【インタビュー】HYDE、新曲「TAKING THEM DOWN」と刺激的で濃厚な10ヵ月間を語る「我々も反撃を」

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HYDEが2023年第一弾となる新曲「TAKING THEM DOWN」を6月16日に配信リリースする。『P真・北斗無双 第4章』タイアップソングでもある同新曲は、舌鋒鋭いラップを含む怒涛のラウドナンバーだ。様々な位相での“闘い”について考えさせられるリリックも、ラップパートとは対照的に甘やかな声色を忍ばせた歌唱も、いずれも表現豊かでどれだけ激しくてもそれ一辺倒にはならないHYDEの複合的な魅力と固有性を感じさせる曲となっている。

◆HYDE 画像 / 動画

サウンドは変わらず、アグレッシヴ。キメ細かく躍動するドラムのビートがサウンドを高揚させ、ヘヴィでダークなギターが世の中の閉塞感を木っ端微塵に打ち砕くようで痛快だ。それらサウンドと、HYDEならではの流麗なメロディパートやラップパートとが絡まって築き上げられた「TAKING THEM DOWN」は、曰く「激しいんだけどメロディアスで記憶に残るような曲になれば」というテーマのもとに制作されたという。

THE LAST ROCKSTARS始動時のプレミアムな全員インタビューを除けば、BARKSでのHYDEインタビューは2022年7月以来となる。この10ヵ月のHYDEの足取りを辿るべく、ラウドを鳴らす猛者たちとのガチンコツーマン<RUMBLE FISH>、THE LAST ROCKSTARSの活動、ドキュメンタリー映像『L'Arc-en-Ciel 30th L'Anniversary』配信などを含め、これまでの日々を振り返ってもらいつつ、6月からスタートする<HYDE LIVE 2023>への意気込みも訊いたロングインタビューをお届けしたい。


   ◆   ◆   ◆

■パンデミックの時代に皆さんも闘ってきた
■“負けた”では終わらないですからね


──HYDEさんの魅力が詰まったアグレッシヴかつ美しいナンバーだと感じました。パチンコ『P真・北斗無双 第4章』搭載曲として既に全国導入されており、このたび待望のリリースとなりますが、楽曲制作はどのようにスタートしたのですか?

HYDE:2021年ぐらいにJulian (G / MAKE MY DAY)がデモ音源を作ってきてくれて。そのカラオケ状態の曲にメロディーを付けたりして、みんなでアレンジしていってできた曲ですね。

──クレジットにはJulianさんの他にhico(Key)さん、Ali(B / MONORAL, IMOCD!)さんの名前も入っていますが、共同制作されたのでしょうか?

HYDE:Aliは英語をメインに協力してくれて、曲のアレンジはhicoがメインで。レコーディングもhicoがバンマスみたいな感じで中心になって、滞りなく進みました。

──HYDEさんのヴォーカル録りに関しては、どのように作業されたのですか?

HYDE:最近はいつも同じやり方なんですけど、hicoとAliがディレクションしてくれます。2人とも細かいですね(笑)。

──ジャッジが厳しいということですか?

HYDE:細かいですね、2人とも。そうじゃないと困るけど。Aliは完全に英語の発音のことメインで、hicoは歌のニュアンス含めたディレクションも入ってくるんですけど…hicoは英語の教え方が上手いんです。Aliとかはネイティヴで自然に英語ができちゃうから、英語が当たり前過ぎて、伝えづらい部分があるんだけど、日本人で英語を習得している人は、培ってきたものがあるから、「こうやったら上手く出るよ」とか、教え方が上手だったりするんですね。


──歌唱については、ラップ部分はパワフルですが、たとえばサビの“反撃マイターン”というフレーズは声色が柔らかくコーラスも美しくて、曲全体としてはHYDEさんの多彩な声色を味わえるなと。

HYDE:たしかにそうですね。

──“どこをどの声色で歌うか”という選択は、どのようにしていかれたのでしょうか?

HYDE:特にはなくて。“このメロディーに対してはこういうアプローチがいいんじゃないかな”っていう感じで決めていく…まぁ流れですかね。

──今回、ヴォーカルとして特に難しかったのはどのあたりですか?

HYDE:やっぱりラップみたいな部分かな。難しかったですね。英語は特に。発音だけじゃなく、やっぱり勢いも重要なので。日本語にすれば良かった。

──タイアップ楽曲として、先方の『P真・北斗無双 第4章』側から何かリクエストはあったのでしょうか?

HYDE:リクエストは特にないですね。何曲か提出した中で気に入ってくれたのがこの曲だった、という感じでした。

──闘争心を掻き立てる曲だと感じましたが、HYDEさんとしては制作にあたり、どんなイメージを思い描いたのでしょうか?

HYDE:激しいんだけどメロディアスで記憶に残るような曲になればいいなって。そしてパチンコしていて楽しくなるような曲を、と思っていました。映画の主題歌と同じで、やっぱり相乗効果で盛り上げたいと思うので。全然関係ない曲が映画の最後に流れて、“何じゃそれ?”とはならない曲にしたいから。映画があるから曲がまたカッコ良く聴こえるし、曲を聴いたらまた映画を観たくなる、というような効果があってほしいなと。

──パチンコもそれは同じだと。

HYDE:そう。パチンコしている時にこの曲が流れて、“楽しい!”と思える曲であってほしいなというのは大前提です。ただ、パチンコよりも音楽の寿命って長いと僕は思うので、パチンコだけに曲が特化してしまうとちょっともったいない。たとえば、“パチンコ”という言葉が具体的に出てくるとか、そういうようなことをし過ぎても僕としてはちょっと違うと思うから。だからダブルミーニングを持たせて。敵と闘うとか、そういう雰囲気をパチンコの世界とミックスさせるイメージで作っていきました。


──「INTERPLAY」(2020年3月発表/『パチスロ 真・北斗無双』テーマ曲)も同シリーズの搭載楽曲だったんですよね。ところで、HYDEさんはパチンコをされたりするんですか?

HYDE:正直に言うと、めったにないですね。最後にやったのが6〜7年前かな? 一瞬で1万円が消えてビビりました(笑)。基本的にはパチンコって、“負けから始まる”ものだと思うんですね。だからこそ、負けていても気持ちいいことが大事かなって。その中でいかに自分のターンが来るかが勝負だと思うから、曲が流れた時の高揚感とか、気持ちを盛り上げる曲ではあってほしいなと思っていました。

──パチンコをする習慣のない人も、街を歩いていると、パチンコ屋さんから大音量で楽曲が流れてくるのって気になると思うんですよね。

HYDE:そうそう。結構それで曲を覚えてくれる人がいるんですよ。特にVAMPSの「AHEAD」(2013年7月発売/『P真・北斗無双 第3章』テーマ曲)はよく流れてたって、いろんな人から言われました。

──たしかによく耳にしました。これはパチンコに限定しない質問ですが、HYDEさんご自身は“闘い”や“反撃”という言葉から何をイメージなさいますか?
 
HYDE:常に何かしら闘いってあると思うんですよね。たとえば何かトラブルがあって、それを自分なりに回避していくことが、もう既に闘いですよね。恋愛でもそうですけど、ちょっとしたトラブルがあった時にどう立て直すかとか。浮気がバレた時に何て言い訳するかとか(笑)。極論を言うと、それもやっぱり闘いじゃないですか。

──負けられない闘いですね(笑)。

HYDE:そうそう(笑)。この状況をどう切り抜けるかとか。今まさにこのパンデミックの時代も皆さん、たくさん闘ってきたと思うんですよ。それこそ仕事を失くした人もたくさんいると思うしね。そこでこの曲を聴いて、ダブルミーニングで何かを感じてもらえたら、感情移入もしやすいのかなとは思います。

──この3年間、パンデミックに加え、戦争も始まり、世界には問題が山積していて、強い向かい風が吹いている時代だと感じます。この時代を生きる上で、HYDEさんの“闘いの流儀”ってあるのでしょうか? 

HYDE:基本的には僕は争いを避けるタイプです。でも、争う場合はどうしても“目には目を”の部分ってあると思うんですよ。

──やられたらやり返すですか?

HYDE:仕方のない場合ってあると思います。戦争っていけないけど、進撃されたら反撃しないことには自分の国が無くなってしまうわけだし、せざるを得ない面はありますよね。そういうことって日々の闘いの中でもあると思います。たとえダメージを受けても、自分が闘いたくないという理由で、「じゃあ、もうこれで終わりにしよう」と言えるものならいいけどね。でも、言えないものもあるじゃないですか。その場合はやっぱりどうしても闘わざるをえない。今回のパンデミックも“負けた”では終わらないですからね、我々も反撃しないと。まだまだコロナの時代が続くわけだし。

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