Sept.、1stフルアルバム『Wander Wander』全曲セルフライナーノーツ

Sept.が1stフルアルバム『Wander Wander』をリリースした。

◆「good wander」MV

今作には、ミュージックビデオが公開されたばかりの「good wander」はもちろん、昨年末からシングルとしてデジタルリリースされてきた「requiem」「slow down」「faraway」「free-fall」「Kaze」など全12曲が収録されている。バンドからは、全曲のセルフライナーノーツが届いている。

6月16日には、リリースパーティが下北沢ERAで開催される。この日はオープニングアクトとして、Sept.のアコースティックセットも披露される。



■アルバム『Wander Wander』全曲セルフライナーノーツ
01.「good wander」
僕らは日常の平凡さに嫌気が差していた。
いつも通りの朝、駅までの道中ですれ違った”誰か”はまるで魂が抜け落ちたような顔をしていた。
そんな日は決まって、いっそ反対方向の電車に乗ってしまおう、知らない何処かへ旅に出れたらな、なんて思う。
僕らはいつだって日常から抜け出せるし、日常を好きになることもできる。君が心を失わない限り。
“旅に出ようぜ"

02.「Kaze」
風は何処からともなく吹いているが、何処から生まれるのか、何処に向かって死んでいくのか僕らには知る由もない。
ただただ、ただただ揺られていた。
行き先は何処なのだろう。果てには何があるのだろう。
わからないけれど、君がいればどんな世界でも乗り越えていける気がしたんだ。

03.「show-window」
僕は孤独を愛することができる。
現実というノイズを消して僕だけの世界をくれるイヤフォンは最強の盾だと思った。
サビの「ショーウィンドウ」と「Noisy音」の韻は至高。

04.「free-fall」
もうどうでも良いやってなっても
やっぱりどうでも良くないってなる。
そのどうでも良くないってやつが誇りなのかもね。

05.「slow down」
生き急いでいるあなたへ。
もう何もいらないから、音の海へ潜ろうよ。

06.「faraway」
思えば遠くきたもんだ。
中原中也 「頑是ない歌」をオマージュした哀愁漂う詩と、
透明感のあるコーラスがかったギターサウンド。
きっと思い浮かぶのは遠く遠く。君の故郷。

07.「nostalgic youth」
僕らは大人になった。
青春映画を見てノスタルジックになるからきっとそうなのだろう。
いつしか疎遠になってしまった“ともだち”へ捧ぐ歌。

08.「stereotype」
桜が綺麗なことを本当の意味で理解していなかった。
みんなが綺麗なものと認識していたから綺麗だと思っていたのだ。
きっと全てのことがそうなのだろう。
誰かがそう思ったから僕もそう思っている。
僕の価値観なんてそんなもの。
僕のものであって、そうではないもの。
でもあの日に見た桜は確かに綺麗で、胸の煌めいたこと、忘れはしない。

09.「daylight」
走っている時はそう。考えてる余裕なんてない。
あの夕陽の方へと必死になって、息が上がって苦しくなる。
そして脈を打つ鼓動の音が聞こえてきて、生を感じるんだ。
僕はその感覚をいつだって味わっていたい。
いつまでも青春な唄。

10.「good night」
映画のような綺麗事にならない世界だ。
どうやったって駄目なときもある。
そんな夜はこの曲を聞いて眠りに着こうよ。
それじゃまたね。おやすみ。

11.「requiem」
君のためにを歌った唄は
結局は僕のための唄だったんだ。
なんて皮肉なんだろうか。

前作「non finito」のアンサーソング。
夢の中の世界の唄。

12.「morning shimmer」
嵐が去った朝は雲ひとつない飲み込まれそうなほど蒼い空だった。
僕らは何回だって生まれ変わって、今日のような始まりを経験してきた。
眩しくて、やさしい光が差す世界で今日も生きている。
アルバムを締めくくる、新たな始まりの唄。