【インタビュー】The BONEZ、5年ぶりフルアルバム完成「『Yours』と名付けた時点で、オマエらを信じているんだよ」

■正解して良かったね
■俺らみたいなのが突破口になる

──さて、アルバム『Yours』をリリースして、5月から2024年までのツアー＜47 AREAS＞が待ち受けています。

JESSE：50公演だね、今のところ。47都道府県ツアーはThe BONEZでは初。結成10周年で初。KOKIにとっても初。全員が初めてってことで、やっぱりワクワクの度数がハンパじゃない。きっと、いろいろなことがあると思う。まだツアーは始まってもいねえのに、俺は骨を折りまくってるし（笑）。

ZAX：無事に完走することを祈ってます。

JESSE：KOKIは30代だけど、俺らみたいな40歳オーバーのバンドが、47都道府県をツアーでまわることで、若手バンドたちが、“ヤベー、47都道府県まわるのってカッコ良くねぇ？”と思ってくれたら。“これがイケてるステータスなんだ”って根付かすことができたら。そうすれば日本のライブハウスは潰れなくなる。俺らバンドマンにとってコロナ禍は、デカい会場でライブができるチャンスにもなったんだよ。でも、ライブハウスがなかったら俺らは終わりなんだぜ。すげぇ世話になって、“楽屋の使い方が汚ねえ”とか“搬入が遅い”とか怒られたりしてきてさ。そうやって俺らは育てられて大きくなった。で、そこのライブハウスの店長が地域でフェスとかイベントとかやり始めたら呼んでくれたりして。


──つながってるんですね。

JESSE：俺がいつもライブで「そこの少年や少女たち」と言ってる子たちが“バンドをやる”ってなったとき、地域にライブハウスがなかったらどうなる？ ツアーをまわるのって楽しいし、カッコいいんだよ。もちろん、ツアーが続きすぎると、“いつになったら頭ひとつ飛び抜けられるんだ？”って壁も出てくると思う。でも、その位置をメイクするまでの道のりも楽しんだよっていうさ。47都道府県をまわることで、先輩面したいわけじゃないけど、こういうひとつの行動で示すってことが、若いヤツらに対するメッセージになると思う。例えば、10-FEETとかHEY-SMITHとか、いろんなバンドが今もやってるけど、俺らも提示しなきゃいけない。全バンドが持ってる責任ってそういうものもあるんじゃないかな。めったにバンドが来ない街もあると思うけど、そういう街も“最近はいっぱい来るな”っていうようにしたいしね、日本中を。

──『Yours』の曲をライブで浴びまくったら、間違いなく、みんな元気になるはず。

JESSE：いいね、ライブハウスの入口で豆を配ろうか、仙豆を(漫画『ドラゴンボール』参照）。「一粒で、すげー元気になったよ」って（笑）。でも「元気になる」って言われるのは嬉しいっすね。間違いなくそうなる。

──で、ライブ後に「っすよね！」と言われる（笑）。

KOKI：「やっぱ…ってことっすよね！」って（笑）。

JESSE：曲も『Yours』ってタイトルも、みんなが俺たちの想像以上に喜んでくれたのも嬉しい。正解して良かったね。1年ぐらい前から俺ら、方向性が決まったうえで、“こう行こう”って作り始めていたから。まだコロナによる規制が緩和し切れていない中、俺らみたいなのが突破口になるんだなってのは感じてる。


──5月のゴールデンウィーク明けには、どこの会場もフルキャパでライブができますからね。

JESSE：完璧でしょ？ この流れ。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』じゃないけど、俺はビフみたいに未来を予想できる本を持ってたんじゃないかってぐらいで（笑）。

ZAX：今日は、これからインストアイベントだけど、満席。でも握手はダメっていう規制がまだある。

JESSE：握手ダメなの？ じゃハグは？

──もっとダメだろ（笑）。

JESSE：いや、握手じゃないから。ハグだから（笑）。
T$UYO$HI：ツアーの話で思ったんだけど、例えばThe BONEZがフェスに出演することが発表されると、「わーい、ありがとう」って反応してくれるお客さんもいるんだけどさ。それって“自分が行く予定のフェスに出るんだ、嬉しい”みたいなことだよね。でもさ、“いやいや、今回は君の街にThe BONEZのライブが行くからね”っていう。フェスじゃなくてライブハウスに来れば観られるよっていうさ。だから「ちょっと遠くて行けないんです…」ってのはナシだよね。

ZAX：ヤ●ザっすね〜。優しい言い方してるけど、本心は「絶対に来いよ、オマエ」だもんね。

JESSE：恐っ！ 1990年代ジャパコアスタイルじゃん。

ZAX：それは嫌いじゃない（笑）。

JESSE：自分の親と一緒にとか、今までは一人で遠征してたけど今回は友達を連れてとか、本当に祭りだと思って楽しんでほしい。後ろで静かに観るのもよし、感極まって叫びまくるのもよし、人の上に乗っかってもいい。ただ“モラルはなくすな”って、俺はそう仕切るつもり。


──では、ツアーに向けてメッセージを。

JESSE：俺の仕切りは、オマエらにいろんなことを委ねるからなってこと。アルバムを『Yours』と名付けた時点で、オマエらを信じているんだよ。めちゃくちゃ楽しんでほしいし、チケットを頑張って取って良かったと思わせるために行くし。このチケット1枚でこんなに人生観が変えられるの？って思わせる。そのために俺らはオマエのところに行く。来たら、“自分は間違ってなかったんだ”って、似たような考えの仲間がいることを感じられる日にもなるから。“オマエの仲間はいっぱいいるぜ”って。だから、ライブハウスに来ない理由が見つからない。騙されたと思って来てみ。で、“騙された！”と思ったら、“ああ…、騙されちゃったなぁ〜”で、よろしく（笑）。

KOKI：そこは広い心で（笑）。

JESSE：そう、笑いながら“騙されちゃったな〜”で（笑）。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎野村雄治






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