【インタビュー】昭和歌謡を引っ提げた高カロリーなパフォーマンス軍団、デラックス×デラックス

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どうですか、この感じ。アーティスト写真を見ていただければ分かるように、インパクト絶大なこのグループ。沖縄出身のパフォーマンス・グループ、デラックス×デラックスである。

アサガオ(Vo)、スイレン(G)、スズラン(B)、サクラ(Dr)の4人と、か弱い彼女たちを守るシダ、ラシ、コクという3名のSPで構成されたグループだ。コロナ禍に昭和歌謡のカバーやオリジナル曲を動画サイトで配信したところ、多くの人の目に留まり、人気も急上昇中。2023年2月に上京し、現在は全国ツアーを行なっている最中だが、各地でソールドアウトも叩き出している。SPを除く4人の総体重が540kgという規格外のわがままボディから繰り出す、高カロリーな音楽と演奏とキレキレのパフォーマンスが最大の魅力だ。

6月2日には初のフル・アルバム『千紫万紅』のリリースも決まり、脂ののりも絶好調。とはいえ、まだまだ秘密のベールに隠されたところも多いデラックス×デラックス。結成や食生活、音楽からアルバムのことまで、こってり聞かせていただきました。




──実はYouTubeでずっと前から観ていました。沖縄グルメを発信するユーチューバー=孫六さんの「孫六 Shower TV」では「軽いお食事でもどうぞ」ってアサガオさんが作ったのは、まさかのすごい量の炒飯で(笑)。

アサガオ(Vo):嬉しい、よくご存じで(笑)。孫六さんに作ってさしあげたのは、8合のお米と1kgの鶏肉で作った炒飯ですね。孫六さんは量に驚いていたんですけど、デラックス×デラックスのメンバーで食べると、ほんとに軽い食事にしかならない量なんですよ~。

サクラ:しかも私とアサガオとスイレンとスズランで、という話です(笑)。

アサガオ:さらにSP3名も加わると、その量では全然足りなくて、追加で作るぐらい。


──さすがです。「カロリーの高さ=意識の高さ」でしたよね?

アサガオ:あっ、すご~い。それ、アタシたちの大好きな言葉ですよ(笑)。

──最初はデラックス×デラックスの見た目やメンバーの人間性などに惹かれたんですが、音楽を聴いてみると、昭和世代のハートに突き刺さるものがあります。昭和歌謡の旨味を知り尽くしている感じもしました。このグループはどういう感じで誕生し、今ではSP以外の4名の総体重が540kg超えしちゃったのかと。その成長記録を教えてください。

アサガオ:もともと学生のときから派手なことしたいと思っていて、すでにデラックス×デラックスという名前とか、昭和歌謡をカバーしたいなってことは、うっすら考えておりました。そして大学生になり、サークルにも入って、そこでメンバーと出会うことになったんです。アタシは身体が大きいし、ドレスを着て派手派手にするのは確定だったので、メンバーみんな派手派手で大きかったら最高じゃないかって。当時は他の3人は80kgとか100kgになりたてで、まだまだ細かったメンバーではあったんですよ。


──100kgがスリム体形ってことですか、デラックス×デラックス基準では(笑)。

アサガオ:アタシも130~140kgぐらいで、全然スリムでしたよ(笑)。昭和歌謡で、しかも女性シンガーしばりで、いろいろな曲をカバーしたいってメンバーに話して、楽器担当のメンバーがアレンジ的に肉付けしていって、うちらの音楽性が徐々にでき始めたんです。あと派手なパフォーマンスもしたいって考えが最初からあったので、アタシが振り付けを考えて、サークルの友達にダンス・パフォーマンスしてもらっていたんです。その後、本格的なダンスを入れたいタイミングで、小学校1年のときから知り合いだったシダを誘って、今のSP3名が形になっていきました。

シダ:アサガオの幼少期をよく知っていますが、もともと人前に出て何かするタイプでもなかったんです。

──同じ給食を食べていたはずですけど、全然違いますね、いろいろな作りが。

アサガオ:アタシ、中1で100kgありました。ちょっと華奢ですよね(笑)。中学と高校はシダとは別だったんですけど、大学で再会したんです。入学式のとき、シダが椅子に向かって通路を歩いていたところ、邪魔な人がいるなと思ったらそれがアタシだったという(笑)。

シダ:ギリギリに着いて、案内されたら通路が異様に狭くなってて、その原因がアサガオだった。運命の再会です。

──楽器担当の3名は、アサガオさんと出会う以前の楽器歴は?

スイレン(G):13歳ぐらいからエレキギターを始めて、ハードロックとかポップパンクのようなバンドをやっていましたね。

スズラン(B):中学2年生からベースを触り始めて、高校1年生から本格的にバンドも始めて、オリジナル曲も作っていたんです。そして大学に入った瞬間、すごいのに出会っちゃったんです(笑)。

アサガオ:それがアタシだったんです(苦笑)。

サクラ(Dr):中学1年からギターを始めて、ベースやいろんな楽器も触りながら、最終的にドラムに辿り着いた感じで。軽音楽器は全部弾けることもあって、作曲に活きています。

──最初から昭和歌謡を目指していたということですが、どういうきっかけからですか?

アサガオ:祖母がカラオケ教室に通っていて、美空ひばりさんとかをずっと練習していたんですよ。その影響で山口百恵ちゃんが好きになったり、初めて手に入れたカセットテープが「セーラー服と機関銃」だったりしたんです。

──いわば、おばあちゃんによる英才教育ですか?

アサガオ:そうですね(笑)。アタシは昭和歌謡世代ではないんですけど、その時代に生きていなかったアタシですら、懐かしいと感じてしまう魅力が昭和歌謡に詰まっているなと思っているんです。アタシより年下の子たちにも、リバイバルで昭和歌謡が愛される流れと同じで、日本人のDNAにノスタルジーを訴えかける神秘的なパワーが昭和歌謡にはあるんじゃないかと思っています。バンドをやるとき、いろんな世代の方々を楽しませたいと思っていたので、昭和歌謡のパワーも借りて活動するのがいいんじゃないかと思いました。

──デラックス×デラックスの初めてのリサイタルのときから、現在のメンバーだったんですか?

アサガオ:リサイタル…、素敵な言い方(笑)。最初のリサイタルでは、アタシとスズランと別のドラムとギター。あと別のSPが2名。そのときからメイクで関わってくれていたのが、SPのコク。その後にサクラちゃんとスイレンが加わって、2019年にミニ・アルバム『女を月に例えるなんてハレンチね』を出すタイミングで、コクをDJとしてもステージに上げるようになりました。

サクラ:イケメンもほしかったし、ライブでのマニピュレーターもほしかったので、コクが入るのがいいなって。こっちが4名で、SPが3名で、ステージに立ったときのバランスもちょうど良くなるんです。

アサガオ:フォーメーションが作れるので。最初の構想から今のラインナップが形になるまでに、約5年ぐらい掛かりました。



──そこまで時間を掛けても実現させようというこだわりが熱いですね。あとデラックス×デラックスのみなさんは、全員で共同生活しているらしいじゃないですか。秘密のベールに隠されたお家で。

サクラ:学生だった当時、今後、バンドをちゃんとやるために大学だけは卒業しようってなったんです。

アサガオ:それで当時のギターとベースとアタシが、大学に通いやすいようにアパートを借りたんです。

サクラ:大学まで徒歩5分。

アサガオ:ところがデラックス×デラックスの活動がどんどん忙しくなっちゃって、並行して首里でお店もやったりして。

──学生でありながら、首里で店?

アサガオ:ええ、デラックス・ボックスというジュークボックスも置いてあるバーを(笑)。結局、バーが生活の軸になり、首里のほうに引っ越したんです。

サクラ:今度は首里城まで徒歩3分。

アサガオ:そのタイミングで、みんなで住むようになったんです。

サクラ:孫六さんがYouTubeの撮影でいらっしゃったのが、首里の家です。

アサガオ:それがデラックス・ハウス、略して“デラハ”です。恋が始まりそうなお家の名前も付いております(笑)。

サクラ:そのへんから8合の炒飯が始まったり、沖縄のメディアで活動が取り上げられるようにもなったんです。

──デラハのもうひとつの名物料理で“プリン体のイデア”もありますよね?

アサガオ:そうです。味の濃いものでご飯をたくさん食べるのがコスパが一番良くて、卵と明太子で作るお料理。一撃で痛風になる、と噂もされてますね(笑)。

シダ:あと“なんちゃってオムライス”もデラハの名物料理であります。

アサガオ:ミートスパゲティのレトルトソースが30円ぐらいで買えるときもあって、それを煮詰めて、卵でとじるんですよ。米にかければオムライスになるんです。基本的に卵とキムチと納豆、あと業務用マヨネーズや各種タレは常備ですね~。

コク:冷蔵庫と冷凍庫は、いつも居酒屋の開店前ぐらいの状態になっています(笑)。

サクラ:デラハも今は東京に引っ越しました。8部屋とキッチンが2つ、バスルームも2つ。快適なデラハですよ。

コク:鮮魚と卵は沖縄のほうが安いんですが、他は東京のほうが安いですね。

アサガオ:初めて見ました、30円のもやし。

コク:野菜が高いんですよ、沖縄って。



──SPの3名以外は、野菜を食べてる感じがあまりしないですけどね(笑)。

アサガオ:モリモリ食べていますよ。全部の栄養バランスを全て超過させないと。

ラシ:何事も多すぎはダメだと思います。

──だと思います(笑)。

アサガオ:そんなこと言ってたら大きくなれないですよ~(笑)。

──でも目立ちますよね、普段から。

アサガオ:世を忍ぶ仮の姿になりますから。

サクラ:でも目立ちますよ。遠くにいても目立ちます。私とスイレンとスズランは、ギリ、大きい人がいるなって範囲で収まるんですよ。でもアサガオは、凄いのがいるなって、遠くからでも分かりますから。

アサガオ:ええ、パーフェクト・シルエット・ボディを目指していますから。

──究極のフォルム=球体ですか?

アサガオ:そうです。地球上で最も美しいのは地球という思想のもと、美を追求するなら球体に近づいていこうっていうことです(笑)。

──そういうことを大学で学んだのですか?

アサガオ:心理学を学びました。辿り着いたのはそこなんです(笑)。

サクラ:心理の文字が、真理ってこと?

──ともかく、地元の沖縄で人気がものすごく高まって、今年2月に上京したんですよね。本腰入れてやるぞっていう決意の現われだと感じたんです。

アサガオ:活動の幅を広げるためにも、いつか上京しなきゃいけない、とはずっと思っていたんです。そのタイミングは、東京のライブ動員が沖縄のライブ動員を越えたときだと思っていました。そのタイミングが来る前に、アタシがメンバーを集めて「上京する」と言い出したんですけど(笑)。去年6月ぐらいでした、言い始めたのは。それで沖縄で活動してきた集大成として、去年12月に1000人キャパのライブハウスでリサイタルをしたんですよ。無事にソールドアウトもして、次のステージへ行くという感じで今年2月に上京しました。

サクラ:上京すると言われたとき、私は不安でしたよ(笑)。でも去年10月に東京でライブをしたとき、チケットが先行発売して2日でソールドアウトしたんです。そのときに東京でもやっていけるなって感じて、不安も解消されました。去年12月の沖縄のワンマン・ライブで素晴らしい景色を見て、次は東京でもこの景色を見れるように頑張ろって。



スイレン:以前から上京したいという話はちょっとずつ出ていて、アサガオから話をされたときは、私は「やっとか」と思いましたね。コロナ禍でいろいろな活動もセーブされていたけど、やっとまた大きく動き出す瞬間が来たなって。もっと加速するなって感じがあって、嬉しかったですね。

アサガオ:コロナ禍という話がスイレンから出ましたけど、環境を変えられたのはコロナ禍のおかげという面もあります。

──どういうことですか?

アサガオ:コロナ禍になった1年目や2年目はいろいろ試したんです。物事がいろいろセーブされている中で、逆にライブをものすごくやったり。制作に打ち込みながら配信も頑張ったんです。そしたらTikTokの動画がバズったんです。コロナ禍も緩和され始め、みなさん、沖縄に関することを調べ始めたタイミングだったんですよ。アタシたちが昭和歌謡を愛するバンドであるってこと、パンチあるこの見た目、あと爽やかな海。沖縄出身なのに、これほどまで海の似合わないバンドもいないと思うんです(笑)。ミスマッチ感ある動画が受けたのかなと思うんです。コロナ禍がなければTikTokなど配信動画の活動もしようと思わなかったので。それにコロナ禍があったから、自分らの見せ方や音楽を作るという部分のどっちにも打ち込める環境に、自分をしていったんです。

サクラ:コロナ禍になったとき、沖縄で配信ライブをしようっていうライブハウスも現われなくて、こっちから持ちかけたんですよ。

アサガオ:コロナ禍でお客さんを入れられないなら、配信ライブに切り替えて、毎月ワンマン・ライブを沖縄でやってたんです。そうやってアタシたちはステージ力もすごく磨けたんですよ。

──まさに花咲いたって感じですね。

アサガオ:そうなんですよ~(笑)。その時期に作ってきた曲たちが、6月2日にリリースされるアルバム『千紫万紅』に入りますから。

──ファンのみなさん、通称=カロリーも、今、増殖中です。

サクラ:すごいスピードで増えているのが、体感としてもありますね。

アサガオ:上京してからの初めてのツアーで一箇所目が大阪だったんですけど、動員数が一番でした。名古屋もソールドアウトしました。期待値が想像を越えていくのが楽しいですね。それにツアーといえば、全国各地の食も楽しみのひとつじゃないですか(笑)?名古屋の味仙では食べつくしました(笑)。

サクラ:九州では熊本ラーメン。福岡でもライブハウスに明太子のお弁当があったり、さらに博多ラーメンもウーバーイーツで。ライブのMCでも食べ物の話を求められてます(笑)。

アサガオ:アタシたちにとって初めてのツアーという経験を、カロリーたちも楽しみにしてくれているんだなと思います。

サクラ:北海道から来てくれるカロリー、東北や都内から来てくれるカロリーもいたりして。

アサガオ:福岡で観て気に入って、その足で熊本まで遠征してくれるカロリーもいたり。どんどん広がっている感じ。イメージが具現化されていく感じがしますね。

──アルバム『千紫万紅』を制作するにあたり、主に作曲するサクラさんと作詞するアサガオさんの間では、どんな構想を?

アサガオ:いろんなデラデラを見せるという。

サクラ:そうですね。おもちゃ箱みたいなアルバムになるだろうって考えはずっとありました。昭和歌謡っぽい曲もあれば、今風なダンサブルな曲もあったり。いや、今風とは呼べないですかね(笑)。

アサガオ:ライブに合うアップテンポの激しい曲だったり、おしゃれなシティ・ポップ風の曲もあったり。アタシたちのいろんな魅力を感じていただけるような楽曲を詰めようと思いました。ライブをやりながらブラッシュアップして育ててきた楽曲もあります。ここ2~3年のアタシたちの進化途中も楽しめる最高地点の作品だと思います。テーマがなにかあるというよりも、アタシたちの在りのままですかね。初めてのフル・アルバムというのもあるので、それ自体も挑戦だったんです。いろんなアプローチにも挑戦して、アルバムに入らなかった曲も多いんですよ。生き残った生命力の強い、そして味の濃いものになっているんじゃないかと思います。

──レコーディングやアレンジ過程ではどんなやり取りがありました?

サクラ:サウンド・プロデューサーの方にもご指導していただきながら、ライブのたびにブラッシュアップさせて、最終的に形になったものを録ったんです。ドラムとベースは一緒にスタジオで録ったんですが、サウンド・プロデューサーから「3テイク以内にOKテイクを出さないと、実力も出ないよ」という教えのもと、スパルタでやって。ライブで今までやってきたことの全力を出そう、という感じでした。

アサガオ:あとパフォーマンスとの親和性も考えながら、この部分はこういう音色とか、もっと派手にとか。SPたちからのアイデアなどもインプットされていきました。ライブありきのアタシたち、ナマのライブを観てほしいって考えなので。

──HIGH and MIGHTY COLORで活動していたギタリストのMEGさんが、デラデラのことをよくツイッターで書いていましたが…。



サクラ:MEGさんがサウンド・プロデューサーなんです。レコーディング・エンジニアもミキシングもMEGさんにお願いしたんです。

──そうだったんですか。メタル・マニアでもあるMEGさんですよね。メタル・メィニアって発音しないと怒られるんですけど。

アサガオ:その感じ、思い浮かびます(笑)。

サクラ:MEGさんは私たちの意図を汲んで、楽曲アレンジもしてくれるんです。私が作曲初期のころ、ピアノなど上モノの作り方が下手で、MEGさんが直してくれたり。上モノはMEGさんから習って成長してきた部分。「ラララブラ~愛の呪文~」の上モノを私が作ったとき、このクオリティならCD出せるねって言われました。MEGさんから褒められて、ひとつ自信にもなりました。MEGさんは沖縄の先輩であり、アーティストの先輩ですから。それに私はHIGH and MIGHTY COLORで育った世代ですからね。雲の上の人から、今は一緒に歩いてくれる仲間になってくれたみたいで、ものすごく嬉しいですね。

──アルバムに収録されたオリジナル曲の随所には、昭和歌謡らしいアレンジや音使いがふんだんに入っています。改めて昭和歌謡を聴いて勉強していった部分も?

アサガオ:そうですね。デラックス×デラックスをやっているからこそ、掘り下げた昭和歌謡もたくさんあるので。

サクラ:シンプルなのに音楽エッセンスが全部詰まっているような昭和歌謡もありますからね。温故知新とはこのことだなって、勉強させていただいてる感じなんです。でも当時のままの表現の仕方を、現代でやると、多分、古臭くなっちゃうだけで目新しさがない。そこで私たちらしいアレンジを入れていきます。

アサガオ:歌謡曲も聴きながら、メンバーそれぞれで聴いてきた音楽も違うので、それがまたバックボーンになって、混ざり合うことでデラックス×デラックスらしさになっていると思います。ギュッと抽出されてると思います、濃ゆい原液に(笑)。

スズラン:「一夜一夜に人見頃」ではベース・ソロも入れております。


サクラ:あと曲中でベースがタッピングしているポップスは聴いたことない。

スズラン:「女心ミステリヰ」では、Aメロ部分で敢えてウォーキング・ベースみたいな感じでタッピングしているんです。音楽マニアが聴いたらウオーッとなって、普通の方にも何か難しそうなことしているって伝わると思って。

アサガオ:作曲をするのはサクラちゃんなんですけど、それぞれのパートのこだわりもいろいろ詰め込んでいるんですよ。

サクラ:スイレンにはギターのバッキング・パターンも相談したりして。作曲クレジットは私になっているんですけど、デラックス×デラックスが作曲と言ってもいいぐらい、みんなで話し合って作っていますね。

──アルバムでそれぞれ最もチャレンジした部分といえば?

サクラ:作曲面では「ヨバナシのテーマ」。ただただおしゃれなシティ・ポップではなく、ちょっと哀愁もあったり。デラデラが今まで見せていなかった一面になった気がします。その反対にある曲が「アナタに首ったけ」で、BPMもかなり速くてパンクチック。


スイレン:ガレージ寄りのパンクという雰囲気もありますね。

サクラ:でも激しくて男臭いんじゃなくて、キャッチーで。駄々っ子がずっと駄々をこねている雰囲気なんです(笑)。正反対の2曲を1枚のアルバムに共存させているのも、ひとつのチャレンジかもしれません。

アサガオ:松原みきさんの「真夜中のドア」は、リバイバルで海外で人気が出始めたとき、この曲を歌いたいと思ってやってみたら新しいデラデラを見せられたなと感じて。オリジナル曲でもこういう曲がほしいとなったんです。そのとき、歌詞になるワードを募集して、それを組み替えてアタシが歌詞を書くというラジオ番組の企画があって。『デラデラとヨバナシ』という番組名だったので、そのまま曲にしたのが、実は「ヨバナシのテーマ」なんです。

サクラ:深夜帯の放送だったので、まろやかな曲調がいいというので、シティ・ポップ調に作っていったんですよ。ラジオの曲に聴こえたり、遠くを思う人の曲にも聴こえたりすると思います。

アサガオ:ライブでも披露しているんですけど、お客さんが凄まじく泣いていました。

サクラ:大阪のライブでは、この曲を聴きながら前のほうのお客さんたちがすごく号泣していて。ご自身の経験と照らし合わせて曲の感想を手紙に書いてくれるカロリーもいました。遠距離恋愛のことや、故郷の両親のこととか。

──進学や上京などで地元から離れて一人暮らしを始めたカロリーたちも多いでしょうからね。感情を揺さぶられる曲でしょう。

アサガオ:曲の後から聴いた方のそれぞれのストーリーが付いてくる感じが、バンドをやっていて楽しい部分でもありますね。受け取り手によって、楽曲の意味合いが変わってくるのも楽しいですし、やりがいがあるなと思います。

──デラデラの曲や歌詞は、瞬間風速で終わらないんですよ。聴き終えてジワッと来る。

サクラ:中毒性があるっていう声もよくいただきます。そう感じていただけるのはありがたいですね。

シダ:あとライブでは、観てくれるカロリーたちとパフォーマンスや音楽でどう会話ができるのかも考えています。ダンスは言語のない言葉だと思っているので。キャッチーなところは一体感をカロリーたちと作りたいし、見せるところはとことん見せます。

アサガオ:誰も真似できないようなアクロバティックなダンス・パフォーマンスをシダとラシは見せますから。あと今までは、リリースしていないオリジナル曲をどんどん出していたので、ライブに向けてカロリーたちは予習もできなかったんですよ。6月からはアルバム『千紫万紅』を家でちゃんと味わって、ライブハウスでまた味わえるから、アタシたちの魅力をより深く楽しめると思いますね。











──これからカロリーになる方も多いと思うんですが、興味ある方たちに一言ありますか?

サクラ:非日常感を私たちはライブハウスで体現しているので、YouTubeなどでまず一度観ていただいて、この世界観は気になるなと思ったら、実際にライブハウスに来て体感していただけたらと思っています。そしたら中毒になりますね。

アサガオ:アタシたちの派手さが、まず目に留まると思うんです。どんどん聴いていったら、デラデラの世界の深さに入っていくと思うんですよ。派手の先にも楽しいことがまだまだありますから、安心してハマっちゃってください。実際に今のツアーでは、“ライブハウスに来るのは初めて”という方も多いんですよ。下は中学生、上は60~70代の方もいらっしゃいます。ライブハウス慣れしていない方でも、どの世代でも、すごく楽しめるステージをアタシたちは魅せますから。

取材・文◎長谷川幸信


『千紫万紅(せんしばんこう)』

2023年6月2日(金)発売
ZLCP-425¥2500(税込)
1.ラララブラ~愛の呪文~
2.フライディ・チャイナタウン
3.ヨバナシのテーマ
4.真夜中のドア~Stay with Me
5.かもめが翔んだ日
6.抱かれてたいのよ
7.女心ミステリヰ
8.イケズなやつさ
9.嘘とアイスコーヒー
10.アナタに首ったけ
11.ダンシングヒーロー
12.恋してよDISCO
13.一夜一夜に人見頃
14.夏よ、恋



<廻れ!!百花繚乱ツアー>

6/3(土)
会場:渋谷Spotify O-Crest
時間:開場18:00 / 開演18:30
6/11(日)
会場:札幌Crazy Monkey
時間:開場18:00 / 開演18:30
6/18(日)
会場:横浜F.A.D
時間:開場18:00 / 開演18:30
6/23(土)
会場: 桜坂セントラル
時間:開場18:30 / 開演19:00
7/16(日)
会場:西川口Hearts
時間:開場17:00 / 開演17:30
7/22(土)
会場:仙台enn 2nd
時間:開場19:00 / 開演19:30
7/29(土)
会場:京都磔磔
時間:開場17:00 / 開演17:30
7/30(日)
会場:静岡Sunash
時間:開場16:30 / 開演17:00
8/20(日)
会場:名古屋 今池 3STAR
時間:開場17:00 / 開演17:30
8/27(日)
会場:柏Thumb up
時間:開場17:00 / 開演17:30
9/2(土)
会場:水戸LIGHT HOUSE
時間:開場17:00 / 開演17:30
9/16(土)
会場:福島C-Moon
時間:開場17:00 / 開演17:30
9/17(日)
会場:宇都宮 HEAVEN'S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2
時間:開場16:30 / 開演17:00
10/6(金)
会場:名古屋 ell.SIZE
時間:開場18:30 / 開演19:00
10/8(日)
会場:神戸太陽と虎
時間:開場17:00 / 開演17:30
10/21(土)
会場:金沢AZ
時間:開場17:00 / 開演17:30
10/22(日)
会場:富山Soul Power
時間:開場16:30 / 開演17:00

◆デラックス×デラックス オフィシャルサイト
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