【インタビュー】今どきのバンドらしさと相反するハングリー精神を持つバンドYENMAのリアル

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■バンドでGet Moneyを目指す?

──今後こうなっていきたいという将来像やロールモデルがあれば教えてください。

光:コブクロの黒田さんみたいに胸にぐっと来る歌を歌いたいなっていうのと、ギターでいえばリッチー・サンボラみたいな魅せるギターソロを弾きたいっていうのはずっとありますね。ギターソロが少なくなってきてる時代ですけど、やっぱり好きなので。

希実:私はYUKIさんみたいに歳とりたいってずっと思ってます。やってることはすごく独特なはずなんだけど、「個性的」で終わらずに「かわいい」「セクシー」って受け取られる表現をしてるのに憧れます。具体的にこう真似してるってわけじゃないですけど、あざといけど媚を売ってるわけじゃないあの感じは、自分にもできたらいいなって思います。

武尊:僕はフー・ファイターズっすね。だいぶ前のフジロックにフーファイが出たとき、その前にドラムのテイラーがドラムヴォーカルをやっていた別バンド、テイラー・ホーキンス・アンド・ザ・コートテール・ライダーズがホワイトステージに出てたんです。テイラーのドラムは当然バカよかったんですけど、最後に「スペシャルゲストだ! デイヴ・ファッキン・グロール!」って呼び込んで、フーファイの出番前にデイヴが1曲叩いたんですよ。でその後、デイヴはグリーンステージにゼム・クルックド・ヴァルチャーズとして出て。
何が言いたいかっていうと、こういうテイラーとデイヴの関係性が好きなんですよ。自分の出番前でも仲間に頼まれたらフットワーク軽く応えるあの感じ。「お前の頼みならなんでもやるぜ!」みたいな。ああいう関係性を周りと築いていけたらと思ってますね。



──バンドとして、また個人としての目標は?

光:YENMAとしては、武道館を埋めたいっていうのはいつもメンバーで話してますね。口に出すことで自分を焚きつけられるし。あと、僕らの持ち曲には今アップチューンが多いんですけど、最終的には胸にぐっと来るバラードを作りたいなと思ってます。これは作曲者である僕にかかってる話ですけど。

希実:先どうぞ師匠。

武尊:今考えてたんだけど……そうだなあ……。

希実:海外ツアーしたいって言うかなと思ってた。

武尊:それは1つあるね。

希実:私以外の2人は英語できるんですよ。

光:僕は武尊の足元にも及ばないですけどね。

武尊:まあ住んでたからね。実際今、海外でライヴできないかって話をしてるんですよ。僕は音楽活動と並行してサラリーマンやってるんですけど、そっちの仕事でできた縁で。日本のバンド何組か連れていって、一緒にあっちでライブできないかなって。

希実:ゆくゆくはYENMAがそういう海外に日本のバンドを紹介するビジネスで儲けらんないかなって私は思ってて。

武尊:そこまでは考えてなかった(笑)。

希実:でも大真面目なんですよ。私、去年くらいから音楽で稼ぎたいって思いがどんどん強くなってて。バンドマン=お金ないっていうのがすごく嫌だし、それが美徳みたいになって、バンドマン自身が受け入れちゃってるのも変えたいなって。そんなに知名度がなくても稼ぐ方法ってあると思うし、いずれにしても今ある音楽での成功の仕方以外の道を見つけるというか、やり方変えてくべきだと思うんです。そういうのを最近すごく考えてますね。ハイブランドのいい服着たいし、もっといいもの食べたいし。

──意外とハングリーというか、ラッパーっぽいアティチュードなんですね。get moneyな感じで。

希実:サウンドハウスじゃなくてもフラっと入った楽器屋さんで機材を衝動買いしたいんですよ! とにかく生活水準を上げていきたい。バンドマンでもそれができるはず。

※サウンドハウス:バンドマンやDJにはお馴染みの機材の通販サイト。日本で音楽活動をする上でなくてはならない存在といえる。

武尊:自分としては、今音楽やってて心の底から「好きなことやってんなあ!」と思えてるんで、とにかく続けていきたいですね。周りの仲間たち含め、ずっと一緒にやっていきたいです。

──先ほどのフー・ファイターズの2人のお話とも繋がりますね。音楽を続けていく、“やめないでいる”のってすごく難しいですもんね。どんどん周りがいなくなっていってしまう。

武尊:一緒に続けていきたいですね。あともっとリアルなのいうと、地下室のある部屋に住みたいですね。やっぱ生ドラムが叩ける環境が欲しいんですよ。ドラマーあるあるだと思うんですけど、普通の賃貸だと自宅で叩けるのは電子ドラムだし、やっぱ床に響いちゃうんで1階にしか住めないんですよね。欲を言えばレコーディングスタジオも欲しいですけど、まずは生ドラムっすね。

光:僕もつられて個人的なのを言うと、鳥が大好きで。

──鳥。

光:タイハクオウムっていう80万円くらいするオウムがいるんですよ。鶏よりも声が大きくて、とてもじゃないけど都内では豪邸でもない限り飼えない。音楽で稼いでそういうところに住めるといいなっていうのは思いますね。

武尊:最終的に金の話ばっかりになったね(笑)。

希実:いいじゃん。目指してこうよ。

取材・文:ヒラギノ游ゴ

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YENMA ONEMAN LIVE「閻魔祭」


2023年7月1日(土) 下北沢ReG
開演:19:00 開場:18:30
チケット:3000円+1drink600円

■チケット先行受付
4/8(土)19:00~下記URLより受付開始
https://eplus.jp/sf/detail/3848320001-P0030001

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