【ライブレポート】The Brow Beat、「もっと響かせろ、人生を!」

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The Brow Beatが5月9日から全国ツアー<The Brow Beat Live Tour 2023“The Five Senses”>をスタートさせた。本項ではツアー初日、神奈川・CLUB CITTA’公演の模様をお届けしよう。

◆ライブ写真

佐藤流司が“Ryuji”としてアーティスト活動も行うことを決意し、その思いの丈をHAKUEI(PENICILLIN)に語ったことで誕生したThe Brow Beat。2018年1月1日に1stアルバム『ラグナロク』をリリースしたThe Brow Beatは始動と同時に大きな注目を集め、1月17日から始まった<The Brow Beat Live Tour 2018 “Ragnarök”>は全公演ソールドアウトとなり、同年5月18日には日比谷野外大音楽堂の単独公演も成功させるという華々しいスタートを切った。

その後もThe Brow Beatの勢いが弱まることはなく、多くのリスナーから熱い支持を得ている。Ryujiがシンガー/コンポーザーとして高いスキルを備えていることに驚嘆した人やHAKUEIのプロデュース能力の高さを、あらためて感じた人は多いに違いない。

そんなThe Brow Beatは今年デビュー5周年を迎え、アニバーサリーを飾る全国ツアー<The Brow Beat Live Tour 2023 "The Five Senses”>が5月9日からスタートした。ツアー初日のCLUB CITTA’公演はウィークデーにも拘わらず満員となり、場内は開演前から華やかな空気に包まれていた。

場内に煌びやかなオープニングSEが流れ、サポートメンバーに続いてRyujiがステージに姿を現した。客席から大歓声と熱い拍手が湧き起こり、ライブはメロディアスかつ爽やかな「アイリス」からスタート。ブラック・スーツに赤いネクタイ、レザーの黒い手袋というスタイリッシュな姿で抒情的な歌声を聴かせるRyujiのカッコよさに目を奪われるし、躍動感を湛えたサウンドも心地いい。客席のボルテージは一気に高まり、オーディエンスは1曲目から熱いリアクションを見せる。ライブが始まると同時に場内は濃密な空間と化し、CLUB CITTA’が小さいライブハウスのように感じられるという不思議な感覚に襲われた。


その後は「OK、声出していきましょう!」というRyujiの言葉も挟みつつ高速で突き進む「ジセイノク」と力強さと洗練感を併せ持った「Scarlet Syndrome」をプレイ。今回のツアーはアニバーサリー公演ということでオープニングに最初期の楽曲3曲を持ってきたわけだが、こういった曲達を聴くとThe Brow Beatは立ち上げ当初から良質かつ幅広い楽曲をラインナップしていたことを再確認させられる。同時に、Ryujiの歌唱力や表現力にさらなる磨きが掛かってもいることも実感できた。

「こんにちは、The Brow Beatです! いよいよ大手を振って声出しOKということで、5周年のライブがやってきました。でも、今までどおり変わらないです。棒立ち大歓迎でございます。なにもしなくても大丈夫。仏像みたいに、お地蔵さんみたいに突っ立っていても全然大丈夫ですからね。でも、せっかく声出しOKになったし、いつもよりはちょっと口ずさんでみたり、声を出してみたりしてみてもいいかもしれません。届ける自信があるヤツはついてこい。いけるかい? じゃあ、いってみようぜ!」

というRyujiのMCに続いて、セカンドブロックではダンサブルなサビ・パートを配した「Hide and Seek」やRyujiの痛みを感じさせる歌声が胸を打つ「Brilliant Transparency」「仮面の告白」などが届けられた。ライブが進むに連れてより深みを増していくThe Brow Beatの世界にオーディエンスが惹き込まれていくことが感じられる中、続く「Adam」でHAKUEIがステージに登場。客席から歓声が湧き起こり、場内の熱気はさらに高まった。

この流れからは、元々は自身が表に出る気はなかったHAKUEIに対して、ツインボーカルでやっていくものだと思っていたRyujiが一緒にステージに立つことを望んだという経緯が思い返される。長いキャリアを持つHAKUEIと並び立っても引けを取らない存在感を発するRyujiはさすがの一言だし、妖艶かつミステリアスという己のパーソナリティーを余すことなく発揮する


HAKUEIも実にいい。今回のライブでも正統的なロック・シンガーの魅力を備えたRyuji(とはいえ、彼はそれだけの存在ではないが)と異彩を放つHAKUEIという異なる個性が生み出す唯一無二のケミストリーやハイクオリティーなツイン・ボーカルを、たっぷりと味わせてくれた。

ライブ中盤では緊迫感を発する「サザンクロス」や和を香らせつつパワフルに疾走する「ヤタガラスの影踏み」、スリリングな「404」といったハードチューンを相次いでプレイ。この辺りのナンバーではフィジカルなステージングを展開しつつファットなシャウトを連発させるRyujiに圧倒される。ライブ前半で見せたエモーショナルな雰囲気とハード・チューンで発露するアグレッシブさという二面性を持っていることはRyujiの大きな魅力といえる。ステージを行き来して、客席に煽りを入れながら歌うRyujiに牽引されてオーディエンスの熱気はどんどん高まっていった。

「俺に届けられるならと言ったけれども、もうちょいだと思うんですよね。前のほう、もうちょいだと思うんですよね。上手! 下手! センター! もうちょいですよね。もっと響かせろ! 人生を!」というRyujiのアジテーションに続けて、ライブは後半へ。ここでは激しさとキャッチーさを併せ持った「銃声」を皮切りに、RyujiとHAKUEIがラケットを使ってカラーボールを客席に打ちというパフォーマンスで場内を湧かせた「爆風」、爽快感に溢れた「ハレヴタイ」が畳みかけるように演奏された。

メンバー全員が織りなす激しいステージングと気持ちを引き上げるサウンドの連続にオーディエンスも熱狂的なリアクションを見せ、CLUB CITTA’の場内は膨大なエネルギーに満たされる。本編を締め括った「ハレヴタイ」を演奏し終わってThe Brow Beatがステージから去った場内は笑顔で溢れ返っていた。

ツアー初日とは思えない完成度の高いライブで<The Brow Beat Live Tour 2023 "The Five Senses”>の幕明けを飾ってみせたThe Brow Beat。音楽性の幅広さを活かして様々な表情を魅せ、中だるみなどは一切ない凝縮感のあるライブを披露したのは実に見事で、彼らのライブには強力な“病みつき感”があることをあらためて感じさせられた。


もうひとつ、アンコールで新曲の「ラブレター」と「な訳ねぇだろ」が演奏されたが、2曲ともにリリース前にも拘わらず、場内が怒涛の持ち上がりを見せたことも印象的だった。これまでのThe Brow Beatとはまた一味違った爽快感やキャッチーさを持った両曲は注目といえるし、ここにきてまた新たな魅力を提示したことには本当にワクワクさせられる。

今回のツアーを通してファンのThe Brow Beatに対する愛情が一層深まると同時に、The Brow Beatがより多くのリスナーを虜にしていくことは間違いなさそうだ。

6月3日、4日には東京・LINE CUBE SHIBUYAでツアーファイナル公演が行われる。リアルタイム配信も実施される。5月31日にニューシングル「ラブレター」がリリースされ、MVも解禁されたこともあり、ファイナル2デイズがより熱いライブになることは間違いない。


文◎村上 孝之
写真◎菅沼 剛弘

NEW SINGLE「ラブレター」

2023年5月31日(水)
全5形態 発売中
購入:https://lnk.to/tbb_cd
配信:https://lnk.to/tbb_loveletter_digital

<The Brow Beat Live Tour 2023 "The Five Senses”>ツアーファイナル

2023年6月3日(土)
LINE CUBE SHIBUYA
開場17:00/開演18:00
先行販売時間14:00〜

2023年6月4日(日)
LINE CUBE SHIBUYA
開場16:00/開演17:00
先行販売時間13:30〜

開場時間より当日券売場にて販売
10,450円(税込)

<The Brow Beat Live Tour 2023 "The Five Senses”>ツアーファイナル配信概要

1dayチケット
【視聴料金】
¥3,500(税込)
Streaming+:https://eplus.jp/thebrowbeat-st/

FC限定 2daysチケット
【2days 視聴料金】
¥6,000(税込)
https://thebrowbeat.jp/news/detail/PI9zeunLI1hXs+5LPpvsd1RhRuuO8PYrF+RW9SX1lyA=

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