【インタビュー】B.R.T、韓国5人組バンドが日本を拠点に描く未来「K-POPとJ-POPが融合すれば、僕たちだけのK/J-POPが作れるはず」

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韓国人5人組バンドB.R.T (Blue Rock Thrush)が4月26日、1stミニアルバム『B.R.T -Chapter One-』をCDおよび配信同時リリースした。K-POPが日本の音楽シーンを席捲している現代だが、日本に拠点を移して活動する韓国のバンドとなると、なかなか見当たらない。しかも、韓国でのミュージカル俳優としての華々しいキャリアを持っているにもかかわらず、日本でイチからバンドをスタートしたというから驚かされる。

◆B.R.T (Blue Rock Thrush) 画像 / 動画

日本のバンドスタイルをこよなく愛し、J-POPや洋楽の要素を織り交ぜた本格的ポップ・ロックサウンドを個性的に奏でるB.R.Tが掲げる大きな夢への第一章が『B.R.T -Chapter One-』だ。BARKS初登場インタビューでは、G1(ジーワン / Vo)、8K (パーク / B, Vo)、SAY (セイ / Dr)、IKU (イク / Key)、GON(ゴン / G)といった5人組バンド結成の経緯やルーツ、活動履歴、そして『B.R.T -Chapter One-』収録曲についてたっぷり訊いた。


   ◆   ◆   ◆

■日本に住んで本格的バンド活動をやってる
■韓国人バンドって僕たちが初めてだと思う


──B.R.TB.R.T (Blue Rock Thrush)はコロナ禍の2021年4月から日本で本格的なバンド活動を始めたそうですが、結成の経緯は?

G1:僕は韓国でミュージカル俳優をやっていて、『エリザベート』『ジーザス・クライスト・スーパースター』『キンキーブーツ』などに出演していたんです。だけど、俳優を数年間やっているうちに、“何かチャレンジしないと、自分の人生ではないんじゃないか?”と思うようになって。“いつか日本に行ってバンドをやりたい”という夢を実現するために、8KとSAYを誘って一緒に日本に来ました。GONとIKUとは日本で出会ってB.R.Tを結成したんです。

IKU:僕たちは日本の音楽専門学校に通っていたんです。

G1:本当は、韓国から日本へ4人で来たんですけど、ギタリストが日本の食生活とか習慣が合わなくて帰国してしまったんです。その後、何度かメンバーチェンジを繰り返しつつ、GONが加入して5人なりました。運命です。

GON:僕はB.R.Tを観に行っていた客のひとりだったんですけど、バンド活動を手伝っていくうちに、いつの間にか加入してました。運命です(笑)。


▲G1(ジーワン / Vo)

──そもそもなぜ韓国ではなく、日本でバンドをやろうと思ったのでしょうか。

8K:韓国では今、バンド文化に勢いがないんです。バンドをやっていた先輩たちのほとんどがセッションミュージシャンになったり、オーケストラに入ったり。ところが、日本のチャートにはバンドの音楽がたくさんランクインしていて、“やっぱりバンドをやるなら、日本だ”と思っていたんです。「バンドをやるために僕は日本に行くよ」ってまわりに話したら、バンド仲間から「めっちゃ羨ましい!」って言われたくらい。

G1:正直に言うと、もともとは1年間限定の予定だったんです。東宝のミュージカルオーディションにも行ったことがあるんですけど、その時に感じた一番のハードルはやっぱり言語で。日本語学校に通いながらバンドを続けていけば、仕事も上手くいくんじゃないかなって思ってたんですね。でも、どんなことでも一人前になるには3年とか5年ぐらいの時間が必要じゃないですか。そうなれるまでは大変なことがあっても日本で頑張ろうと。

──韓国の方が日本でバンド活動をする上で、どんな困難がありました? もともとG1さんも8Kさんも、韓国で人気のミュージカル俳優だったわけですが。

8K:G1とは韓国でミュージカル『キンキーブーツ』に出演したりしてましたけど、日本に来てからはイチから始める感じでした。留学生として配達のアルバイトをしたり。

G1:韓国ミュージカルが好きで、韓国まで観に来てくれる日本の方も多いんです。日本に来てすぐのときは日本語が話せなかったから、新大久保のコリアン街でアルバイトをしていて。僕たちの韓国での活動を知っているファンの方がアルバイトしている姿を見て、「なんでここで掃除してるの!?」って泣かれたこともありました(笑)。僕自身はあんまり辛くなかったですけどね。

8K:ははははは。僕も最初だからそれが当たり前だと思っていたんですけど、そう言われてちょっと自信がなくなることもありました(笑)。日本語が話せないと何も表現できないというか、本当に何もできなかったんです。

G1:でも自分たちは夢を持って、仕事をしながら音楽を続けることができていたので、すごく楽しかったです。今はもっと楽しいです(笑)。


▲8K (パーク / B, Vo)

──バンド名のB.R.T (Blue Rock Thrush)は、日本語では“イソヒヨドリ”という鳥の名称ですが、どんな意味が込められているんですか?

SAY:Blue Rock Thrushは韓国と日本の海辺に住んでいる鳥で、韓国と日本を行ったり来たりしているところが、僕たちと似てるんじゃないかなと思ったんです。僕たちが初めて日本に来た時はコロナ前でしたから、韓国と日本を自由に行き来しながら活動したかったんですよ。たぶん、韓国人で日本に住みながら本格的なバンド活動をやってるバンドって僕たちが初めてだと思うし、Rockという言葉も入っているし、ぴったりな名前じゃないかなと思って決めました。

8K:ちなみにイソヒヨドリは、鳴き声がめっちゃうるさいです(笑)。

G1:日本って空が青くて綺麗じゃないですか、それが日本に来てすごく感激したところでもあります。バンド名を決めたときに、そのことは考えてなかったんですけど、Blueという言葉が入っているのもいい感じ。

──バンド結成時、音楽的なコンセプトはどんなものでした?

GON:ひとつのジャンルじゃなくて、たとえばロックにダンスが入っていたり、ジャズが入っていたり。いろんな人に聴いてもらえるように、いろんなジャンルの曲をやりたいと思っていましたし、今はその傾向がもっと大きくなっています。

──韓国のバンドといえば、日本ではFTISLAND、CNBLUE、N.Flyingなどが知られていますが、もう少し遡ると、リンキンパークのワールドツアーに参戦したPIAをはじめとするハードロック系のバンドが多かったようなイメージがあります。

8K:昔は日本の影響も大きかったと思いますよ。X JAPANとかは韓国でもすごく有名で、みんな歌ったりリメイクしたりしてましたから。

──現在は韓国バンドシーンに勢いがないとのことですが、韓国の音楽シーン全体としてはいかがですか?

G1:やはりK-POPをはじめとするアイドルが人気で、特に女性アイドルグループの人気が高いんですけど、それだけではないです。韓国の音楽アプリ“Melon”や“Mnet Plus”のチャートを見ると、上位はバラード曲が多い。だいたい1位とか2位はほとんどバラードですね。

◆インタビュー【2】へ
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