最初は信じられなかったし、今日もお客さんの期待にちゃんと応えたいなと思いながらステージに立ってました。

武田:ニューヨーク公演も当初は1DAYの予定だったのが、チケットがすぐにソールドアウトして2DAYSやることができて。これだけ僕らを迎えてくれる人たちがいて、実際のその人たちを目の前にしてあれだけの熱量を浴びると、本当にグッとくるものがありましたね。

桑原:本当に最初に予想していた形とは180度違う反応があって。こんなに温かく迎えてもらえるとは思ってなくて、演奏する側としてもものすごくテンションが上がりましたし、本当にまた来たいなと思います。


──昨日と今日のニューヨーク公演はいろんな人種のオーディエンスが集まっていましたね。やはり各地でお客さんの層や反応に違いはありましたか?

野田:ニューヨークはやっぱり大都市なんだなって。今回の北米ツアーの中で日本人も含めて一番アジア系の人がいて、ヒスパニック系の人も多かったという印象です。逆にメキシコ公演はほとんどメキシカンのお客さんで。シカゴもアジア系の人もいたけど、8割は地元の人だったと思います。各地でそれぞれ異なる空気感があって、どのライブも印象的でしたね。

──ツアー初日のサンノゼ公演はどうでしたか?

野田:前情報がなかった分、サンノゼが一番感動したかも。いきなりお客さんの熱量がすごかったから。

武田:サンノゼは野性的というと違うかもしれないけど、ダイレクトに「待ってました!」という反応を感じられて。そのあとのロス公演はまた都会的なお客さんだったという印象で、その違いも面白かったです。

野田:ロス公演はキャパが6000人というアリーナ級に広い会場だったから、余計に俺らも探りながらライブをしてる感じはありましたね。


──本来であれば2020年7月に開催されるはずだった北米ツアーが、パンデミックを経て3年後の今、さらには『すずめの戸締まり』の北米公開タイミングと並走するように実現したことにも不思議な巡り合わせを感じていると思います。

野田:本当に。狙ってもできないタイミングだし、「そうか、こういうことだったんだな」と感じるところもあります。

武田:サンノゼに到着してからみんなで『すずめの戸締まり』を観に行ってね(笑)。

桑原:英語吹き替え版のほうをね(笑)。

野田:ライブのお客さんのリアクションからもすごいタイミングでツアーができてるなと思いましたね。あとは、バンドとしても映画から派生した以外の部分をしっかり見せたいという思いは今回のセットリストを作るときからあって。

──それはすごく感じました。RADWIMPSというロックバンドのダイナミズムを体現するという気概を持ったセットリストだなと。

野田:アフターで会った関係者やロスだったらポーター・ロビンソンも来てくれたんですけど、いかに俺たちがフィジカルなバンドとして面白かったかということを伝えてくれて。今日も現地でインタビューしてくれた人が言ってくれたけど、アニメファンの人たちが知らなかったRADWIMPSの部分を出せて伝わったという手応えがあったし、それはすごくうれしかったですね。

──今日もセキュリティーの人が音に反応してましたよ。

野田:受付の人も「めっちゃいいバンドだね」って言ってくれてたみたいで。

武田:うれしいなぁ。


──ここから海外はヨーロッパ、アジアツアーと続いていきますが、この北米ツアーで得たものをどうアウトプットしていきたいですか。

野田:ヨーロッパとアジアはさらに映画の熱がものすごいことになっているし、アジアツアーはほぼ全会場、2〜3時間で即完しているので。ライブを観られない人のほうが多い状況だから、北米とはまた違う熱量で迎えられると思うんです。そこでもしっかり次に広げる種を植えられるようなライブをやりたいですね。

武田:ライブでヨーロッパに行くのは8年ぶりで。だいぶご無沙汰してますけど、『君の名は。』以降でRADWIMPSの存在を知ってずっと待ってくれていた人たちもいっぱいいると思うので。ようやく来れましたという思いをしっかり届けたいですね。

桑原:ヨーロッパツアーはまだ行ったことのないスペインでのライブもあるし今からすごくワクワクしてます。

──今後は日本と両軸で海外のオーディエンスと向き合う時間が増えていくと思います。そのうえでRADWIMPSとして実現したいことを最後に聞かせてもらえたら。

野田:「日本のバンドがここまでの規模で北米ツアーをやるのは奇跡的なことだよ」と現地の人が口々に言ってくれて。いろんなきっかけが重なって実現したツアーだったけど、こういうきっかけが繋がっていけば日本の音楽があたりまえに伝わっていくと思うし、それはものすごく大きなチャンスだと思うんですね。俺らはもう20代ではないし、40代に近づいていて。だから、RADWIMPSがどうこうというよりは、日本の音楽、日本の文化が持っている面白さをちゃんとした方法で提示すれば伝わるという前例になれたらいいなと思うんです。今はRADWIMPSがその役割の一端を担っているけど、ここから次々、ドバドバと日本のアーティストが世界に開いていくきっかけに確実になりたいし、そういう気持ちでこのツアーに臨んでますね。「日本を知ってくれてありがとう。ちょっと引っ込み思案で口下手だけど(笑)、面白い音楽やその他の文化がいっぱいありますよ」という感覚です。


──バンドやシンガー、ラッパーも含めて海外のオーディエンスに紹介したい日本のアーティストもたくさんいるだろうし。

野田:本当にそうで。「RADWIMPSが好きだったら、このアーティストもどう?」という思いがめちゃめちゃある。そういうことを実現したいですね。

──希望の間口が大きく広がる北米ツアーだった。

野田:うん。きっと「RADWIMPSができるなら、俺らも」って思ってくれる日本のアーティストはいっぱいいるだろうし、それってめちゃめちゃポジティヴなことで。もしそのアーティストが20代とか、ましてや18歳くらいだったら俺はたまらなくうれしいです。20年前の自分が今のRADWIMPSの状況を見たら羨ましいと思うだろうし。だからみんなもどんどんチャレンジしてほしいし、俺らが伝えられることは全部伝えたいです。

取材・文◎三宅正一
撮影◎Takeshi Yao

■<RADWIMPS North American Tour 2023>

4月16日 San Jose / San Jose Civic
4月18日 Los Angeles / YouTube Theater
4月22日 Mexico City / Pabellón Oeste
4月24日 Chicago / Riviera Theatre
4月26日 Toronto / Queen Elizabeth Theatre
4月27日 Toronto / Queen Elizabeth Theatre
4月29日 New York City / Palladium Times Square
4月30日 New York City / Palladium Times Square

■「KANASHIBARI feat.ao」配信リリース

2023年4月18日(火)配信開始
https://lnk.to/KANASHIBARI



■テレビ朝日系 24局ドラマ『unknown』
放送日時:2023年4月18日(火)スタート
毎週火曜よる9:00~9:54
▼出演者
高畑充希 田中圭
町田啓太 小手伸也 ファーストサマーウイカ 井上祐貴 曽田陵介 長田成哉
新納慎也 石川禅 酒向芳 木野花 麻生久美子 吉田鋼太郎
https://www.tv-asahi.co.jp/unknown/

■<RADWIMPS BACK TO THE LIVE HOUSE TOUR 2023>

6月13日(火) 愛知・Zepp Nagoya
open18:00 / start19:00
6月14日(水) 愛知・Zepp Nagoya
open18:00 / start19:00
6月21日(水) 神奈川・KT Zepp Yokohama
open18:00 / start19:00
6月22日(木) 神奈川・KT Zepp Yokohama
open18:00 / start19:00
6月26日(月) 大阪・Zepp Osaka Bayside
open18:00 / start19:00
6月27日(火) 大阪・Zepp Osaka Bayside
open18:00 / start19:00
7月04日(火) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
open18:00 / start19:00
7月05日(水) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
open18:00 / start19:00
7月11日(火) 福岡・Zepp Fukuoka
open18:00 / start19:00
7月12日(水) 福岡・Zepp Fukuoka
open18:00 / start19:00

■<RADWIMPS European Tour 2023>

5月21日 London / Roundhouse
5月24日 Barcelona / Paral·lel 62
5月26日 Cologne / Palladium
5月28日 Paris / Salle Pleyel
5月30日 Berlin / Columbiahalle
https://radwimps.jp/live/14169/

■<RADWIMPS Asian Tour 2023>

7月21日(金) 韓国・ソウル / YES24 Livehall
7月23日(日) 台湾・台北 / Zepp New Taipei
7月25日(火) マレーシア・クアラルンプール / Zepp Kuala Lumpur
7月27日(木) タイ・バンコク / Union Hall
7月30日(日) インドネシア・ジャカルタ / Basket Hall Senayan GBK
https://radwimps.jp/live/14289/


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